2020/10/18 05:25:38
(wEpUjVUy)
それはお互いが休みの日でした。昼も過ぎた頃に庭先に干していた
洗濯物を嫁は取り込んでいました。私は用たすためトイレに入り
少しだけ開いてあった小窓に目を向けました。そこからは洗濯物を
取り込んでいる嫁の姿も見えました。用もたし終わりトイレから
出ようとした時でした。小窓の隙間から私の目が止まる光景を目撃しました。
あきらかに窓に掛っているカーテンの隙間から人の影を感じました。
私は思わず目を凝らし人影を感じるカーテンの隙間を見ました。
前に住むAさんが間違いなく庭先を覗いているようでした。そこにはまだ
嫁が居ました。嫁が家の中に入りると、少しカーテンが揺れ人影も消えました。
なぜだか、私が目撃した内容を嫁に言えない自分でした。たまたま目撃しましたが
以前からも先のように陰から見ていたに違いありません。
嫁には言えないまま数日が経っていました。その日は職場でのゴルフコンペで
家には嫁が一人でした。プレー中でしたが、急にあの日の事を思い出してしまいました。
少しすると忘れてしまいましたが、ゴルフも終わり帰宅中の車の中でまた急に思い出して
しまいました。家に着いた頃には少し日も暮れかかっていました。
ゴルフバックを抱え家に向かいました。部屋の明かりはもう点いていました。
それまで気にもなりませんでしたが、Aさんの家を通り過ぎた時でした。
Aさんの部屋からテレビの放送音が微かに聞こえました。
もしかしたら音量が大きいからなのか?ある意味、自分に言いきかせてました。
嫁も私に何も言ってこない。相談的な事も言ってこない。気付いていないからだと思いました。
そんな出来事が定期的に起こり始めて行く内に私の中で色んな感情が湧いていました。
もしかして嫁は気付いている?私と同じくなかなか言い出せない?
本当の所はどうなんだ?勝手に妄想といいますか、自ら変な想像をしていました。
1日中そんな事を考えていた訳では有りませんが、ふとした瞬間に頭の中に沸き起こりました。
そんな日々が繰り返し続いていました。面と向かっては嫁に話せない私でしたが、ようやく
嫁に話す時が自然にやってきました。