2016/03/16 20:13:45
(sP0.yYA8)
第二十二章
それから三ヶ月ほどが経過した、厳しい残暑がようやく終わろうとしている初秋の我が家。
リビングにはあの夜以来始めて、我が家を訪れた田中君の姿がありました。
真っ黒に日焼けした彼の表情は晴れやかで、弁舌も爽やか、前のようにおどおどしたしぐさはまったく見られなくなっていました。
「西村さんと奥さんには、ほんとに、感謝しています」
深々と頭を垂れた後、以前の彼からは想像もつかないような大きく、歯切れの良い声が部屋中に響きました。男子三日会わざれば、という言葉を思い出しました。自信に満ち溢れた彼は、あの夜の前とはまるで別人のようで、生きているのが楽しくてしかたないといった印象です。
あの後、私と妻は毎晩のように愛し合うようになりました。
正直、田中君の狂棒を知った後の妻が、私のものでは物足りなくなってしまうのではないかという不安はありました。
しかし、その心配は杞憂に終わりました。
妻は、これまで以上に感じ、乱れ、よがり狂う姿を私とのセックスでも見せてくれたのです。
私の愛し方が変わったとは思えませんでした。いえ、やはり変わっていたのかもしれません。あのことがなければ、妻に毎晩求められても応えることはできなかったでしょうから。
私は、田中君が三ヶ月ぶりに我が家に来ることが決まった後、昨夜の妻とのセックスを思い出していました。
「ああ、あなた、すごい、また、いく、いきそうなの」
私はこの夜、二度目の放出を目前にしていました。バックで繋がっている妻は、何度目かわからないほどの絶頂を迎え、自らヒップを私の下半身に打ちつけてきます。
「由美、今日はいつもよりすごい、乱れてるんじゃないか」
「ええっ、そうかしら」
「もしかして、明日、田中君が食事に来ることになったから、その後のことも期待してるのか?」
「そんな、そんなことないわ。あれは、一度だけの約束だったでしょう」
「そうだけど、もし、もしもさ。明日、夕食の後で俺が酔いつぶれて、田中君に求められたら、どうする」
「それは、そんな」
「俺は構わないよ。お前が望むなら。俺自身もう一度、おまえが田中君に、いかされまくるところを見てみたいし」
もちろん、本気ではありません。この頃には、そんな言葉遊びをする余裕が二人の間にできていました。
「ああ、そんなこと言わないで。今は、あなたの、あなたの精子が欲しいの」
妻は臀部を一層激しく私の下半身に向けて打ちつけます。
「ああ、もう、いきそうだ」
私も負けじと、力強く、妻の腰の動きに合わせ下腹部を叩きつけました。
「ちょうだい、あなたのを、私の中に」
「ああ、出るよ、子宮の中に、出すぞ」
「出して、私の中に、たくさん、たくさんかけて」
「出すぞ、出すぞ、ああっ」
「あああっ」
うつ伏せに倒れこんだ妻の背中に、繋がったまま倒れこむと、妻の両肩を背後から強く抱き寄せ、汗で濡れた首筋に唇を落としました。
「由美、愛してる」
「私も」