2023/12/29 23:16:45
(nqKAGBfc)
前のコメントの続きです。
妊娠が判明してから1週間後、娘の美香子は私が妊娠している事に気づいて、すぐに明彦の子供なのか?と訊いたので、私はやや躊躇いながら、頷いたのでした。
美香子は私が明彦の子供を妊娠した事を本当に喜んでくれたのです。
自分の母親がかつて自分の彼氏だった男性の子供を妊娠した事をはたして娘はどう思うのだろうか…?と、私はちょっと不安な気持ちを抱えていて、自分からは言い出せずにいたのでした。
しかし、それは私の取り越し苦労でしかなく、美香子は私と明彦の間に新しい命が生じて、翌年、自分に弟か妹が誕生する事を嬉しそうな顔をして喜んだのです。
娘の美香子に母親の私が妊娠した事を喜んでもらい、不安でいっぱいだった気持ちがずいぶんと楽になった私なのでした。
私は美香子に感謝の言葉を述べたのですが、ただし、夫の49日法要が済むまでは妊娠の事は誰にも、明彦にも言わないようにと娘に念を押しておいたのです。
夫の49日法要が無事に済んだ翌日の夜、私はしばらくぶりで明彦の部屋を訪ねたのでした。
その日まで最後に明彦の部屋で二人きりで会って、体を交えたのは夫が亡くなる前日の夜でしたから、50日ぶりくらいの事だったのです。
前年秋に初めて男と女として愛し合って以来、それまで2ヶ月近くもセックスしなかった事などなかった私たち二人でしたから、私も明彦もお互いにちょっと面映ゆい気持ちでいたのでした。
私は躊躇しながらも、思い切って明彦に妊娠した事を告げたのです。
私のあまりにも突然の告白に明彦は仰天してしまい、すぐには言葉を発する事が出来ずにいたのでした。
その時妊娠4ヶ月に入っていた私は明彦に、産む決意を述べると共に、戸籍上は亡くなった夫の子供として出生届をしなければならない事を正直に話したのです。
私は今すぐには無理でも、何れは自分と結婚してほしいと言いたかったのですが、明彦の気持ちを考えると、とてもそこまでは言えなかったのでした。
明彦はしばらく無言でいた後、
「杏子がぼくの子供を… 杏子のお腹の中にぼくの子供が… ぼくは父親になるんだ…」
とつぶやくように言ったのです。
「ごめんなさい… 夫が亡くなる前に離婚できてたら… もっと早く離婚してたら…」
申し訳ない気持ちで私がそう言ったら、明彦は
「だけど、ぼくの子供… ぼくと杏子の子供… ぼくと杏子が愛し合って妊娠(で)きた子供… 生まれて来る子供はぼくたち二人の愛の結晶である事は間違いないんだから…」
と言ったのでした。
その後、明彦は
「すぐには無理でも、近い将来、ぼくと結婚してほしい… ぼくたち、もう夫婦同然なんだから… 生まれて来る子供の父親と母親なんだから…」
と私の顔を真剣な眼差しでじっと見つめて、言ったのです。
「あなたぁ…」
明彦にそう言われた私は本当に嬉しくて喜びでいっぱいの気持ちになり、両腕を彼の首に回して抱き付いたのでした。
「杏子ぉ…」
私に抱き付かれた明彦はすぐに両腕で私の体を抱き寄せ、私たち二人は強く抱き合ったのです。
「いいのね…? あたしで… こんなおばさんのあたしでも…?」
「もちろんだ… ぼくは君の事を愛してる… ぼくと杏子はもう夫婦なんだ… 戸籍上はまだ亡くなったご主人と夫婦でも、君はもうぼくの妻だ… 生まれて来る子供はぼくと杏子の子供で、ぼくと杏子が愛し合った結果、生じた尊い命なんだ… 愛してるよっ! 杏、子おっ!」
「愛してるわっ! あな、たあっ!」
私と明彦はお互いの体をより一層強く抱き締め合うと、唇を合わせて激しく濃厚にキスしたのでした。
キスを終えた後、私たち二人は身に着けていた物の全てを脱ぎ捨てて生まれたままの姿になると、ベッドに上がり約50日ぶりに男と女として体を交えたのです。
「ああっ! ああっ! ああっ! ああっ! あああ… ああんっ! あんっ! ああっ! あな、たあっ!」
「おおっ! おおっ! おおっ! おおっ! おおお… おおうっ! おうっ! おおっ! 杏、子おっ!」
久しぶりのセックスで、お互いに性欲が溜まっていたせいもありましたが、近い将来の結婚を約束して、自分たち二人が強く堅い愛の絆で結ばれている事を確信し合った私と明彦はその夜、濃厚なセックスで激しく3回も愛し合いました。
「ああっ! あな、たあっ!」
「おおっ! 杏、子おっ!」
私と明彦の愛しい相手を呼ぶ歓喜の叫び声が真夏の夜に何回も何回も繰り返され、壁を突き破って外に聞こえるほど部屋中に響き渡って、谺し続けたのです。
3回目のセックスが終わった時、私たち二人はお互いに精も根もすっかり尽き果てて、ぐうの音も出ないほど疲れ切ってぐったりしてしまい、その夜、私は自宅に戻らず、そのまま明彦の部屋で彼と全裸で抱き合って眠りに就き、翌朝を迎えたのでした。
翌朝、目を覚ました時、私も明彦も前夜のセックス疲れがまだかなり残っていて、体が重くてなかなか起きられず、食欲もまったく出なかったのです。
結局、その日は昼前まで二人で全裸のままベッドで寝ていて、疲労を癒した私と明彦なのでした。
その翌年、29年前の春、46歳になった私は帝王切開で無事に明彦の子供を出産したのです。
生まれた子供は女児で、明彦と私の名前から一文字ずつ採って組み合わせ、明杏(あんず)と命名しました。
私と明彦が愛し合って生まれた子供、私たち二人の愛の結晶なのですから。
それから半年後、私と明彦は結婚して、晴れて戸籍上における正式な夫婦になったのです。
34歳で初婚だった夫の明彦に対して、夫より一回り=12歳も年上の46歳で子連れの再婚だった妻の私でしたから、正直、私はかなり面映ゆい気持ちなのでした。
しかし、それより何より、愛する男性と夫婦になれた事が私にとっては本当に大きな喜びだったのです。
結婚を機に私と明彦はそれまで住んでいた集合住宅からマンションに引っ越して、新居で新しく夫婦生活をスタートさせました。
亡くなった前の夫との娘である美香子は新居で母親の私と新しい父親=義父の明彦とは同居せず、付き合っている彼氏と同棲する事にしたのです。
美香子は明彦との折り合いが良くないわけではなく、自分の元彼氏で、12歳しか年齢(とし)が離れていない義理の父親の事を「お父さん(お義父さん)」と呼んで、本当の娘のように接していて、義理の父娘(おやこ)の関係は頗る良好なのでした。
私と明彦は美香子に同居を勧めたのですが、娘はラヴラヴカップルの私たち二人の新婚生活、夫婦の愛と性生活の妨げにならないようにと気を遣って、同居しない事にしたのです。
美香子は彼氏との交際がもう2年になるので、そろそろ結婚する事を考え始めていた為でもあったようでした。
私と明彦が結婚して29年。
私たち夫婦の間に生まれた娘の明杏も29歳になり、私と前の夫の娘である美香子は51歳に。
明杏は戸籍上は今でも私と前の夫の間に生まれた子供という事になっていますが、娘は明彦が自分の本当の父親だという事は知っています。
15年前、翌年に高校入試を控えていた当時14歳、中学3年だった明杏に、両親である私と明彦は自分たち二人が結婚するに至った経緯(いきさつ)、母親の私は再婚で明杏の姉の美香子は私の前の夫との間に生まれた子供、結婚前に明杏が生まれた事、私が明杏を妊娠した時、亡くなった前の夫と離婚していなかったので、実の父親である明彦の子供として出生届をする事が出来なかった事、等々、正直に話したのでした。
私たち両親から真実を聞かされた明杏は最初はさすがにショックを受けたようで、しばらく黙ったままでいたのです。
明杏はそれ以前から自分の家族について疑問に思っていた事があって、いつか私たちに訊こうと思っていたとか。
母親の私が父親の明彦より12歳も年上である事に関しては年の差夫婦という事で納得していたようで、姉の美香子と妹の自分が22歳も年齢(とし)が離れている事も年齢の離れた姉妹だと思っていた明杏なのでした。
しかし、父親の明彦と姉の美香子が12歳しか年齢が離れていない事には到底納得できず、父と姉は本当の父娘(おやこ)ではないと、そう思わざるを得なかったのです。
それに、自分が生まれた半年後に両親が結婚した事もなんだか不自然な気がして、もしかすると、自分は父の子供ではないんじゃないか?
あるいは、自分はもらわれ子で父と母の子供ではないんじゃないか?と、そんな事まで考えた事もあったとか。
その時、明杏はまだ実際の経験こそなかったみたいですが(多分)、すでに男女の愛と性についての事、セックスに関する知識はかなり豊富だったようで、自分の両親である私たち二人が結婚前に、それも、不倫という形で交際して男と女の関係を持ち、愛し合っていた事には驚くほどあっさりと理解を示したのでした。
とても14歳の中学生とは思えないほど大人びたところがあった明杏に、私たち夫婦は本当に驚いたものです。
ただ、さすがに義理の父娘である明杏の父と姉、明彦と美香子がかつて男と女の関係を持っていた事は話さず、その事はこれからもずっと私、明彦、美香子の3人だけの秘密にしておくつもりでいます。
私たち夫婦の性生活ですが、結婚から数年間、明杏が小学校に上がった頃まではお互いに性欲が旺盛で、週に何回も体を交えて存分にセックスを楽しんで、男女の悦びを感じ合っていました。
そんな私たち二人も21世紀に入り、明彦が40代に私が50代になった頃から旺盛だった性欲が次第に収まって来て、回数が減ったのです。
70代と60代になった今では週に1回位ですが、体を交えた時は昔のように濃厚なセックスで激しく愛し合う私と明彦で、お互いに夫婦として、男と女として強く深く愛し合っている事を実感し合うのでした。
もし31年前、長女の美香子が明彦と別れて、母親の私に自分の彼氏だった男性である今の夫の明彦を私の交際相手として紹介して、譲ってくれなかったら、その後の私たち二人、私と明彦の人生は今とはまったく違ったものになっていたわけなのですから、私は美香子には大いに感謝しています。
確かに最初は人妻の年下の男性との不倫、浮気という形で結ばれた私たち夫婦でしたが、私は美香子を通して、明彦と出会い愛し合って結婚して本当に幸せでした。
私は明彦と結婚してこれまで30年近く、二人で同じ道を、夫婦としての人生を歩んで来た事をまったく後悔していません。
お互いに老いてしまいましたが、これから先も夫婦として残された人生を二人で歩んで行きたいと思っています。