私はこの頃からすでに友人に布石を打ってました。
あくまで母親目線で彼を褒めました。
「やっぱり男の子はいいわね~」
「実の子じゃないからよく見えるのよ」
「そうかもしれないけど、やっぱりもう一人産んでみるんだった。」
「女の子だったりして」
「そうなのよねぇ!」
私達は笑った。
でも子供を褒められて悪い気がする親はいない。
私のところは男手もないから、なんかあったらこき使ってやって!」
友人は気前よく言った。
彼は自分の趣味をひた隠しにすることには成功してるようだ。
それは気づかないのも無理はありません。
私だって彼との事がなかったら、十代の男の子が恋愛対象になるなんて考えてもいなかった。
いちおう彼との約束で、私と連絡先を交換してることは秘密だった。
「親には知られたくないことあるものね」
私は殊更理解のあるふりをしたが、内心は下心も混じっていたのは言うまでもない。
むしろ、彼が隠そうとするのも、彼の下心があればいいと希望が持てた。
そんな彼との転機は、彼が釣りに行って釣り上げた魚を持ってきてくれた時だ。
彼から魚さばけますか?と電話があった。
部活のレクリエーションで釣り大会があったという。
それなりにはできたからもちろん喜んでもらう事にしたのだが、彼は温泉饅頭もお土産でくれた。
締めが温泉だったらしい。
そう言われると頬に赤みがありツルンとしている。
私はいいわねぇとつい撫でてしまった。
あまりの艶々さに触ってからビックリした。
そういえば、台風で友人との旅行も流れたままだ。
夫もいないし今ならいつでも予定がつくから友人に伝えてと頼んだ。
私は調子にのって彼にも一緒に行かないか誘った。
彼は私だけならともかく母親と旅行はなあと真剣に思案していた。
(私だけなら)…
脳内に反響した。
私は意を決した。
「じゃあ、おばさんと行く?」
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