2018/04/06 18:05:20
(rGQkXArn)
この会社に勤め始めて2か月がたったころ、俺は前回の投稿でも話しはしたが、インド人代表の小間使いということで、男性スタッフとしての立場を作っていってた。もしかしたらこの企業はもともと男の幹部が欲しかったのかもしれないが。
そして俺は、インド人代表からも気に入られ、幹部候補生という事で、インド人代表たちと一緒にミーティング等にも参加するようになり、その終わりには飲み会などにも連れて行ってもらっていた。
給料も14万ではあるが固定給。仕事も午前中は営業電話という部分は、女の子スタッフと同じだったが、午後からはアポが取れた女の子の営業への付き添い、そしてそれがない場合はパソコンを使った事務仕事などをこなしていた。
そして先の投稿でやめた女スタッフのパソコンの中に、独自のマニュアルがあって。という話をしたが、あえてその時に詳しく話さなかったのは、今から話をしようと思っていたからだった。
結論からいえば、独自のマニュアルなんかではなく、この企業が持っている「公式社内ルール」だったのだ。
いあ、具体的には 「紙面に出さない、いや出せない公式社内ルール」だったのである。
それはある日の事だった。9時の朝礼時に、思いついたかのようにインド人代表補佐が、「最近、新人も増えてきたので、営業トークの練習を今日はやりたいと思います。それぞれ制服に着替えて2番部屋に集まってください」と朝の朝礼の時に言い出したのだった。
そして9時半くらいになると、ゾロゾロと当時に勤務していた女の子10名前後が、あの営業服(OLバージョン)に着替えて2番部屋に入ってきたのだった。2番部屋というのは、20畳くらいの四角い空間にホワイトボードが設置してあって、それを向くようにパイプ椅子が並んでいる教室風の会議室である。
俺もそれに参加するように。という事でその研修に同席し、俺は一番後ろの端っこのパイプ椅子へと座って研修開始を待っていた。
すると50歳くらいの派手なオバハン主任が現れ、少し高くなっている壇上に立ち、「みなさん!おはようございます!」とか、威勢のいい掛け声で研修が始まり、それからは午前中は、謙譲語、丁寧語の使い方、電話でのマナー等をやり、午後からはお辞儀の仕方、「会釈、敬礼、最敬礼という3つがあります」等、そんなビジネスシーンで活用する知識などを教えていってた。
そしてそれも終わると、今度は実際にお客様を目の前にしたときのセールストークという場面の研修にうつり、教室の前に二つの椅子を向き合って設置し、お客様役、スタッフ役に分かれて、英会話教材の説明の仕方を、オバハン主任が指導する。っていう感じになっていた。
そして女の子のスタッフ同士が、パイプ椅子で向き合い英会話教材の説明をするのはいいものの、どの子もあまりに短いタイトスカートをひっぱったり、座りなおしたりする不自然な動きが目立つのだった。それもそのはず。いくら同性が目の前といえど、あんな短いスカートでパンツ見せながら真面目に営業トークって言われても無理に決まっている。
するとオバハン主任はブチ切れ出し、「あなたたちね!遊びじゃないのよ!!!真剣にしなさいよ、なに~~さっきからソワソワ足元ばっかり気にして!!!!そんな恥ずかしがっててどうやって数字とっていくの!!!!」といったのである。
(うわーいっっちゃったよーこのオバハン・・・w)と、他人事ながら俺は面白がっていた。
するとオバハン主任は、「ジョブズ君、あなた前来て!」と俺を指名しだし、、俺が「おれ??」となっていると、「あなたお客さん役やって!お客さんは男の人が多いから」というのだった。俺は「はぁ・・」といわれるがままに椅子に座り、その女の子の説明を聞かされるハメになったのだが、
さっきでも恥ずかしそうにスカートを引っ張ったり、膝の上の書類を置こうとして滑って書類を床に落として「あわわ・・!」ってなってた女の子が、今度は男である俺が目の前に来たことで、余計にあたふたし始めたのだった。
するとオバハン主任主任は「下着が見えるからってなんなのよ!下着が見えるのが嫌でできませんっていう人は帰ってください。もう必要ありません」と冷酷に言い出したのである。
さすがに、、、そこまで言われて、、「はい。いやなので帰ります」といえる女は誰もいなかった。いたかもしれないが、少なくとも、その場にはいなかった。そして、嫌な空気がその場を流れた。
まるで洗脳教育だった。またはソフ○オンデ○ンドの社員研修を彷彿させるものがあった。
今となっては、その時の女の子は8人から9人くらいで、4人が日本人だったのは覚えているが、残りは国籍などもうる覚えでしかないが、オバハン主任の恫喝以降、怯えてしまった女スタッフはみんな、スカートから見えるパンツを隠そうともせず、冷静に淡々と営業トークマニュアルを朗読するような感じだったのだ。
白、ピンク、黄色、柄物、いろんなパンツの柄を見れたのは見れたが、、、男ひとりこんな立場に立たされて、当時はラッキーなんていう感覚はなかった。むしろ、(なんで俺が。。。)と思っていた。
そんな「なぜわざわざ見える恰好で・・・」 と 「なぜわざわざ俺に見せるんだ」 と思っている俺たちスタッフへの洗脳教育だった。
それから2時間、女の子たちは順番に座らされ、目の前に座っている俺の目の前のパイプ椅子に立ち入れ替わり座り、そして英会話教材のセールスポイントなどを説明していった。
俺も俺で慣れてきて、「でも高いんじゃ?」とか「家が遠くて教室にはなかなか・・・」等の実際のお客さんの声を代弁して、それなりに「接客シュミレーション」みたいな形にはなっていった。
女スタッフも恥ずかしくなかったのか、パンツが見られているという事以外は、普通の営業トークの研修のような図になっており、、最終的にはみんなで笑い声が聞こえたり、冗談が飛び交うような、そんな雰囲気になっていってた。オバハン主任のマインドコントロールが成功していたのだった。
そしてその日の研修の締めの挨拶で、オバハン主任はこういった「今日は恥ずかしかったけど、ためになることも多かったでしょ^^ 現場ではもっといろんな事があるからね。それに「臨機応変に」もう一度いうわよ「臨機応変に」対応するためには、もう恥ずかしがってるとか、そういう状況じゃできないの。どんな事をお客さんから言われても、自分がいまどういう状況であっても、冷静にプレゼンができる胆力。胆力ってわかる?それを持たないといけないのです。今日は、最初は恥ずかしがってソワソワしてたけど、後半はみんなズンと構えてセールス出来てたよね。現場でも、今日の感じでやっていけば、必ず数字は伸びていく事を約束するから。はい、今日は以上です。お疲れ様でした!」
というと、洗脳が完了されたのか、みな一斉に「お疲れ様でしたー^-^」と元気な挨拶で終わっていったのだった。
事実、その研修の後、数人の女スタッフは、ベーシックコースの売り上げを伸ばし始めていたのだった。
研修をしている当時は、俺も焦ってアタフタし、目のやり場に困っていたが、、いざ「終わりよければすべてよし!」という雰囲気で研修が締めくくられた時、やっとその時になって研修中に目のあたりにした、同僚スタッフの色とりどりのパンツの柄を思い出し、興奮し始めている俺がいた。
キャバクラの女の子は、お客さんに対しては、恥ずかしそうにパンツを隠して座っても、ボーイに対してはそこまでしない。その構図がなんとなく理解できる俺だった。
俺も洗脳されはじめているのだろう。漠然とそう思っていた。