2020/01/09 12:11:00
(rnXXuolR)
俺は朋代に後で連絡するからここでさよならしようと言って俺は一人で歩くことにした。
それはとんでもないものを目撃したからであった。男女が仲よさそうに腕を組んでお互いがお互いの顔を見るようななんとも言えないラブラブな雰囲気で周りのことなどお構いなしのように感じられた。それが幸いしてか俺がホテルから出てきたことなんか全く意識を向けていなかった。
俺は慌てて朋代から距離を置き、ホテルの近所にあったパチンコ屋に入った。俺が目撃したカップルは徐々にパチンコ屋の前を通り過ぎようとしていた。俺はタイミングを見計らいおもむろにパチンコ屋を出た。それでも、ラブラブの二人はパチンコ屋から出てきた一人のおっさんのことなど気にも止めていないようでした。
「お義父さん」
完全に俺の声など耳に入っていないようでした。そこで俺はお義父さんの背後に歩み寄り肩をポンポンと叩いて
俺「お義父さん」
義父「んっ?あーーーーーーーーっ」
お義父さんは慌てて女と組んでいた腕を振り払って何事もなかったかのようにしたが、すでにその動揺から明らかに男女の仲であることはわかった。
義父「あっ!おさむくん…いやっ…あのぉ…なんでもないんだ…ヒロコとは…」
俺「ふーん、ヒロコさんって言うんだぁ」
義父「あっ…ちょ…ちょっと…待って…あのっ…」
俺「分かってますよ。お義母さんには内緒にしますから」
義父「いや…あの…その…頼む、おさむくん、家内には内緒にしてくれないか?」
俺「それぐらい俺も男だから分かってますよ」
義父「これは…あの…その…受け取っといてくれ…じゃあ」
義父はポケットから何やら封筒を取り出すと、それを俺に手渡すや否やそそくさと女とともに小走りに去っていった。俺は封筒の中を確認すると俺の大好きな諭吉くんがたくさんいました。俺は路地裏に移動して周りを見渡して誰もいないのを確認すると、30人の諭吉くんが綺麗に並んでいました。
今年の正月は朋代という素敵な女性とお義父さんから思わぬお年玉をもらえて、なんとも縁起のいい正月になりました。
嫁の実家に戻ると嫁と子どもとお義母さんが居てましたが、嫁は大きなケツを出しながら子どもを抱いたまま寝ていて、お義母さんはソファで横になっていました。
俺「ただいま」
嫁「…んんんっ…あ…あなた…お帰りなさい…どうだった?」
俺「えっ?何が?」
俺はまさか朋代と浮気していたのがバレたと思って全身に冷や汗が流れた。
嫁「パチンコよ。もちろん勝ったんだよね?」
俺「あ…あぁ…ちょっと手洗いとうがいとトイレに行くわ」
俺はトイレに行って鍵を閉めてお義父さんから頂いた封筒から5人の諭吉くんを財布に入れて、封筒は内ポケットにしまった。トイレから出て手を洗いうがいをすると嫁が俺の背後にぴったりと立っていた。
嫁「ねぇあなた…パチンコにしてはタバコの臭いがないよね、怪しい…」
俺「何いってるんだい。最近は分煙だろ。」
嫁「ふーん…じゃあ戦利品を出してもらおうかな?まさか負けて一円もないっていって、ほんまは浮気を隠そうとしてるんじゃない?」
嫁の鋭さに俺は恐怖を覚えた。
俺「ほれ、これが戦利品や」
俺は嫁に自分の財布を開けて見せた。
嫁「わぁ、えっ?いくらあるの?」
俺「途中でやめたらよかったんやけど、結局5万になったわ」
嫁「疑ってごめん、それにしても正月早々すごいやん」
俺「いやぁ今年はついてるんかもな」
嫁「じゃあそれで買って欲しいものがありまーす」
俺「おいおい、何を買うねん?」
嫁「それは秘密」
嫁は俺の財布から5人の諭吉をかっさらって自分の財布に直した。お義母さんも目を覚まして
義母「おさむさん、おかえり、お義父さんと出会ったかしら?あの人もあとからパチンコに行くっていってたんだけど…」
俺「あっ会いましたよ。一緒には打ってませんけど」
義母「ならよかった。でも、この辺っていっぱいパチンコ屋さんがあるのになんで同じところで出会ったのかしら?」
俺「偶然でしょう」
義母「まぁ出会ってたんならよかったわ」
お義母さんのなんとも言えない言い回しに俺は背筋が凍った。嫁といいお義母さんといい、なんとも鋭い人らなんだ。
俺はボロが出ないうちに風呂に入って何食わぬ顔で部屋に戻った。嫁は何やらスマホを手にせわしなく指を動かしていた。もしかして、朋代の旦那さん、いや元旦那さんとラインでもしてるのか?
俺はそんなことを思った。嫁の背後にそっと忍び寄りスマホの画面をこっそり覗いた。すると、ヤ○ーショッピングで何やら探し物をしていたようだった。
嫁「あっお風呂に入ってたの?ちょっとこっち見ないで」
俺「怪しい…」
嫁「もぉ何よぉ…さっきの仕返し?」
俺「あっそうそう、聡子は○○小中の卒業やったよな?」
嫁「そうだけど…なんで」
俺「○○ってやつ知ってる?」
嫁「うん、知ってるよ、でもなんであなたがその名前を知ってるの?」
俺「そいつとは連絡取ったりしてるんか?」
嫁「してるよ。だって同窓会の幹事同士だもん」
俺はなぜ朋代の元旦那さんと嫁がラインで繋がっていたのか理解した。嫁は浮気をしているのではなく、ただ連絡を取っていたに過ぎなかった。朋代がラインを見て早とちりをしたようだった。
その夜、俺は嫁を飲ませて熟睡させた。妻のスマホを探すと案の定ロックがかかっていた。ちなみに俺はロックしてないからいつでも潔白であるということを証明していた。だが、嫁もロックをしていなかったはずなのになぜかロックされていた。この時点で十分に怪しかった。適当に数字を押すのではリセットされてしまうため、十分に考えてから押そうと思った。
俺は自分のスマホを持ってトイレにこもり、朋代から聞いたラインのIDを検索して朋代にラインを送った。
俺「おさむです。今日はありがとう。」
しばらくして
朋代「こちらこそ、ありがとうございます。おさむさんと出会えて本当に良かったです。」
俺「俺もだよ。朋代を独り占めしたくなったしな」
朋代「もぉー、奥さんいるでしょ?」
俺「そうそう、朋代と朋代の旦那さんの生年月日ってわかる?」
朋代「うんわかるよ。どうして?」
俺「相性占いをするねん。俺の結構あたるんだぞ。」
朋代「笑 もう別れてますけどぉw」
俺「確かにそうだけど、本当に相性があってなかったのか興味があって」
朋代「あっそういうことね」
朋代からそれぞれの生年月日が送られてきた。
俺「西暦何年?」
俺は朋代からゲットした朋代の元旦那の生年月日を嫁のスマホのロック解除の数字だと思った。野性の勘というか動物的な勘が働いた。嫁の返事もいつもとどこか違っていたからだった。声のトーンなのか?表情なのか?俺の神経は嫁がおそらく浮気をしているのであろうと告げていた。
俺「また連絡するな」
朋代「うん、楽しみにしてる」
俺「今度はドライブに行こな」
朋代「わかったぁ じゃあおやすみぃ」
俺「おやすみ」
俺はトイレから出ると嫁が寝ている部屋に戻り嫁のスマホを手にした。緊張からか手に汗が滲んでいた。一応念のため俺の生年月日を入力してみた。画面が震えて間違っているというサインを示した。俺はショックを少なからず覚えた。次に朋代の元旦那の生年月日を入力した。
すると見事に嫁のスマホのロックは解除された。俺はここで愕然とした。怒りに似た震えが止まらなくなった。だが、証拠を掴まなければならなかった。恐る恐る嫁のラインを開いて朋代の元旦那らしいアイコンを探して中を覗いてみた。特に怪しい文章はなかったが、明らかにメッセージを削除していた形跡があった。同窓会の日のお礼のやりとりだけが記されただけだった。俺は一旦ラインを閉じて今度は嫁の写真を見ることにした。
するとそこには驚きの事実が隠されていた。