2020/08/02 09:44:19
(VQLr7HLU)
30歳の時にこの仕事に就き、最初の2年は苦痛でした。
僕より一つ前に入った先輩が42歳。当時の僕と12年離れていました。なぜ、こんな年齢差があるのかといえば、僕より前に何人も入ってきたそうですが、どれもこれも・・・辞めていったらしいんです。
僕も実際に体験した事なのですが、男9女1の男性社会ってなると、あるいみ女社会より陰険な新人イビリみたいなものがあったんですよね。
現場仕事の先輩なんて、大概厳しいものなのはわかってはいるんですけどね(笑)
それが2年の間に、少しづつ女性社員が増えてくるという現象が起き、それから会社の雰囲気が中和されていったんだと思います。女性が来てから前々みたいなギクシャクした雰囲気も無くなっていき、僕も2年もいるという事で仕事を覚えてきた事もあり、さほど文句も言われなくなってきたんです。
そんな頃の、、、梅雨の繁忙期でした。
だいたい、豪雨クラスの天気予報がされる日には、会社でこんな会話が繰り広げられるんです。
社員A「明日は荒れそうだなー」(忙しくなりそうだな)
社員B「そうですね。覚悟してたほうがいいかもしれませんね」
僕「泊まり覚悟で出勤しますww」
以前にも説明しましたが、豪雨クラスの雨が降ると、変電所では必ずといっていいほど、何らかのエラーが出ます。エラーのすべてが停電や漏電ではないのですが、やはり機械のどこかに支障をきたすんです。
そんな豪雨の翌朝は、会社のホワイトボードには既に昨晩の間にエラー発報が出ている現場の一覧が書き出され、最低でも二人一組(一人だと事故があった場合に対応が遅れる)で現地にエラー復旧にいくのですが、梅雨時となると女性の出番がやってくるんです。
といっても、普段は事務職をやっている女性。技術的に難しいエラーが出ている現場は回避されます。
が。。。それでも「女性がいくような場所じゃない」現場に配属されるのはやむをえません。そして、そんな面倒な場所は新人である僕が常に配属されるのが常でした。
ある梅雨時 AM7:50頃 会社にて
部長「村田はA変電所ー、、竹中はB変電所、ここ入場規制あるから気をつけろー、ハトはC変電所な。ここはエラーAH-08だからお前やったことあるよな?車番で相木さんと一緒に頼むなー」
村田「はーい」
竹中「入場規制は10時でしたっけ。承知しましたー」
僕「了解です。じゃ相木さんよろしくお願いします」
相木「こっちこそ、現場初めてなんでよろしくお願いしますw」
こんな感じで朝礼も含めてその日の配属が決められていくのです。
僕がその日、担当したC変電所。ここに配属された理由は、僕クラスでも単独処理できるエラーAH-08だったという事。そして、先輩方は誰も行きたがらない車で片道2時間30掛ける、、未開のジャングルの中にある変電所だったからです。
その相方となる相木さん。彼女は年齢31歳。僕より1コ上の女性事務員でした。中途採用で入社して半年目くらい経っていましたか。
そんな相木さん、元は故障車のレッカー会社の事務員をやっていたそうです。まぁこういう会社に来るわけですから、もとファミレス店員やアパレル店員が来ることはありません。それなりに男社会をしっている人であるのは間違いないです。
が・・・僕と相木さんは年齢が近いという事もあり、相木さんが入社してきた直後から、実は僕達はかなり仲がよかったんですね。
会社では他の人の目もあるので、さほど話こんだりはしないのですが、仕事以外の部分で会社の愚痴を聞いてあげたり、あるいは僕が相木さんが近々直面するであろう、この会社の理不尽ポイントなどを教えてあげてるうちに、一定の信頼レベルまでなっていた人でした。もちろん何度かサシで飲みにいった事もある人なのです。
容姿でいえば、それこそちょうど今現在、離婚問題やらなんやらで話題に出ている女優の「杏」彼女を少し茶髪にして日焼けさせたような感じが相木さんっていうところでしょうかね。ちなみに既婚者です。
まぁここから「本来、女性が行くような場所ではない」ところに行くハメになった相木さん。初めての梅雨の繁忙期でもあり、初めての現場でもありました。
きっと彼女の中では、エアコンの聞いた車で現場に行き、変電所で作業している間は車で待っているか、あるいは僕の横で助手のような事をして仕事が終わるくらいに思っていたことでしょう。
出発前、部長は言っていました「車番をかねて」と。
つまり相木さんを現場まで連れて行かなくていい。車番をさせておけ。という指示だったはずです。
それがいざ、現地(変電所ではない)についてみると「こんなところに一人でいるの怖いですってwww 現場(変電所)まで一緒にいきますよぉ・・・」といった事がすべての過ちの始まりだったのです。