憲兵団に連行されたクリスティア家の使用人たちには、すぐさま個別の取り調べが始まった。
アルが解放戦線のメンバーだと知っていたのか…お前も解放戦線のメンバーではないのか等の尋問が行われたが、シオン以外の獣人たちは、アルからも、またリズベットや側近のシオンからも何も聞かされておらず、ただ「知らない」と答えるしかない。
彼らも悲惨な状況からリズベットに救われた者たちで、他人には知られたくない過去を持っており、アルの過去を敢えて詮索することもなかったのだから…
この取り調べは2日間行われたが、それは形式上の事であって、獣人たちの言い分など端っからどうでもよかったのだった。
国の方針に真っ向から反発するクリスティア家に対して業を煮やしながらも手をこまねくしかなかった憲兵団にとってシオンが持ち込んだナイフは状況を一変させるには十分なものだったのだ。
人族とは違い獣人たちには人権すら与えてられておらず裁判など受ける権利すらない…ましてや憲兵団か下した決定は、獣人に対して絶対的な効力を持つ…たとえシロであっても憲兵団がクロだと認定すればクロなのだ。
男の獣人たちは、解放戦線のメンバーを匿った罪として僻地での強制労働を命じられ、3日後には憲兵団本部から送り出された。
それに対して女の獣人たちには、選択肢が与えられた…男の獣人と同じく強制労働に就くか、奴隷として売りに出されるか…それとも憲兵団の慰安婦として働くかという選択肢だった。
女の獣人は男の獣人とは違い人族の何倍もの体力がある訳でもなく、強制労働に就かされれば身体が持つはずもなく遠くない将来命を落すことは間違いない…奴隷として売りに出されれび、運がよければリズベットのような買い主に拾われることもある可能性がないわけではないが、そもそも獣人を奴隷として買うという時点でいかがわしい人物であり、今までのよう生活ができることはないだろう…加虐趣味のある者に買われたなら悲惨な生活は容易に想像てきる。
だが憲兵団の慰安婦とれば、衣食住は保障され、僅かながらの給金も支払われる…選択肢は与えられたが、それはないものも同じだった。
女の獣人たちは、慰安婦となることを受け入れるしかなった。
女の獣人たちには、本部敷地内にある隊員たちの宿舎に各々が個室を与えられ、そこで生活することになる。
朝の8時から団員の相手を1時間半し、そのあと部屋の後片付とシャワーを浴びたり化粧直しなどの身支度に1時間…1日に7人の相手をすることになる。
その後は慰安婦としての仕事からは建て前上解放されることになるのだが、彼女らには休息の時間は訪れない。
慰安婦としての団員たちの相手をする仕事のあと、隊長以上の幹部連中に呼び出され特別奉仕という仕事が待っていたからだ。
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