バツイチになって里帰りしたため、今我が家ごった返している。
母は動物病院を自宅で経営している。
そこで働いていた子が妹と結婚。
跡継ぎができた母は喜び、母屋を改築して二世帯住宅にした。
将来、母の方の分は私が相続すればちょうど均等になる。
妹は一口で言えば理系女子で、家事全般をやることが不可能なほど多忙な職に就いている。
妹の旦那のおかげで楽ができる母は、そんな妹夫婦の面倒も喜んで見ていた。
妹の旦那が出張診療を始めたおかげで、ますます病院は盛況らしい。
そんな我が家に厄介者の居候が戻ってきても、大した問題でもなかった。
私は貰うものは貰えたし、自分一人の生活などたいして負担ではないので、ボチボチパートなんかを始めた。
経理の資格でも取れば、母が採用してくれるとも言っているので、しばらくは勉強しながらパート勤務をしていくつもりだった。
やはり帰る実家があるのはありがたいものだ。
私は同じような境遇の友人らが苦労してる話を聞かされているので日々感謝しながら過ごしていた…
そんなある日。
パートが午前中で終わりの日に友人とランチの約束をしていたのだが、子供の具合が悪くなり延期になった。
私は電動自転車でパート先に通っている。
午後から天気が崩れる予報のせいもあり、寄り道せずにおとなしく家に戻ることにした。
ちょうど病院は休憩時間だ。
受付をしてくれている真奈美さんは母の従姉妹で、だいたい近所の自宅にいったん戻る。
おそらく二人で昼食でも取っているのだろうと、たい焼きを買って帰った。
田舎の方だから立地的には恵まれてはいないが、競合もほとんどないのであまり関係はない。病院のドアには休憩時間の札が下がっていた。
私は裏に回って住宅の方の玄関から入る。
母が暮らす方のドアを開けて入ると、家の中は静まりかえっていた。
明かりも全くついていない。
ただ、サンダルなどはあるので居るはずだった。
リビングやキッチンも覗いたが母は居なかった。
ただ、白いビニールにくるまれたままの手つかずのお弁当がテーブルにあった。
なんだかますます変だ…
二人で往診には行かないだろうし、もしかしたら妹の家の方かと、中から行き来ができる扉に向かうと、二階から物音がした気がした。
二階なのかな?…
ちょっとおっかなびっくり階段を上がる。
私はスリッパを履かない人間なので、全く物音を立ててなかった。
それで全く二階の人間には気づかれなかったようだ。
二階の母の寝室からはっきりアノ時の声だとわかる音が、私が二階の廊下を歩いていても変わらず漏れ続けていた。
2026/09/30 12:51:15
(YsKj2LYw)