男の左手が胸元に伸び
指先がワンピース越しに、すでに硬く尖っていた右の乳首を的確に摘んだ。
コリ…コリっ「……っ!」
優しく、しかし容赦なく、指の腹で転がされる。
視線は完全に前を向いたまま、まるでハンドル操作の延長のように自然に——
唇を強く噛み、必死に声を抑えようとしたが、甘い吐息が漏れてしまう。
こんな初対面の男に乳首だけで、こんなに感じてしまうなんて、恥ずかしい
浩司と出会った頃、私は真面目で少し奥手なOLだった。
「こんなに優しい人と結婚できるなんて……」と幸せいっぱいだった。
セックスも穏やかで、愛情たっぷりだった。
あの頃の自分は、まさか夫の寝とられ願望など夢にも思わなかった。
数年前、浩司が重い口を開いた夜。
「俺……他の男に瑠璃子を抱かせたいんだ……」
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
拒否した。泣いた。怒った。
でも浩司の必死の懇願と、愛情を失いたくないという恐怖が、彼女を少しずつ動かした。
初めて他の男に抱かれた夜。
身体は拒否していたのに、浩司が見ているという状況で、意外なほど濡れてしまった自分。
終わった後、浩司の狂ったような興奮した顔を見て、複雑な気持ちになった。
「これで浩司が喜ぶなら……」という思いが、徐々に根を張っていった。
回数を重ねるごとに、身体は他人とのセックスに慣れ、快楽を覚えていった。
特に「見られている」状況や、後で夫に詳細を報告させられることに、強い興奮を覚える自分に気づいた。
でもそれはあくまで「特別な夜」の出来事だった。
朝になれば普通の妻に戻れた。
しかし今、この一軒家に入る瞬間、瑠璃子ははっきりと実感していた。
今までは「遊び」だった。
一時的な背徳ではなく、1年間という長い時間を、完全に調教師の所有物として過ごす。
朝起きてから夜眠るまで、常に監視され、調教され、淫乱な雌として扱われる毎日。
過去の経験は、すべてこの本格的な調教の「前座」に過ぎなかったのかもしれない。
胸の奥が締め付けられるような不安が、波のように押し寄せる。
過去の記憶が、現在の状況と重なり、心を激しく揺さぶっていた。
家の中に入った瞬間、瑠璃子は冷たい空気に包まれた。
調教師の家は、予想以上に広く、静かで、整然としていた。
どこか無機質で、生活感が薄い。まるで「調教のための空間」のように感じられた。
男が奥の部屋にひとりで行く。
私は素早く自分のバッグ(最小限のものだけ入れている)からスマホを取り出した。
男の目を盗むように、背中を向けたまま、急いで浩司にメッセージを打った。
瑠璃子 → 浩司
【今、家に着きました。
地下駐車場から車で連れてこられました。
乳首を……車の中で触られました。
感じてしまって……ごめんなさい。】
【怖いです。本当に1年、この人の家で暮らすんですか?
調教されるって、どういうことなんだろう
浩司、私、ちゃんと帰れるよね?】
【今、男の目を盗んで打ってます。
返事は……できるときにしてください。
愛してる……でも、すごく不安です。】
送信ボタンを押しすぐにスマホをバッグにしまった。
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