もう何年も前のこと。
あるカップルの体験を書き並べようと思います。
2人が付き合い出した頃のお出掛けというと、ホテルやカラオケ、それとドライブ。
特に夜のドライブとなると、彼が彼女の体に触れながら…というのが定番。
そして彼女が我慢できなくなると、人気のない適当な場所に停めて…なんてことはしばしば…。
最初はそんな感じだった。
ある夜のドライブ中にお遊びで使い始めたアイマスク。それから2人のドライブのスタイルは変わっていった。
後ろに倒した助手席の彼女にはアイマスク。いつものようにボリュームを少し上げる。それはピンク色の振動音と彼女の声をかき消すため、彼のささやかな気遣いのつもりだった。
出発してすぐの片側2車線の国道は、いつも交通量が多め。
時折、並走するトラックがいることを彼女に伝えると、恥ずかしそうに急いでスカートを戻す。
「どうせ暗いんだし、見えないよ?戻しちゃダメ」
「や~だぁ」
と駄々を捏ねる彼女。
そしてある日、彼は閃いた。手錠…。彼女は案外すんなり受け入れた。
倒したシートのヘッドレストに両手を繋がれて、捲り上げられたスカートの中には何も身に付けていなかった。
無駄な抵抗は出来ない…そう悟った彼女は、彼の指先に責め続けられた。
当時、彼女は知る由もなかったが、彼は彼女の露になった太股の付け根に向けてペンライトの明かりを照射していた。この彼女の姿を誰かに見られたい…そう思いながら、彼は彼女を夜毎に連れ出した。
そんな夜を繰り返すうちに、車が走り出すと彼女は自ら全裸になり、目を覆い、小さな鈴の付いた赤いチョーカーを付け、そんな状況を楽しむようになった。
ある夜、
「立ちションしてくる。その手は休めちゃダメだよ」
そう言って彼は車を降りる。
用意していた予備鍵でエンジンを付けたままドアをロックした。
実のところ、そこは広めのコンビニ駐車場の一画。水銀灯が彼女の裸体を照らす。彼は何度かカメラのシャッターを切る。そしてコンビニへ。彼が戻ってきても車の廻りには変わった様子はない。案外、誰も気付かないもんなんだな…と彼は思った。
馴れ…というのは恐ろしいもので、回数を重ねる度に、2人の車内放置プレイは、公園、道の駅、高速道SA、ファミレス、スーパーマーケット、家電量販店、パチンコ店、ショッピングセンター等の駐車場…と、車の出入りの多い場所へと活動範囲を拡がっていく。
それらは当然ながら全く気付かれない筈もなく、隣に停まっていた車がいつの間にか消えている…ということもしばしば。しかし、例え気付かれたとしても、堂々と覗き込まれることはなかった。
時には、一旦彼女の服を着せてから一緒に店内の男性用トイレに入った。小便器の前に立つ彼女の背後から、彼は茂みのない秘丘を押し拡げた。
ほとばしる勢水の滴が一筋、二筋と脚を伝う。そのままの姿で2人は飲み物を片手にレジへと向かう。
ふとレジ前から外に目をやると、彼の車、そして店内にいる彼ら2人とを、交互に好奇の目で見る男性がいた。男性が車内に見付けていたものはサイドポケットの上にそそり立つ黒いディルドだった。
自動ドアから出るとすぐ、その男性とすれ違った。彼女を見る男性の目は、全てを悟っていた。車内の状況と彼女の格好を見れば、誰もが想像は付くだろう。
最初は単に隠すのを忘れただけだったのだが…。
夜間のセルフのガソスタでは、店内奥のモニター前にしか従業員はいない。腰下にウネるものを突き刺した彼女を助手席に残し、給油した。念のため彼女の姿がカメラの死界になるであろう位置に停めた。給油中に隣の給油レーンに別の車が入る。エンジンを停めた車の中から漏れ出る彼女の喘ぎ声。果して隣まで届いていたのか…定かではない。
市内一番の繁華街は歩行者専用道路になっている。そこに交差する一方通行の車道がいくつかある。夜でも人通りは多い。当然ながら歩行者が優先。もし、歩行者が行き交う道のど真ん中で停車したものなら、見付かるのは必至。
2人を乗せた車はその交差点へと進入した。幸運にも手前の一時停止のみでタイミング良く歩行者専用道路を通過し終えるところで行く手を横断する男性3人組。やり過ごして彼らを追い越す際に、見つかったのだろう。そのうちの一人が他の2人に何かしら声を掛けたのをバックミラーで確認できた。3人とも走って追いかけてきたが、追い付くことは無かった。
見て欲しいけれど、見せ付けるほどの勇気もない…そんな葛藤の日々が続いた。
別の夜のドライブ中に
「オシッコしたくなってきちゃった…」と彼女。
「じゃあ適当な場所に車停めるから待って……」
彼は人気のない場所に車を停めた。
「着いたよ、さぁ降りて」
助手席のドアを開け、目隠ししたままの彼女の手を取り言った。
「ここで、して見せて」
別の夜、彼女は同じ様に尿意をもよおし、車外へ出た。ただ、最初とは少し違っていた。
それは観客がいること。
彼が、数日前から交流サイトで、ある誠実な男性と連絡を取り合っていたことを彼女は知らない。そして車を停めたのは事前に決めておいた場所、その男性の自宅近くのアダルトショップ駐車場。
約束通り、その男性は無言でしゃがんでいる彼女の脚元を覗き込んだ。その男性の顔には、きっと彼女の飛沫がかかっただろうと思われるほど近くまで…。
彼は男性に無言でティッシュを渡し、彼女の濡れた部分を拭いてあげるように目配せした。
「いいんですか!?」
男性は声に出さずに喜び、彼の期待に応えてくれた。
彼が彼女にその事を伝えたのは、ドライブを終えて部屋に戻った彼女のベッドの上。
その時、彼女の襞がいつもよりキツく彼を締め付けた。
別の日も、彼女には知らせず、同じ場所で同様に、男性に見られながら彼女は放尿した。車へ乗り込んだ彼女に前後逆になって横になるように伝えた。頭は車両前方に、脚を拡げ、後ろに倒した助手席の上で、ヘッドレストを跨ぐような格好だ。既に、一応シートベルトを締めたその格好でドライブをしていたので、彼女にはなんの抵抗もなかった。
「こないだのお店の駐車場だよ。こんな格好…誰かに見られたらどうする?」
彼女は恥じらいながら、
「興奮しちゃう…」
そう小声で呟いた。
「見られてるかもよ?自分でして見せて」
そう言いながら、彼は振動する疑似根を彼女に手渡した。
「手伝ってあげるから」
彼は言った。
彼女の胸や秘丘を這う手。しかし、それは彼のものではなく、別の男性のものだった。2人が車に乗り込むと同時にその男性も後部座席に乗り込み、彼と同じタイミングでドアを閉めた。
彼女がイクのにそう時間は掛からなかった。彼女の下に敷いたバスタオルは搾れるほどの潮を吸収していた。
「またイッちゃった…」
「ちゃんと、我慢しないとダメじゃん!」
「だって…気持ちいいんだもん…」
「そう言えば、誰かに見られてたら…ってさっき言ったけど、ほんとに見られてるんだよ」
「ウソだぁ…」
「マジ、車の中に乗ってるよ」
急いでアイマスクを取った彼女は起き上がり、意外な一声を発した。
「こんばんは、はじめまして…」
その出来事をきっかけに、見られる、触られる悦びを知った彼女。更に大胆になっていったのは言うまでもない。
第一部 終了
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