「っと…、早いな…。」
メッセージを送って数分も経たぬうちに反応がある。
昼休み等かもしれないが、いずれにしても学び舎の中にいるはず。
周囲には教師、あるいは友達の影もあるのではないか…。
それでもこの反応…。
「随分と気に入ってくれてるのかな…。」
思わず笑みが零れ、その健気な、無垢な、素直な少女に男は高ぶりを感じる。
『早いね…返事…、嬉しいよ。Rちゃん。
君の邪魔にならないか少し心配していたんだ…。』
枕詞のように男は紡ぐ。
遠回しに、学校だろ?そんなに返事が早くて大丈夫?と問いかけるように。
少し意地悪さ、煽りを孕ませて。
『言える人…言えない人、様々だろうね…。
でも、言えない人も多いんじゃないかな…?
本当の自分を曝け出すのって勇気がいるし…、がっかりされたら…、引かれたら…って、別に「悪いことじゃないのに」、後ろめたい気持ちが出てしまうからね。
でもね…?
自分だけは…、本当の自分を大事にしてあげなきゃだめだって思うんだよね…。
本当か嘘かなんて…自分しかわからない。
今のRちゃんにとって…本当の自分で居られるとき、居させてくれる人、時間…。
あるのかな…?そう時間、人は、大事にしないとね…。』
本当の自分で居られる時間…。
まるで彼氏の存在を画角外へと追いやり、見ようとも、考えようともせず別の存在を想いながら耽った…あの時間を思い起こさせるように。
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