親父が病により入院した時でした。
親父が入院し、翌週末くらいに、向かいのベッドにまた新しい患者さんが入院してきました。
高校生の男の子で、母親付き添いでした。
親父の見舞いに行けば必ず男の子の母親もいるわけで、自然と話をするようになりました。
母親の名前は奈美、年の頃は40前後、ぽっちゃりした胸のデカさがやたら目立つ奥様でした。
病院内って結構温かいせいか、奈美さんはいつも薄着、時々胸の谷間をチラつかせてたりしました。
最初は病院内の家族控え室みたいなとこに寝泊まりしてた奈美さん、長引く息子さんの入院生活に合わせ、病院から近い下宿とでも言うのか、簡易宿泊施設とでも言うのか、そうゆうとこで寝泊まりするようになったと話されました。
家にご主人と娘さんを残しての生活の奈美さんでした。
俺が親父を見舞い、帰ろうとしたとき、奈美さんも息子さんにお母さんも帰るねとなり、一緒に病院を出ました。
慣れない土地、食事はいつもコンビニ弁当みたいな物ばかり、緊急のとき病院に駆けつけれるように、仮住まいから離れることも出来ないと奈美さん。
俺は、奈美さんを病院から近い、地元では有名なラーメン店に連れて行きました。
久しぶりに美味しい食事した~と喜んだ奈美さん、そこから俺と奈美さんの距離が縮まりました。
メールを直接やりとりするようになり、時々一緒に食事したり。
あれは親父の退院が決まる、少し前でした。
奈美さんから仕事中、ポツッと一本のメールが来ました。
寂しいとか疲れたみたいな内容で、息子さんに何かあったのかと思いました。
直接電話してみると、いつも明るく前向きな奈美さんではなく、本当に疲れているような、弱々しい声でした。
ならば食事に誘ってあげよう、俺は仕事終了後に奈美さんの仮住まいに迎えに行きました。
食事に出る予定なのに、奈美さんは住まいに入ってと言いました。
え?なんで?と思いながらも俺は言われた通りに入りました。
八畳ほどの部屋にちょっと煮炊きするだけの台所とテレビ、簡易シャワーと洗面所、ホテルのシングルルームみたいなとこでした。
『元気ないですね?どうかしました?』
奈美さんはベッドに腰掛け、動こうとしません。
『とりあえず飯に行きましょう』
黙ったまま、やはり動きません。
困ったな~と思っていたとこに、奈美さんがやっと口を開きました。
『抱いてほしいんです』
耳を疑いました。