2016/11/22 23:19:31
(2V3/eyZG)
では、一番書きたかったことを書いてみようと思います。
前に、しおりさんのアルバムを見ていた時、『旦那さんとは不倫。』『そして子供が出来て、結婚をした。』と聞かされました。
ということは、『しおりさんって、まだ一度も結婚式をしたことがないのでは?』という疑問がうまれ、そのまま質問をしてみました。
結果、やはり未経験でした。そこで、『しおり、結婚式やろうよ。』と提案します。『何を言ってんの?こいつ。』みたいな顔をされました。
『意味がわかんない…。』
『ん?したことないんでしょ?一緒にやろうよ。』
『キミと?』
『キミと。』
『キミと結婚なんて、出来んよー。冷静に考えてよ。キミのお母さん、私みたいなの連れていったら、心臓マヒ起こすわ。』
『そやね。(笑) やから、結婚じゃなくて、結婚式しよ。』
『もう、イヤな予感しかせんのやけど…。とりあえず、聞くわ。』
『どこかで結婚式しよ。ダメなら、この家ででも、やろー。』
ワクワクの僕に対し、しおりさんはまるで乗り気でない様子。我、関せずの状態になります。それでも、僕の結婚式大作戦は始動します。
ネットで調べ、結婚式に必要そうなアイテムを調べます。というのも、この家のキッチンを使用しようと、すでに考えていたからです。
キッチンの四方を白いシーツで囲み、正面にそれらしい台を置き、後は音楽でも流せば、式場になるのではないか。
キッチンのドアから花嫁登場、後は誓いの言葉をして、指輪があれば、式が出来るのではないか。そう考えていたからです。
ノートにイメージ図を書き、ホームセンターで必要な物の値段をチェック。ことある事に、しおりさんに声を掛けますが、依然乗り気はゼロ。
結婚式である以上、花嫁の協力なくしては成功、いや実現出来ないプロジェクトです。
こんな手作り結婚式ですが、意外とお金が掛かる事が分かりました。ドンドン予算(そんなものないですが)を削り、買えないものは代用品を探します。
ある夜、ベッドでそのノートを眺めていました。『出来てる~?』としおりさんが声を掛けてきました。突然の彼女の変化に、少し戸惑いました。
隣に寝転がり、『どうなってるの~?ちょっと説明して~。』と聞いて来ます。花嫁が重い腰をあげました。
『こんな感じ。』
『キッチンでやるんやぁ~。面白そうやねぇ~。』
『花嫁の衣装とかが分からんのよ。』
『頭に花冠つけたらいいだけ。衣装は何でもいい。』
『他は?』
『ブーケかなぁ。(準備は)私がするわ。』
『指輪をどうするか。給料の3ヶ月分とかでしょ?』
『えぇ~~、キミにはビックリやねぇ。それは、婚約指輪やろー。(笑)』
『そうなん?知らんかった…。(笑)』
けど、何とかしおりさんの協力も得られて、少し前に進み始めます。
そして、手作り結婚の予定もだいたい決定した頃。僕はジュエリーショップにいました。結婚指輪ではなく、婚約指輪を買うためです。
結婚指輪と婚約指輪の違いも分からなかった僕が、ネットで調べて、やるなら徹底的にやろうと考えたのです。つまり、プロポーズもです。
125,000円しました。ほとんど、店員さんの言われるがまま、薦められるがままに購入しました。
その夜、僕は先に寝室に入り、しおりさんを待ちました。入って来たしおりさんをベッドに座らせ、向き合いました。
『しおり?今度、結婚式するやろ?』
『まだ、参加するとは一言も言ってないけどな。(笑)』
『だから、その前にプロポーズとかした方がいいと思って。』
『何よぉ~!やめてよ~。そんなん、やらんでええよ~!』
『格好だけやから…。』
『やめて、やめて~!やらんとって!』
『指輪、買ってきた。』
『ダメ!ダメ!私、泣く!泣く!』
と指輪を見せた瞬間でした。『もぉ~、やめてよ~。そんなんせんとってよ~!ダメやってぇ~。泣くって~。』と、しおりさんは号泣をし始めました。