少しいたずらなからかうような口調だったけど、本心は本気です。
やはり断りやすさも残してあげないと、せっかく親しくなれたのを失いかねない。
「おばさんにつきあってくれるんならどこでも連れてってあげるわよ~!海外でもいいわよ!今ね、時間だけはあって本当に暇を持て余してるの。ひとりで出掛けてもつまらないしねえ」
「じゃあ、九州とか?」
「えっ、九州?」
なんでも彼が行きたいライブイベントが九州であるのだという。
「いいわよ、じゃあ、ホントに行く?」
「えっ、ホントにですかあ?」
「ライブの時は九州観光してるから平気よ。おばさん音楽はうといから見てもよくわからないしね」
進展する時はこんなものなんでしょう。
でも、あまりにうまくいきすぎて、頭の中は九割幸せ、一割不安って感じでした。
やはり友人を欺く訳ですから能天気に浮かれてばかりもいられない。
かといってこの案が流れたら立ち直れないくらい落ち込むでしょうけど。
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