2015/01/31 06:33:13
(a/NlE5/6)
エアコンがかかっていなかった部屋が、やっと涼しくなってきた。
瓶ビール一本、空になる。
「もう一本開ける?」
「うん」
ガチャガチャと冷蔵庫から取り出す。
「ねえ」
「うん?」
グラスにビールを注がれた。
「20年近く守った城を取り壊そうとしてるんだよ」
「そうだね」
「中村さん、今の会社勤めて何年?」
「20年ちょっとかな?22年」
「辞めれる?」
「辞めてもいくとこないよ」
「でしょ?私なんかもっとないよ。会社勤め辞めて、30年以上だもん」
「俺んとこに永久就職狙い?」
「そう」
高々と笑った。
「はっきり言って、ママからそんなこと言われるなんて、思ってもみなかったから、戸惑っているんだ」
「それが普通だよね」
「でも正直に話してくれたし、やはり最初疑ってたのも晴れてきた」
「それなら良かった」
「とりあえず付き合ってみようかな、そうゆう気持ちになってきてるよ」
「ほんと?」
パンと手を合わせた。
「さぁ飲め飲め」
ビールをまたグラスに注ぐ。
「セックス、しようか」
「え?」
「セックス」
「え?え?」
「セックス」
「じゃあ、どこか行こうか?」
「このお城でさ」
「ちょっと待って?ここにはお風呂どころかシャワーもない。私、まだお風呂も入ってないんだけど。ってかマジ?」
「付き合うなら付き物でしょ、セックス」
「そりゃそうだけど、ここは、ここは困る」
俺は抱きつき、キスをねだった。
「ちょ、ちょっと、待って」
強引に唇を重ねた。
俺を引き離そうとした腕の力が、次第に弱くなった。
「ダメってば」
舌を唇に割り込ませたら、それに呼応するように、舌を絡めてきた。
腕の力はもうなくなっていた。
しばらく舌を絡めあったのちに言われた。
「わかった。ちょっと待って」
そう言うと椅子から降り、カウンターの奥へと入って言った。
向こうでシュボッ、湯沸かし器にスイッチが入る音がした。
何かにお湯を汲む音もした。
何をしてるかわからなかった。
しばらくして、奥から流しにお湯を捨てる音、そしてまたお湯を汲む音。
そして奥から出てきた。
「奥の流しにね、お湯ためたタライあるから。奥の部屋で簡単に洗ってきて?」
俺は奥に行った。
タライにお湯、横にタオルと石鹸、それを手に奥に。
小部屋があり、おそらく以前いた女の子達が使ったロッカー。
とりあえず俺は使う性器を石鹸で洗う、ジャバジャバお湯で流す。