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1
2018/01/07 08:01:03 (2QBjsFAD)
社会人 一年生の時の話
レストランで働き始めて 3ヶ月ぐらいかな
調理場と裏方があり 新人の自分は当然裏方だった
まぁ 米を炊いたり スープを作ったり 野菜や肉の下ごしらえ
が 主な仕事
その裏方の仕事を一緒にやっていたのが かおるさんで 38歳
スレンダーな体型に胸は大きく 優しい女性だった。
自分の教育係でもある かおるさんは 自分より早くから作業に入り
自分より早く帰るのが日課だった。
特に仕事以外の話をする訳でもなく テキパキ仕事をこなす かおるさんは 単なる先輩であり まぁ 19歳の自分にとっては恋愛対象でもなく 当然かおるさんも 親子みたいに歳の離れた自分の事など
なんとも思ってないと決めつけていた。
そんなある日 帰り際に かおるさんが 『高いお肉頂いたから
家に食べにおいで どうせろくなもの食べてないでしょ』
レストランに勤めてるのに 自分の夜ご飯は ラーメンとか
弁当ですませていた。 寮に入り親元を離れて一人暮らし
寮生活と言っても 会社が借りているアパートに一人で暮らしていた自分は 『えっ すき焼きですか? はい 食べたいです』
かおるさんのアパートの地図を渡され すき焼きは食べたいが
なんか緊張するなぁ なんて思いながら仕事を終わらせた。
夜 8時にアパートに到着 チャイムを鳴らすと 『はぁーい』と
かおるさんが出迎えてくれた いつもの白い調理服しか知らない自分は かおるさんの スカートに青いセーター姿に少しドキッとした。
『何してんのよ 早く入りなさい 風邪ひくわよ』と急かされた。
『失礼しまーす』と 旦那さんとか 子供さんに聞こえるよう 大きな声で言うと かおるさんが 『びっくりするじゃない そんな大きな声出さなくても 聞こえてるわよ』と
大きな声の訳を説明すると 『あれ ごめんね 言ってなかったわね
私 離婚して一人だから』 と
『あっそうなんですか』と言いコタツの上を見るとすき焼きの用意がしてある 『見て このお肉ー』とかおるさんが嬉しそう
うん 確かに美味しそうなお肉でしかも大量


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62
2018/01/17 15:55:27    (b0tJeeMP)
ガソリンスタンドのバイトを始めた
朝6時半から 7時まで 車好きの自分は 結構楽しかった。
ある日 チーフから電話があり 店を手伝いに来いと
夜 8時に店に着くと 『あー俺はもう疲れた 帰るから 後 やっとけよ』と言うと帰ろうとする、 『ちょっと待って下さいよ オーダーが入ったら どーするんですか?』
『おまえ やっとけ それから終わったら 掃除頼むな』
『発注は やってあるから な 』
? ? ? 『無理ですよー 聞いたことないメニューとかあるじゃないですか わかりませんよ』と必死に訴えると
『あー 分からん奴があれば 食材切らしてるから って 断れ』
そんな 馬鹿な 嘘だろ
レシピを聞くと そんなもんは無いと
おまえだったら だいたいできるやろ と
そんな馬鹿な 無茶ぶりだわ
で 本当に帰っていった
頼む お客さん来ないでくれ~と祈るが
いらっしゃいませ~ と そりゃ 来るわね 店開けてるんだから
オーダーは まぁなんとかなりそうな 奴だった
しかし 食材の場所がわからない
冷蔵庫 バタバタ開けて 必死で走り回る
もう 嘘だろ………
これは 今でも夢を見る程 辛かったです。 本当に
でっ 次の日もまた
『おまえ 毎日来い』俺は疲れてるから もう駄目だと
バイトが 休みの日は 朝から来いと
嫌とは 言えずに………
運送屋さんの寮 家賃は (ただ)だからなぁ~
一日中 入る日は まぁ料理を覚えるのには 役立ち
なんとか 全てマスターした。
1ヶ月が経つと 奥さんから 給料が渡された
『えっ お金いただけるんですか?』
と キョトンとする自分に 奥から
『当たり前だろー 俺は鬼じゃないからな』と
15万も入っていた
『こんなに もらっていいんですか アパート代も払ってないのに』
『あんなもん どーせ空いてるから いいんだよ 』
『じゃあ このお金で払います』と言うと
『馬鹿やろ~ 子供生まれたら 金いるだろう ー
使うんじゃねーぞ 全部 かおるさんに 渡すんだぞっ』
『はい ありがとうございます』 奥さんの前なのを忘れて 泣いた

かおるさんよ実家へ バイトが休みの前の日に泊まりに行き
朝早く起きて チーフの店に出勤
朝からバイト 夜は チーフの店で バイト
お金を使う暇も無かった
給料は 両方で 30万ちょっと だった
朝飯は 抜きで 昼飯は パンをかじり 夜はチーフの店で まかない飯
8ヶ月程で 180万程の貯金が出来た
本当は は母親から 騙した120万の手切れ金もあるのだが
チーフには 言えなかった………

ある日 いつものように バイト後 チーフの店に出勤
『あー おまえ 明日から来なくていいぞ 首だっ』


63
投稿者:たーか   taya4470
2018/01/17 17:50:23    (0dMAlFD/)
続きを期待してます。
一気に読んでしまいました。
64
2018/01/17 18:02:31    (b0tJeeMP)
『なんでっ 首なんですか?』
『馬鹿やろ~ おまえに高い給料払ってると
俺の小遣いが ねーんだよ それに そろそろだろ
おまえ かおるさんの実家へ 毎日帰ってやれ』
奥さんは レジの所で こっちを見てにっこりと笑っている
奥さんの所へ 行き
『ありがとうございます すみません 本当 すみません』
『あの人 そーゆー人だから 笑
生まれたら 直ぐに連絡してよ』
あかん この人たち いい人すぎる
うるうるしそうになっていると 奥から
『おーいっ 帰るぞ 後頼むぞー』
ありがとうございます と 言うと
なぜか 隣でバイトの姉ちゃんが泣いていた。
運送屋のお兄さんにも しばらくかおるさんの実家へ行くため
アパートには 帰らないですと 挨拶をしに行くと
『頑張ったなぁ もうここへは帰って来なくていい
子供 産まれたら もっと綺麗なアパートへ 引越ししないとな
引越しは またやってやるから 早くアパート探してこい』
弟に うちで使ってもいいぞって 言ったんだけどな
駄目だとさ なんか考えがあるみたいだから あいつ

考え? 何?
ここまでの話しを かおるさんとお母さんに話すと
お母さんは 『一生 足向けて寝られないね』
子供産まれてから お礼に行く時 私も連れて行ってほしいと言った
うん うん と 聞いていた かおるさんだが
『和君 疲れてるところ 本当にごめんね あのー
できたら 産まれる前に 婚姻届出したいの………』
あー 忘れてた まだ結婚してなかったんだ




65
2018/01/17 20:30:19    (bCHlZK8R)
で 次の休みに 一緒に婚姻届けを 出した。

かおるさんは いつ 行ってくれるのか と
待ち続けていたらしい
『言ってくれたら良かったのに』と言うと
『和君 めっちゃ頑張ってくれてたから お母さん 安心したって
言ってたわよ 』
あの人なら 大丈夫だよって
時折 お腹をさすりながら かおるさんは とても嬉しそうだった
あーこの人の笑顔を見る為なら なんでも我慢出来る
そう思った。
突然 かおるさんは 『もう完全に夫婦なんだから
かおるさんって 呼ぶのは ちょっとどーかなぁ~』
『私は 和君って呼んでいい?』
いいよ
『じゃあ 俺はなんて呼べはいいの?』
『………か お る がいいな』
まぁ いいけど なんか照れ臭く
『わかった』でも呼べないよなぁ
かおるさんは 呼んでみてよと
うーん 『今度な また 呼ぶよ』
『今 呼んで』
『無理』
『恥ずかしいの ?』
『いや そんなんじゃない』
『じゃあ いいじゃない 呼びなさいよ』
『か おる』
なぜか 夫婦になったんだなぁって思った。

かおるさんは 高齢出産の為 最初から帝王切開と決まってた
なんか お腹切るの可哀想だなぁ
予定日まで 1週間を切ったぐらいから
最初に 医者に言われたあまり 賛成はできない
と 言われた言葉が 重くのしかかり 苦しかった
多分 かおるさんも同じだったと思う
お互い その話には 触れず 逆に苦しかった
当日 お母さんと2人で待合室で待つ時間は
長くて 苦しくて 辛い時間だった
二度と味わいたくない
もっと 不安のはずの かおるさんは やはり強いと思った
無事 元気な女の子が生まれ 安心から 倒れそうになった。
付き添いのはずが 病院のベッドで点滴をしてもらい
気がつくと お母さんが心配そうな顔で 立っていた


66
投稿者:初心者
2018/01/17 20:38:19    (9UQCpViH)
いいお話ですね。
続きを楽しみにしています。
67
投稿者:たかし ◆1ThKR8kaTA
2018/01/17 21:41:02    (wUa74MYO)
元気に生まれてきてありがとう!自分にはありえないことだけど、ちょっと羨ましいんだなぁ。続きも楽しみにしています。読んでて幸せ
68
2018/01/17 21:54:31    (bCHlZK8R)
かおるさん 何故か 今日は 赤ちゃんと別の部屋
なんで なんで 心配になる
しかも 自分とも会わせてもらえない
お母さんは 心配しないでいいよ 大丈夫と言うが
何かあったのか………
赤ちゃんは 元気で ガラス越しに眠ってる
看護婦さんに 聞くと 『大事をとってだから 心配ないわよ
また 気絶しないでね 笑』
次の日 かおるさんは やっと 赤ちゃんと一緒の部屋へ
『 よかった よかった よかった』
かなり お腹が痛むらしく 声も小さく 疲れた様子だった
そこへ お母さんが 入ってきて 『かおる 頑張ったね』
『和君も 頑張りすぎて 気絶したのよ』と
驚いた後 くすくす笑う かおるさん
『もー駄目だったら 笑うとお腹痛むの』
あーぁ お母さん チクりやがったな
『でもね、気絶するくらい 心配してくれたってことなんだからね
よかったね かおる 幸せになれて』と 震える声で お母さん
よく見ると 泣いてた
うん うんと 頷くかおるさんの目にも涙が………
チーフに電話する
『女の子かっ、それでかおるさんは 大丈夫か? そーか そーかぁ
おーい 生まれたってーー 』奥さんに 叫んでるみたい
『兄貴にも 言っとくわ おめでとう』 ガチャン
自分の両親にも 言いたかった 父親になったと
元気な女の子だったと

あー 妹に 連絡するの忘れてた
駆け落ちする前に 妹だけには 連絡とるからなっと言ってたのに
一度も連絡せず
受話器を持つが 親が出ることを恐れてまた置いた
あいつ 心配してくれてるかな
喜びも伝えられないもどかしさを感じた時だった


最初の心配は なんだったのか かおるさんは 回復し
赤ちゃんも 元気に お乳を飲む
お腹が痛むのは かなり続き 1ヶ月程は 時折顔をしかめていた気がする。
名前は かおるさんが決めた名前に決定
新しいアパートで 三人の生活が始まると
チーフから 電話が 『おまえ うちの店で働け
二店舗目を出すから そっちを任せるとの事
かおるさんと一緒にやればいい 』
それから 14年間 店も順調で 三人 幸せに暮らしていた ある日
かおるさんが 『気のせいかもしれないけど 一応病院行ってくる』
胸にしこりがあると言い出した 。
心配すると 『心配ないわよ 一応見てもらうだけだから 気にしてると良くないしね 』
開業医に行くと 紹介状をもらって帰ってきた……
大きな病院での 結果は 乳癌
片方の胸を取り除くと 娘には 言いたく無かったが
流石に片方だけ胸が無くなるのに 嘘はつけず
話しをする



69
投稿者:だいすけ
2018/01/18 00:32:45    (JQIdjGbV)
読みながら目がウルウルしてます。
薫さん、無事でいて下さい!って願わずにはいられません。
70
2018/01/18 00:55:21    (9lJ3GXn.)
娘は 嘘だよね そんなの 嫌だと 取り乱した
『大丈夫 大丈夫 胸は 片方だけになっても
母さんは ちゃんと元気になるから
元気になる為なんだから 仕方ないんだよ』
本当?
『勿論 悪い所を取れば 元気になれるって
先生も言ってるんだから 心配無いよ』
早い方がいいと いろんな検査 検査の繰り返し
そして手術
かおるさんは いつもの明るさを失い
自分と娘は どう接していいか分からず 神を恨んだ
なぜ かおるさんなのか 折角幸せになれたのに
かおるさんが 何をしたっていうのか
なぜ 側にいるのに助けてあげれないのか

胸を無くす事の辛さ
再発の怖さに ずっと 怯えて生きていかなければならない
もう 笑っても 本当の笑顔なのか 作り笑いなのか
自分でもわからないと 呟く
腫れ物に触るような 態度は 余計にかおるさんを辛くさせる
でも どーしていいか 答えは 見つからなかった
検診前 1週間になると 『和君 行くのやめてもいい?』
怖い 怖いと困らせた
極度の恐怖から 食事も受けつけなくなることもあった
『大丈夫 心配無いよ』
なんの根拠も無いのに それだけしか言えない自分
本当は 検診なんか行って欲しくない 怖い
2年が経ち 検診の後 主治医に呼ばれた
リンパから 骨に転移が見つかりましたと
進行は 早く たった半年で 帰らぬ人となりました。
腰が痛い 痛いと 言っていたのに なぜか調子がよさそうな日
『和君 お母さんとお父さんに 謝りに行こうよ 』
『なんだと思ったら そんな事 考えてたのか もう許してくれたよ』
『本当なの 』
『あぁ 本当だよ お袋が かおるさんが元気になったら 店に食事に来たいってさ だから もう心配ないんだよ』
『そう よかった 』とまた眠りについた

もうすぐ 誕生日だったのに………
ハリセンボンぐらい ケーキにローソク立ててあげたのに
なんで 先にいなくなるんだろう
こんな悲しい 別れってあるのか
かおるさんのところへ 行きたい
そんな自分を 思い止めるのは 娘
娘は かおるさんの分身だから。

ふとした表情が かおるさんを思い出させると辛く感じたが
そんな時も過ぎ
高齢出産でのリスクも 恐れず 置いていってくれた宝物
そんな娘がいてくれたから 三年間頑張ってこれたと思います
かおるさんの提案で住所が書いてない年賀はがきを出し続けました
どんな思いで受け取っていたのだろうか 両親は
今年こそ 親に会いに行こうかと思ってます。
娘を連れて


お付き合いありがとうございました。
会話は 多少の違いは ありますが 内容は 忠実に再現したつもりです
かおるさんとの 楽しい日々が蘇り 懐かしさと 悲しさでいっぱいです。
残された方は 本当に辛いです
ハッピーエンドを期待されていた方が 多く 途中から裏切る事になる事を悩みました。
どうか気を悪くなさらないでください。
最後に 奥様や彼女がお見えの方は どうか大切にしてあげてください 。
それでは 失礼します。








71
投稿者:(無名)
2018/01/18 01:10:00    (ryvxAPP3)
かおるさんは早すぎる旅立ちだったと思いますが、あなたとの生活は幸せな人生だったと思います。
さぞお力落としのことと思いますが、娘さんと幸せに暮らしてください。
こんなことをいうと失礼かもしれませんが、長く一緒にいても苦しい夫婦もいます。
あなた方は本当に素敵な夫婦だと思います。
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