2010/04/16 17:02:05
(BuN2ugni)
外灯も無い暗い道路で車をUターンさせるとホテルに向かう、道路沿いより、ひとつ奥のホテルの入り口を潜った。
ガレージに車を止めると、彼女は一瞬戸惑いながら意を決したように、大きく深呼吸をすると車のドアを開け降りる。
ガレージの壁にルールナンバーが書かれてあり、ガレージの裏の通路を歩く。
え~恐いよ~ぉ、誰かに会ったらどうしょう。
彼女は小声で言いながら私の背中に隠れるように歩く。
階段を上り通路のドアを開けると、片側に部屋が幾つも並んで居る、先の方に部屋を示すルールナンバーが点滅していた。
あそこまで歩くの?誰も出て来ないでしょうね、恐い、恐い
部屋のドアを開けると彼女は素早く中に入る。
ドアを閉めると安心したかのように
あ~緊張したぁ、心臓がドキドキしてるぅ。
と胸を撫で下ろす仕草を見せる。
これって無料なの?
彼女は冷蔵庫の上のカウンターに有るポットを見ながら言う。
そーだよ、サービス
私が答えると彼女は
緊張して咽がカラカラ、ねぇ貴方も飲む?
うん。
お茶にする?コーヒーにする?
どっちでも、任せる
そう、じゃコーヒーにするね。
小さなソファーの前のテーブルに彼女はコーヒーを差し出してくれる。
立ってないで、ここに座ったら?
私の言葉に彼女は横に座りコーヒーを口元に運ぶ。
並んで座る目の前には、部屋の半分以上を占めるようなベッドが、つい無口に成る二人。
ねぇ、こう云う所って貴方は良く来るの?
彼女が言う。
来ないよ、一人で来てもしょうがないだろう。
苦笑いしながら答える。
奥さんとかと来ないの?
え~そっちは旦那と来たりしてるんだ。
来ないわよ、私こう云う所に来たのって何十年振りかしら、旦那と一緒に成ってからは一度もない。
今日は、ゆっくりとして行こう。
私の言葉に彼女は
うん、でも、ここでお話するだけだよね?
と茶目っ気な表情で言う。
だと良いけどねぇ。
私も冗談っぽく返す。
二人で顔を見合わせ笑い合う。
突然に彼女は真顔に成り
私なんか、こんな貧弱な体型だから自信無いし。
言いながら下を向く
大丈夫だよ私も、同じようなものだから、私の体型を見ても他の人には内緒にしておいてよ。
それはお互い様で
彼女はリラックスし始めた様にニコリと微笑む。