風呂に入っても二人は繋がりあったのか?私の気持ちの中に、メラメラと嫉妬心が湧き上がった。
あの貞淑な妻が若い青木で身を捩じらせ快感を貪っている。
いま直ぐにでも、妻を押し倒し犯したい欲求に駆られたが、実行は出来なかった。
私の気持ちの中で、妻が青木に抱かれる所を更に見てみたい…と被虐的な欲望に駆られた。
そんな私の胸の内を知らない妻は、私には何の妖艶さも見せずに、私と共に日を過ごして行く。
ある週の中日に私は、午後から友人に会う約束が有るからと妻に告げる。
帰りは?と妻。
もし、私の留守を利用して青木に連絡を取っても、青木も仕事で遅くまでは居られないだろうと思い、夕方六時頃には帰るから。
と伝える。
昼前に私は家を出て、前に青木が帰るのを確かめた目立たない場所に車を停めた。
妻は青木に連絡するだろうか?
連絡したとしても、青木は来るだろうか?
来たとしたら二人は同じ場所で繋がるのだろうか?
色んな妄想を掻き立てながら、長い時間を車の中で過ごしていた。
やはり妻は連絡を取らなかったのだろうか?妻の浮気を期待して待つ自分自身が惨めに思え始めた頃に、農業団体の軽が、我が家の方に向かい走って行くのが見えた。
青木が来た。
私の被虐的な興奮が、いっきに高まる。
妻の浮気を覗き見する…多少の罪悪感に襲われながらも、私は時間を見ながら自宅の方に向かい車を、ゆっくりと走らせた。
青木の乗る軽は玄関先の庭ではなく、裏側に停めてある。
私は気づかれない所に車を停めた。
前の場所に足音を消し近づいて見る、しかし二人は、そこには居なかった。
代わりに縁側のガラス戸やカーテンが締め切られている。
家の中に居るのか?
私は仏間の後ろに有る控えの間から中に入ろうと思い、そっちに向かう。
すると、その部屋から二人の声が漏れて来ていた。
私は思わず息を潜めた。
部屋の窓は障子が閉められ中を伺う事が出来ない。
古い一軒家で壁も薄く、中の二人の声は壁を通し漏れ聞こえて来る。
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