「(やはり薄々でもおかしいって思うよな…海斗には悪いが、このままこの娘(こ)のことを騙し続けるの気が引ける……)
莉奈ちゃんこれ聞いてくれる。」
そう言うと、自分の右耳から右耳用のイヤホンを外し莉奈の右耳に差し入れて、
スマホに保存してあったボイスメモのファイルを再生する宙斗。
【宙お願いだから、土曜日俺の身代わりでデート行ってくれよ~】
と流れ始める海斗の声。それと会話している自身(宙斗)の声も。
莉奈の顔がみるみる内に険しくなってくる。
「そして、もう一つのファイルがこれ…」
【宙。やっぱりだった、今すぐ来てくれ、酔いどれ酒場、サカモトって居酒屋。
お前も知ってるだろ~】
「莉奈ちゃんいや永瀬莉奈さんって言った方がいいよな。
君の[居酒屋へ向かう時と電話が終わった後、別人のような気がして…。]
っていう感想間違いじゃないんだ。俺岡田海斗の双子の兄、宙斗って言います。
海斗の奴仕事で大きいミスしたみたいで、今も会社で仕事してるはずです。」
そう言ってから、一息つくと続けて
「最初は俺も永瀬さんのこと騙すのはって思ったんだけど、弟の彼女がどんな女性なのかという好奇心に負けて、身代わりになることを受けてしまいました。」
ウイスキーで喉を湿らせてから尚も続ける宙斗。
「それにランドではキスまでしてしまって……言い訳になっちゃうけど、土曜日一日永瀬さん君と行動ともにしてて、俺永瀬莉奈さんという女性を好きになってしまって…今日は騙していた事を告白するために、そして謝罪するために来ました。
こうして謝っても許してもらえるとは思ってないけど、ごめんなさい。」
莉奈の横で深く首を垂れる宙斗。
「土曜日永瀬さんの事家まで送って、上がっていきなさいって言われたとき逃げるようにして帰ったのは、俺は海斗じゃない騙してるんだって負い目があったからなんだ…」
頭を下げながら話す宙斗。
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