2017/02/26 15:59:50
(fD/hBIDv)
半年前の話です。
俺(30)の地元の駅の北口に、小さなたこ焼き屋があります。しかし、俺は関西人だけど別にたこ焼きはあまり好きではないし、それに俺の家がある方向の駅の出口は南口なので、たこ焼き屋のある北口に行くことは滅多にありませんでした。
しかし、半年前、たまに買い物等で北口の高架下を歩いた時、例のたこ焼き屋に、小柄な可愛らしい女の子(19)がバイトをしているのを通りかかった際に知りましたが、しかし、俺にはたこ焼き屋自体に用事がないので、好みの可愛らしい子が働いてるといっても、その店に足を運ぶこともありませんでした。(それに俺は、可愛い子いる。等の理由でわざわざ店に通ったりしません)
それから1ヶ月くらい経った頃、その日俺は友人の家に泊まっており、翌日の昼過ぎ頃に車で送ってもらったのですが、帰ってきた道の事情で俺は本来、俺が使っている南口ではなく、「ここでいいか?」と北口に降ろされたのです。
俺は「おう。ありがとさん」と北口に降りると、なにぶん朝も昼も何も食べてないという事もあって、(とりあえず何か食いたいな)と思ったのです。
その時、例のたこ焼き屋の前には、6コ入り300円 生350円 という看板が目に入り、(たまには、、たこ焼きでも食うか。。。)と、その店に入っていったのでした。
店は、外観から想像していたとおり、決して広いとは言えない広さで、店内では、スポーツ新聞が数枚の置いてあるお好み焼き用の鉄板のついたテーブルが2つ。黒の無機質なパイプ椅子が数個。小さな液晶テレビが申し訳なさそうに置いてあり、それにはニュース番組がやってました。
衛生的にも、決して清潔とは言えない感じでしたが、入ったものは仕方ありません。とりあえず、その女の子に、「生とたこ焼き6コ入り」と注文したのです。
その店には、俺と同い年くらいの店長と、そのバイトの子がいました。俺は出てきたたこ焼きを食いながらビールを飲み、店長に「ここいつからやってるんですか?」等と話しかけると、意外にも店長自体は接客業経験が長いらしく、気さくできっぷのいい感じで返答してくれたのでした。
俺はその店の(予想外に美味しかった)生ビールと、話してて面白い店長を目当てに、俺はそれから、週に1~3のペースで、通うようになったのでした。(たこ焼き自体は70点)
そろそろ、バイトの子について話します。まずは外観から。
この子、身長は普通より、やや低めで小柄。髪形は耳の下くらいまでふんわりした黒髪だが、首や肩くらいから、妙に跳ねてカールがかかっているような、そんな感じ。そして目はぱっちりではなく、はっきりと言ったほうがいいかも。顔型はそれなりにキレイ可愛らしい。っていう感じ。ただ特徴なのが、黒縁メガネをかけていることと、髪の毛が変にカールかかっているので、ぱっと見、「黒ベースのアラレちゃんw」っていう感じに見えました。
ただ、黒縁メガネで黒髪って、ほんと素材が可愛い子しか似合わないと思うのは、みなさんも同意してくれると思うのですが、その子は顔型も体躯もきれい可愛らしい感じの素材だったので、それらアイテムがかなりにあってました。
以後、この子をアラレちゃんとします。
アラレちゃんは、最初、けっこう大人しい感じの子に見えました。俺が店にいっても、ほとんどしゃべっているのは店長のみで、アラレちゃんは、適当なタイミングで、「そうなんですか~」 とか、 「はい」 等と、必要最低限の返答しかしなかったからです。
ともかく、内心は(この子、やっぱ可愛いな)って感心しながらも、はやり店長と話す事が多かったので、この段階での僕は、アラレちゃんの情報を何も引き出せないでおり、また引き出そうともしていませんでした。
しかし、転機が訪れます。
それはたこ焼き屋通いをして2ヶ月くらい経った頃、もう店では十分に常連の域に入っており、店長からも、「おw ○○さんw そろそろくるんじゃないか。って思ってましたよw」 等と挨拶されるようになってた段階。
俺はその日も普通にたこ焼き食べて、(たまに焼きそば、たまにお好み焼き)その日も帰ったのだが、その日は翌日、休みという事もあって、ついつい朝方までゲームをし、やたらと腹が減ったので、車で10分くらいは距離あるのですが、24時間やってる牛丼を食いにいったんです。
そして牛丼を食べて、帰りにコンビニ寄って帰ろうとしたとき、なんと偶然にもコンビニに、アラレちゃんがいたのでした。
アラレちゃんは雑誌のコーナーで立ち読みをしており、俺がゆっくり背後に近づいてから、、「ようw」と声をかけると、「ひゃ!!びっくりしたーーー!!」と、お店のときとは、また違う感じの表情で答えてくれたのでした。
それからコンビニ内で、「こんな時間になにしてんの?w」と聞くと、「いや、仕事がえりでして・・w」と言ってきたので、「え?仕事?たこ焼き屋こんな遅いの?」って聞くと、「いや、仕事はたこ焼き屋じゃないんですけどね。」と言ってきたのです。
それから俺達はそのままコンビニの前のベンチに座り、アラレちゃんの近況報告を知ることになったのです。
聞くところによると、アラレちゃんは19才。現在、たこ焼き屋のバイトをしながら夜は、某有名運送屋で、軽貨物の荷物の仕分けのバイトを掛け持ちしているとの事。
俺が、「なんでそんなキツイ事してんの?普通に働けばいいのに」というと、実は半年前までは普通に働いていたとの事だった。その時は、高卒してから実家のある高知県の須崎市郊外という周囲は山と畑ばかりの所から、都会デビューという事で単身、友達の縁を頼りに大阪に来たらしい。
そこで友人に紹介されたのが、「コールセンターだったら年中、人不足だから、絶対落ちないよ!」と言われ、それに応募したとの事だった。
しかし、人手不足なのは嘘ではなく、面接⇒合格(派遣社員として)したらしいのだが、実際に現場投入されてみると、アラレちゃんのなおらない方言、そして、、職場環境の中で、先輩のおねーさん達の鮮麗された細心の流行のファッションについていけず、(自分が田舎者丸出しだった事) 結局、こういう仕事は私には無理だ。。。 と思って、地元のたこ焼き屋と、運送業者でバイトをするようになったとの事なのです。
もはや、人生相談みたいな感じで、後半は話を聞いていたのですが、月収も良くて13万前後。家賃で4万。光熱費 電話代で4万 その他の5万で他のあらゆる食費や雑費をまかなっていかなければならない。という事で、、、「いつもギリギリなんです><」 っていってました。
ちなみに年金も保険も払ってないらしく、電気代やガス代などは、残業等があって給料が多いときにまとめて2ヶ月払いしたりしているらしく、余裕がないときは、普通に遅延するとの事。アラレちゃんは、「電気代もツケにしてるんです><」って言ってくるので、「いやいや、電気会社にツケとかいうシステムないからwww それ、ただ延滞してるだけやwww」 なんて会話が飛び交いましたw
ともかく、たしかに方言もところどころに見受けられ、可愛らしい感じではあるのだが、やっぱり若干、田舎者の要素が強いアラレちゃんなのでした。
俺はそんなアラレちゃんに、「まずは経済的な問題をなんとかしないとなぁ。。。」という話をし、アラレちゃんが「なにかいい方法ありますかね」と聞いてきたので、俺は「ネットビジネスなんてどう?」って提案してあげたのです。
アラレちゃんは基本、パソコン等は得意そうな印象を受けたので、俺はあらゆる誰もが知っているネット販売サイトを紹介し、ビジネスの基本。「安く仕入れて高く売る」という理論を教え、個人事業の開業の手引きというものを教えてあげたのです。
そこでネックになったのが・・・(中略) 「なるほど。わかりました。売る商品は在庫抱えてても維持費かからないもの、そして腐らないものですね」 「そのとおり」 「でも・・・最初どうやって大量購入すればいいんでしょう・・・w そんなお金ないし」
と言われたのでした。
俺はその時、アラレちゃんが俺に対し、自分の状況を話してくれる、裏表のない人間だと思ったので、思わずこんな言葉が出たのでした。
「だったら20万くらい貸そうか?別に返してもらうのは、アラレちゃんがビジネスで成功してからでいいよ。督促とかも一切しないし、もう上げたつもりで投資するから」といったのでした。(20万くらいは別に苦ではありませんでしたから。)
アラレちゃんは、「うーん・・・」としばらく考えたあと、、、「やります。。。!」と決意したのだった。さらに、「ほんとに督促とか、ないですよね?」って心配そうに聞いてくるので、「絶対ないから安心してw」といい、、「あと・・・・アドバイスがもっと欲しいです><!」
という感じで、俺達はただのたこ焼き屋と客という関係から、未来の個人事業主。そして経営顧問。っていう関係になったのでした。