俺は32歳、妻は30歳、6歳と4歳の娘がいる。悪友(親友と呼んでも差し支えない)の春樹はひとつ上の33歳。お互いの父親が同級生で、仕事上付き合いがあり、良くお互いの家を行き来していた。俺の親父は俺が10歳の時に事故で死んだと聞いていたが、ある時その死の真相を聞かされた。それは俺が童貞を喪失した15歳の夜だった。
「どうだった?美奈子は?」
「うん、良くわかんないけど、気持ちよかった」美奈子とは春樹の彼女で、町一番の美人と言われていた。そんな女の子と初体験が出来て俺は舞い上がっていた。春樹の家は不動産業を営んでいて、裕福で、春樹はハンサムで評判だった。
「ヒロシ(俺)が気に入った女がいたらいつでも言ってくれよ、俺が味見したあとだったらいくらでも回してやるから」
春樹は優しく、まるで兄貴のようだった。
「でもいいの?春樹ちゃんの彼女でしょ」俺はなぜ女の子を回してくれるのか理解出来ないでいた
「俺とお前は兄弟みたいなもんだからな。お前は親父を亡くして、俺はお袋を亡くした」春樹が遠くを見つめながら言った
「なあ、ヒロシ、お前の親父さん、ホントは何で死んだか知りたくないか」
「えっ?親父事故じゃなかったの?」俺は耳を疑った
「お前の親父と家のお袋、できてたんだよ」「…」俺は言葉が見つからなかった。
「お前の親父しん、俺のお袋とやってる時に心臓発作起こして、俺が学校から帰って、呆然としてるお袋の代わりに救急車呼んだときはもう息してなかった」
俺は震えが止まらなかった。
「その翌年、お袋も気がおかしくなって、手首を切って死んだんだ」
「春樹ちゃん、俺、俺、」
涙か溢れて言葉が出なかった。
「ヒロシ、俺たちは不思議な縁で結ばれた兄弟みたいなもんさ」
「春樹ちゃん」俺は春樹の言葉が嬉しかった。母と二人暮らしの俺にとって、頼れる存在に感じた。
数日後、春樹が家に来て言った
「俺の部屋に美奈子がいるから、今夜はオールでやりまくれよ」マンションの鍵を貸してくれた。
「春樹ちゃんは?」
「俺はお前ん家に停まって、お前のお袋と楽しむよ」その言葉の意味が理解出来なかった。当時母は38歳だった。ややポッチャリしていた身体は親父が死んでからだいぶやつれていた
「ヒロシ、俺は熟れた女が好きなんだ。俺の彼女抱かせてやってるんだから、お前お袋抱かせてくれよ」
俺は反論出来なかった