ーーーーー永瀬家 リビングダイニングーーーーー
「私ですか?……いつもはジャパニーズウイスキー専門でして…
それをストレートかロックで……はい。
でもジャパニーズウイスキーと言えど高いので、
家で呑むときは〇るまとか〇瓶をコークハイにして。
本当にウイスキー好きな方には、怒られちゃいそうですけど(笑)」
莉奈父「そうかでは今日はロックにしようか、ダブルでいいよな。」
宙斗の答えを待たずに、ショートグラスにウイスキーを多めに入れて、
アイスペールからトングで氷を掴みグラスに入れて、
マドラーで一回転してから宙斗の前に、
莉奈父「はい、ダブルのロックだ、宙斗君。」
「あ、ありがとうございます……。」
お父様という言葉を寸前で飲み込む宙斗。
「(うぅ…気まずいったら…お父様とか言ったら一発で機嫌悪くしそうだし、
かといって、何も話さないわけにはいかないし…何の苦行の時間だよ…
でも莉奈をものにするためには、いつかは通らなきゃいけないことだもんな。)」
莉奈と莉奈母が甲斐甲斐しく料理を、料理を運んでくれて
テーブルの上にはテーブルからあふれんばかりの料理の数々。
莉奈と莉奈母が席に着き、莉奈父が莉奈母の飲み物を作り
莉奈のためにロンググラスにお茶を注ぐと食事が始まると思いきや、
莉奈父が
莉奈父「岡田宙斗君、この度は二度にもわたって、莉奈を痴漢から救って貰って
本当にありがとう。」
莉奈父が頭を下げると、莉奈と莉奈母も頭を下げる。
「いえ、お食事に呼んでいただけるような、たいしたことしては。」
そして三人の頭が元に戻ると
莉奈父「いや、君は勇気があるよ。
女の子…女性にとって痴漢は大敵であり、男は須く君のような行動を
すべきなのだがなかなかどうして…偉そうに言ってる私だってその場にいたら
行動に移せるかどうか自信はないが…あまり長話して妻や娘に嫌われても
嫌なので、食事頂こうとしようか。岡田宙斗君、この度は本当にありがとう。
莉奈の親として心から感謝する。」
莉奈父の話が終わり、食事会が始まる。
ウイスキーで口を湿らせた宙斗が最初に箸を伸ばしたのは、ソーセージと
紫キャベツのマリネ。
それを口に入れた宙斗は数回咀嚼して嚥下する。
心配そうに見つめる莉奈と、薄笑いを浮かべる莉奈母。
二人の様子を少し不機嫌そうに見ている莉奈父。
「このマリネ、すごく美味しいです。この酸味はレモンですか?
今度この液のレシピ教えていただけますか?」
そう言うと、莉奈の顔が一気に綻ぶが、宙斗は気が付かない。
ーーーーー藍との電話を終えた〇〇ーーーーー
「岡田宙斗さんかぁ…営業三課のエースでイケメン、次期人事査定時には課長昇進
間違いなしとされてるのに、社内では女関係の噂皆無なのよねぇ…
おかしいと思ってたら、相手は社外か…成程ね。
相手は藍の親友って言ってた?私からも藍に探り入れちゃおうかしら(笑)
そう言えば同じ課の事務員の子が、食事誘ったけど玉砕したって言ってたっけ?
藍に言い忘れちゃったけどまあ、いっか。」
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