2012/07/20 03:24:43
(4ibn9lCi)
沢木は私のことを再び押入れに戻し、数センチの隙間を残すように襖を閉めた。
沢木がこれから起こす行動によっては、幸せだった我が家が崩壊する・・・。
この歪みは二度と塞がることはなく、それぞれの絆を断ち切ってしまうのだろう。
母も焦っていたと思う。
予期せぬ物音。
それもドアでなく襖が開く音。
誰かがいるのか、何かがあるのか、それともこれから何かが起こるのか。
いずれにしても、隣に寝ている父と、上で寝ていると思っている私に隠れて行っていた情事を見つかっては困るだろう。
何があったの、という問いに沢木からの返答がなかったことが、更に不安を増長させたに違いなかった。
ましてや、こんな格好。
目隠しをされ両手は縛られ、でも裸で片足にはパンティが巻き付いている。
誰しも、こんな姿なんて見られたくないに決まっている。
母は身体を動かそうとしたが、無理な体勢を支えるのが精一杯で、足は限界に近いのだろう、プルプルと震えていた。
加えて、不安と恐怖も限界のはず。唇も震えはじめた。
父の鼾が虚しく響いていた。
手の自由を奪われたが、私はこのまま足で襖を開け、沢木に突進し、少なからず母の目隠しを取らせないように、そして出来れば父に気付かれることなく、沢木の行動を止めることは出来ないかと考えた。
しかし、すぐにあの時のことを思い出した。沢木に二度も攻撃をかわされたことを。
・・・無理だ。
くそ!
無力な自分に吐き気がした。
こうなることが何で判らなかったのだろうか。
沢木が嫌な笑顔になって口を開いた。
何を言うつもりなのか。
ああ、・・・やめてくれ!
「ひょっとして息子が押入れに入っているのかと思ったら、やっぱいなかったわ」
は?
何言ってるんだ、こいつは・・・。
沢木がちらっとこっちを見て、また不敵に笑った。
口が動いて何か言っていた・・・。
『これから、これから』
多分そう言っていたのだと思う。
何なんだよ。こいつは・・・。
安堵から全身の力が抜け、汗がぶわっと噴き出した。
「え? な? ちょ、・・・ちょっと・・・。あ! 」
母は沢木の取った行動に動揺したのか、体力の限界がきたのか、バランスを崩して寝ている父の上へ倒れそうになった。
母の全体重プラス勢いで父の上へ倒れこめば、さすがの父も起きてしまう。
最悪っ!
と思いきや、寸前で沢木が母を抱え上げた。またおしっこポーズで。
「あは、セーフ・・・、ビックリした? 」
いたずらっ子のような顔で沢木は母を覗きこんだが、母は何も答えず、ただ、はあ、はあ、と息を整えていた。
母も全身に汗をかいており、いかに体力が消耗されたか見て取れた。
母の表情が変わった。
先程までの『恋人』モードの甘え顔が一変した。
この顔は、かなりの怒りモードだ。
たとえ目隠しをしていても、私にはわかった。
手酷いいたずらをしたときに出た例の雷・・・。
幼い頃からの条件反射で、私の体が硬直した。
ドでかい雷が落ちる。それももう秒読み段階で。
父だって起きるかもしれないが、こうなったら母は止まらない・・・。
母が、すうっと大きく息を吸った。
来るぞ・・・。
「ちょっ」
・・・っと! アンタ!! ふざけんじゃないよ!!!
と叫ぼうとしたのだろうが、寸前に沢木の指が母のあそこに「あん! 」という母の可愛い声とともに入ったかと思ったら、おそらくGスポットらへんを高速で愛撫した。
愛撫というより激しく毒物でも掻きだすような感じだが、母は物凄い勢いで悶えていった。
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅちゅちゅちゅちゅちゅぬちゅにちゅにちゃぬちゅにちゃぐちゅぐちゅという下からの音とともに、
「あああああああんんんんんんん、っくくくんん、ああ!! あ! あ! あ! あんっ! 」という上からの音が綺麗なハーモニーを奏でた。
細かい飛沫のように愛液がピピピと吹き出していた。
沢木が母を振り向かせその唇にむしゃぶりついた。母もそれに応じ「んん、んぱあ、はあ、はあ、んぷぅん、んん、ん、んぐ」と激しいキスをした。沢木は母の口内や唇では飽き足らず、頬をなめあげ句、鼻の穴の中に
まで舌を入れた。母はその自由な生き物のような沢木の舌を自らの舌で追い求め、首も折れんばかりに沢木の方を振り向いていた。沢木は母の要望に応じながらもその手は休むことなく母の秘部に快感を与え続けていた
。
「んぷぁ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・、やん、あ、い、いやだ・・・。そこそこそこそこそこ・・・、んん、んぐ、んぱあ・・・、はあ、はあ、はあ・・・」
キス、呼吸を整え、喘ぎ、キス、呼吸を整え・・・。
一定のリズムが、母の身体をくねらせ、喘ぎ声を高め、そして私のあそこを痛いくらいに立たせていった。
「あん、あ、あ、あ、あ、あ、あ、・・・んんんんんんんあ、はあ、はあ、は、は、は、は・・・、ああああ、ああああああ、ああああああんんん、だめ・・・、だめだめだめだめだめ」
母の声が明らかに大きくなっていた。父の鼾に助けられていた今までよりも、更に大きい。絶頂が近いのかもしれなかった。
「ん、い、いく、だ、だめ・・・。だめです・・・。あ、あ、あ・・・、・・・え? 」
急に沢木の指の動きが止まり、沢木は母をベッドに下ろした。そして母の目を覆っていたストッキングをスルスルと外した。
部屋は月明かりが差し込んでいた。
目隠しをされていた母は、そんなわずかな明かりでさえ、眼を馴らすのに少しの間を必要とした。
沢木は母を見下ろし、その視力が戻るのを待っていた。
「はあ、はあ、はあ、はあ・・・」
母の怒りはもう収まっていた。逆に絶頂を迎えさせてもらえなかったことに気持ちがスライドされていったようだ。
沢木は力業で母の感情をねじ曲げた。
間違いなく落ちるはずだった雷が落ちなかった・・・。
私は先ほどから、生まれて初めて見る母の姿に戸惑いっぱなしだった。
こんなの・・・、母じゃないみたいだ。