−−−永瀬家、リビングダイニング−−−
宙斗がマリネ液の作り方を聞かれ思わず笑みがこぼれる莉奈。
莉奈母「ふふふっ、莉奈ちゃん、喜んでもらえたようでよかったわね。
この娘ったら何度も作り直したから主人も私も食べ飽きちゃってるのよ。
宙斗さん、お料理なさるのね、将来の奥さま、幸せ者ね、全て妻任せなんて人も居ますからね、ねっ、アナタ。」
莉奈父「わ、私のことは置いておいてくれ、参ったな…。」
「お母さん!それを言わないでよ…。」
バツが悪いのかシュンっとする莉奈に莉奈父が。
莉奈父「美味しく食べてもらおうと思うことが大事なんだ。
莉奈は宙斗くんに礼の意味も込めての料理だろう?」
「それはそうたけど…、宙斗さん、マリネ液は夏蜜柑を絞ったの果汁と果肉も少し使ってるんです。」
懸命に作った照れくささを隠すようにレシピの話をしていると莉奈母が席を立ち、宙斗、莉奈に気づかれないよう後ろ手に莉奈父を呼ぶが…。
宙斗は細心の注意を払っているため気づく。
ウイスキーが並んでいるシェルフの前で小声で話している声が…。
「靴が…。」「お料理を…。」漏れ聞こえてくる声。
「興信所で…。」「〇〇さん」「調査…。」
莉奈父「お待たせしてしまったかな?私がいつも飲んでいるウイスキーだが岡田くんもどうかな?」
莉奈母「莉奈ちゃん、少し手伝って頂戴。」
「はい、今行きます。」
莉奈がキッチンへと行くと莉奈父が。
莉奈父「岡田くん、君は莉奈のことをどう思っているんだい?
今後、どうして行きたいと思っているか聞かせてくれないか?
私たち親の目で見ても莉奈は君に惹かれているようだ。
助けてくれたからなのか今はまだ判らないが…君の弟と同じ考えならば今後、莉奈から連絡が有っても取り次がないで欲しい。
脅すようで悪いが…、君の勤めている会社の風間くんとは旧知の仲てね…。」
悪いがと言っている莉奈父だが少しも悪びれている様子はない。
脅しではない、莉奈と軽い気持ちの付き合いならそれ相応の措置はすると警告。
−−−藍−−−
「〇〇広告代理店の営業三課のエースで次期課長、転勤ってあるのかな?
転勤あるなら莉奈と付き合いだしたら遠距離になるし結婚したら転勤族よね。
オジさんはまだしもオバさんは猛反対するわよね…。
メッセージ、〇〇からだ。」
【伝え忘れたけどこの間、課の事務員から食事に誘われて宙斗さん、断ってたわよ。】
「身持ちも硬い…、ヨッシャっ!!」
ひとりガッツポーズをする藍。
−−−莉奈の戻ったリビングダイニング−−−
「宙斗さん、お父さん、何を話していたの?
まさか、私の昔話とかじゃないわよね?」
莉奈母「いいじゃない、宙斗さん、これ見て頂戴。」
莉奈父「あらかた食べ終わったね、ソファに移動しようじゃないか。」
グラスを持ちソファへ移動する莉奈父とチョコレート、シフォンケーキを持ちテーブルへ置く莉奈。
莉奈母は三冊ほどアルバムを持ちリビングへ。
「宙斗さん、こちらへどうぞ。」
二人掛けのソファ、莉奈と並び座るようだ。
「お母さん、それ私のアルバム、駄目、見せないで!」
莉奈母「いいじゃないのよ、これを見て貰えば莉奈ちゃんのことを知ってもらえると思うのよ。」
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