2017/03/27 19:01:34
(DLrSpdcB)
続きです。(2/5)
部室での話を聞いた翌々日には、前日の一人が同じく部室で朝練後の着替え中に、「俺もOKもらえた。土曜日にヤッてくる。コンドームの余り、分けてちょうだい」 と言ってました。
「やっぱり噂は本当なんだ」と改めて実感して驚く僕の様子に「お前も頼んでみれば?」と言われました。いつもと同じく別に興味無いと断ったのですが、ちょっと苦しかったかもしれません。
あいつ、本当にセックスできたのかな。気持ちいいかな。いいんだろうな。僕も早く彼女作ってセックスしたいな、なんて考えながら悶々とし、彼とKのセックス場面を想像したり、その彼を自分に置き換えたりしながら自己処理をする土日を過ごしました。
翌月曜日には、僕の方から彼に「ところで土曜日って本気でKの家へ行ったの?」とか、強張った普通の顔(?)で尋ねてしまいました。
「なんだ、やっぱりお前もヤリたいんじゃん」と言われる心配もしてましたが、相手はそんなことより初体験の感動を語りたくてしょうがなかったらしく、もう一人のヤツと一緒に、しばし自慢話を聞かされました。新たに分かった情報も、授業の合間にこっそりメモしました。
1、マン毛は少ししか生えてない。
2、差し入れ(?)にプリン持っていったら喜んでくれた。
3、一人とヤるのは1度だけだというルール(?)は、曲げる気は無いらしい。(3万用意してまでヤリたがる男子がいれば別だが)
4、基本、彼女いる男子とはヤらないし彼女いたことあるヤツとも原則としてヤらないらしい。
・・・つまり、童貞喰い専門か?
だとしたら、僕も童貞だし、可能性はある?
ドキドキしてきました。
5、「マ○コ舐めてみたい」と頼んでみたら、OKされた。てか、かなり感じて喘いでた。事後に聞いたら「舐められるの好き」だだそうで、「でも、舐めてと言うのはさすがに恥ずかしいから・・・」と、舐めたいと言われたのが実は嬉しかったらしい。
そんな追加情報に期待を膨らませ、妄想してオナニーをする日々をしばらく続けた後、やっとそのチャンスが訪れました。
試験前で部活の無い日の下校時、Hくん(Kと同じしょう学出身の僕の友達)と歩いてるところへKが加わってきました。普段ならKとHくんの二人と分かれる場所で、Kが「今日はちょっと」と言ってHくんと分かれ、僕の帰る方向へ一緒に来ました。こっちの方向に当時高校生だったKの従姉妹が住んでいて、好きなバンドのミュージックビデオを貸してもらいに寄るのだということでした。
そのバンドというのが僕も好きなバンドでした。というか同年代ならみんな知ってるはずですが、「BOOWY」のライブ映像のビデオだったのです。BOOWY解散から4~5年は過ぎてましたが、僕もBOOWYは好きで、CDは何枚も持ってました。それで話が盛り上がって・・・という程でもないんですが、帰り道沿いにあったKの従姉妹の家までずうっと、自然と話が続いていました。
話の途中で従姉妹宅へ着いてしまったので、Kは自然な流れで「ちょっと待ってて」と、僕を待たせて従姉妹宅へ入っていきました。3~4分待たされた後で会話を続けました。
Kが、従姉妹の母親から持たされた缶ジュースを飲みながら、すぐ近くの公園のベンチに座って15分ほど話しました。
Hくんと分かれ二人だけになった時からずっと言い出したくていい出せないでいた例のことがあります。
14年の人生で最高の勇気を振り絞ってやっと口に出せたのは、公園での話も一区切りついて、じゃあそろそろ帰ろうかという頃になってからでした。
今のチャンスを逃したら、もう当分チャンスは来ない、と焦って言ったので、話の脈絡も何もなく、かなり唐突な発言となってしまいました。
「えっと、あの、もうひとついい?」
「え、なに?」
「えっと、あの、えっと、、、」
「、、、、」
「あの、Kちゃんに……にお願い……」
「なんのこと?」
「Kちゃんに、ごめん、Kさんにお願いすれば、あの、その………してもらえると聞いたんだけど…」
心臓が口から飛び出すほどの緊張と恥ずかしさでした。噂が嘘っぱちだったら、とんだ変態男です。軽蔑されるだろうし、平手打ちくらい喰らうでしょうし、翌日からアイツは変態セクハラ野郎だと新しい噂が飛び交うかも知れません。一か八かの賭けです。
部室の二人の会話から嘘っぱちではありえないだろうと判断して実行に移したのですが、言ってしまってから「もしかしてアイツら、童貞卒業したと見栄を張りたくて嘘八百並べ立てただけだったりして」という考えも頭を過り、もう目の前は真っ白になりました。
でも、Kの返事は、噂の通り「いいよ」でした。
「本当に?いいの?」と思わず聞き返して
「やめるならやめるで、別にいいけど」と言われてしまい、逆に焦りました。
まともに彼女の顔など見ていられませんから、Kがどんな表情をしたのかはわかりません。
でも、怒った風でもなく
「だから、いいよ。じゃ、どうする?」と、、、
「ソレ」をいつするかの話に進み、呆気に取られました。
事前情報通り、場所はKの家で。
事前情報通り、コンドームは僕が用意すること。
私(K)とシたこと、これからスるということは言いふらさない。
の3点を確認して分かれました。
ヤル日は、その日の翌日です。
(試験期間で午前授業だし、最終日の前日だから昼間“遊んだ”としても、徹夜勉強で帳尻合わせられるだろう、という判断です)
また、コトを終えた後、僕がKに勉強を教えること、ということも決めました。Kは勉強は苦手だそうなので。
その日の夕方、町外れのコンビニまで自転車を走らせ、父の農作業時に使うウィンドブレーカーを着て祖父の毛糸の帽子を被りマスクを着けるという怪しい出で立ちで、コンドームを買いました。
夜は、勉強もなかなか手につかず苦労しました。
勉強の合間に1回、オナりました。
勉強に一段落ついて寝る前になって今度は、買ったコンドームを引っ張り出してきてコンドーム装着の練習もしました。
そして、運命の日が訪れました。午前のテストは、もう、無我夢中です。頭の中は午後のことでいっぱいいっぱいなので、テストの手応えがどうだったかも覚えていません。その回の試験ではだいぶ順位が下がったような気もします。
そして、下校です。僕とHくんが帰る前の方に、Kともう一人の女子が歩いているのが見えた瞬間は、その場から逃げ出したくなりました。
Kをどんな顔で見ればいいかも分からないですし、話しかけられてしどろもどろになって周囲に怪しまれたら大変です。
まあ、そんな心配も杞憂に終えさせました。前を歩く二人との距離を縮めずに歩速を調整しながら、Hくんとの分かれ道まで行けました。
そして午後、約束の時間に、教えられた住所を頼りにK宅を訪問しました。
服装は私服ではなく、ちゅう学の体操着です。初体験に意気込んではいましたが、そのために着飾るのも気恥ずかしく、いつもの通りでいようとしました。
体操着の半袖短パンの上に、同じジャージ生地の長ズボン履きでです。
土日以外ならたいがいみんな体操着のまま下校し、放課後出直して友人宅を訪ねるも体操着のままというのが、当時の僕の町のデフォでした。
手にはコンビニのレジ袋、中身はプリンと飲み物とスナック菓子の差し入れ。そしてコンドームを箱ごと。
出迎えてくれたKの服装も、僕と同じです。90年代の半ば過ぎ頃なので、ジャージ生地の長ズボンの下に履いているのが短パンではなくブルマだという点が異なるだけで、彼女も普通通りの姿なのが少し安心できました。
部屋に招かれ、飲み物を出され、いくつか世間話をしても、すべて上の空です。
何を話したか、今ではもちろん、その日の帰り道でさえ思い出せませんでした。
何をどう切り出していいのか、どんなタイミングでコトを始めて良いのかも見当がつかず、Kが何か話しかけてきて「うん」とか「ううん」とか短い返事を返すのが精一杯です。見かねたのか、呆れたのか、しばらく経ってKの方から切り出してきました。
「そろそろ始める?」
「う、うんっ!」
こうして、僕の初体験が始まりました。
続きます。