結婚前、俺とK(今の女房)は同じ職場だった。
Kは元気の良い営業で、クライアントからの信頼も厚く、
しかも仕事にそつがない。顔もスタイルも10人並だが、
東北出身者にありがちなえも言われぬ色気を持つ女だった。
ある時、俺は同僚Hと飲みに行ったとき、何の気なしに
「Kって、どうよ?」
と聞いてみた。このときまで、俺は軽率にもHとKの間に肉体関係があることを
全く知らなかったのだ。
曖昧に笑って、言葉を濁すHの態度で「こいつら、デキてたのか」とようやく
分かった。俺も相当ニブイ奴だ。
正直、Kのことなどはどうでも良かったのだが、Hと肉体関係にあることが
分かったとたんに、俺のなかでKに対する評価が少しあがった。
時は流れて・・・数ヶ月後。
何故かKが俺のアパートにいた。俺にとってはKのことはどうでも
良かった。ただ、Hの女を寝取りたかっただけだ。
簡単にフェラ。白濁液を喉をならして飲み込むK。
「こりゃあ、相当Hに仕込まれてるな」そうと分かれば・・・
とことん弄んで、その晩は5回以上中出しした。
俺は避妊しなかったばかりに若気の至りで、
何人かの女の子を泣かせたことがある。それ以来、
避妊には気を遣ってきた。しかし、Kに関わっては、
妊娠などは全く気にしなかった。所詮、Hの女だ。俺の種で妊娠したとしても、
Hが責任をとるだろう。しかも、間抜けなことに「俺と寝てしまった」とは、
KもHに言えないだろう・・・様々な打算から、プレイと割り切ったセックスで、
KにHとは違う悦びを数回にわたって刻み込んだ。
さらに数ヶ月後、KとHはまだ続いていた。俺とのセックスの最中でも、
Hからの電話であわてて帰っていくKが滑稽でおもしろかった。
俺はK以外にも何人かのSFと楽しんでいたが、Kは俺とHとの間で
精液にまみれた生活を送っていた。
無論、Hとは、当時も今も仕事上の同僚であり、Hは俺が
Kと関係していたことなど知るはずもない。KもHに喋るはずがない。
妊娠の兆候がKに現れた。俺の種かHの種か。詮索しても仕方がない。
Kは妊娠を認めようとしない。Hに捨てられるのが怖いのだ。
しかし、俺は決断した。このまま、KとHの関係を続けさせながら、
kと結婚し、子どもを育てようと。今まで水子に流してきた何人かの
子どものことを思うと、今回の妊娠を「無かったこと」にすることは
できなかったのだ。
そんなこんなで、酔狂なことにKとHの秘密の恋人関係が続いている
ことを黙認して、俺はKと結婚した。周囲からは「できちゃった結婚」
といわれ、からかわれもしたが、まあ、仕方がない。数ヶ月後、
Kはかわいらしい女の子を産み落とした。
一昨年には、二人目の女の子を産んだ。
Hの子か、俺の子か、俺にとってはどうでも良い。
元々、HとKの関係が本気で、俺は遊びでその間に入り込んだに過ぎない。