知り合ったのは、中学時代の友達の結婚披露宴に出席した、帰りの新幹線の中でした。
偶然隣に座った人、小柄で可愛らしい感じの人だったから、人妻とは思えなかったのが最初の印象です。
不機嫌、イライラしてそう、そう思いました。
新幹線が動き出し、俺が飲み物を出すと、隣の人はそれを見て、小声で言いました。
「買うの忘れた」
俺はそれを聞いて、もう一本あった缶コーヒーを出しました。
「良かったらどうぞ」
これがきっかけでした。
少しずつ話しをして、人妻だと知りました。
旦那さんは都内に単身赴任中で、その様子を伺いにきた帰りと知りました。
子供を連れてこようかと思ったそうですが、旅費の関係やらで連れてこなかったそうですが、連れて来なくて正確だったとため息をつきました。
風俗かなんかの情報誌みたいなのやら、エッチ系雑誌がたくさんあり、子供には見せられないものがたくさんだったそうです。
おそらく、出会い系やなんかで浮気もしてるんだろうと嘆いていました。
そんな愚痴を聞いてるだけで早二時間、着いてしまうと、その人も降りる準備を始めました。
降りるとこ一緒だったんですねと笑ったその人、初めて笑顔を見て、ほんと可愛らしい人だなと思いました。
そして言われました。
「もうちょっと私の愚痴に付き合ってもらえませんか?」
特に予定もないので、付き合うことにしました。
駅前のコーヒーショップ。
名前は彩子、ちょうど三十路になったばかりと聞かされました。
子供は一年生。
旦那さんは二つ上の高校の先輩後輩の仲からの付き合いだったそうです。
コーヒーショップでの愚痴を二時間、彩子の携帯がなりました。
子供を預かってもらってる、お兄さんのお嫁さんからだと、出て話しをしてました。
「子供待たせてるから。愚痴ばっかりで申し訳ありませんでした」
それで終わりかな、そう思いながらコーヒーショップを出ました。
駅前のバス乗り場に向かおうとした彩子は振り向き、戻ってきました。
「良かったら連絡先、交換してもらえる?」
予想外でした。
連絡先を交換して、彩子はバス乗り場へ、俺は車を停めてる駐車場へと別れました。
それから何日かして、彩子からメールが来ました。
「平日休みってありますか?」
俺はサービス業なので、基本平日休みしかないことを返信すると、木曜休みあるかを問われました。
月二回、木曜休みで今週木曜休みを伝えると、会いたいと返信が来ました。