隊長たちの酒盛りの席に呼び出され酌などを強要され、その場で輪わされたり、あるいは個人的な部屋へと呼び出され夜中過ぎまで相手をさせられたり…僅かに支払われる給金も食事代や化粧品、衣服代だと天引きされ事実上無給で働かされ奴隷と何らかわらない生活を余儀なくさせられた。ただ身体を傷つけられる心配だけがないことが唯一の救いだった。
そんな中、シオンだけは取り調べのあと、ロナウドの執務室へと連れてこられた。両手には手錠をされたまま…
「ご苦労だったた…もう下がっていい…」
ロナウドはシオンを連行して部下を下がらせるとソファーにどっかりと腰を下ろしタバコに火をつけた。
そんなロナウドにこれまで口を閉じていたシオンが怒りに震えた声を発した。
「どういうことだ!?アルだけを捕らえるという話だったのに…リズベット様や他の者まで…約束が違うじゃないか!」
「約束?フフフッ何を言ってる?約束は対等な者同士の話…犬っころ風情が何をほざく…」
これまでのロナウドとは全く違いあからさまにシオンを下に見る言葉だった。
この時になってシオンは初めてロナウドの本当の姿を見た気がした。これまでの態度は偽りであり、自分はまんまと騙されたのだと…
「きっ貴様っ!こ、殺してやるっ!」
毛を逆立て牙を剥き出しロナウドに掴み掛かろうとするシオンだったが、手の自由は利かず男の獣人とは異なり力自体もないシオンは簡単にロナウドに押さえ込まれしまい、床へと突き飛ばさた。
ロナウドはシオンに近寄り腹に蹴りをひとつ加えて苦しそうに腹を抱え込むシオンの顔を靴で踏みつけた。
「立場の違いを理解したか?お前ら獣人には何の権利もない…リズベットも同様だ…解放戦線のメンバーを匿った罪人となればな…」
リズベットの名を出され慌てたのはシオンだった…自分の浅はかな考えがとんでもない事態を招いたのだ。
「リズベット様は何も関係はない…リズベット様は…」
「ほう?そんなにリズベットを助けたいのか?それはお前の態度次第だな…お前次第で俺からダーウェル様に口添えしてやってもいい…」
ロナウドは、そう告げ再度腹に蹴りを入れソファーに腰を下ろした。
「俺は、前々からペットが欲しかったんだ…俺に忠実な犬が…もしお前が俺のペットになるならリズベットは助けてやるが、どうだ?」
床で腹を抱え苦しがっていたシオンは、身体を起こすと「リズベット様を助けてください…お願いします…ペットにでも何でもなりますから…」と床に頭を押しつけた。
力てはロナウドには敵わない…ましてや憲兵団でのロナウドの地位を考えればシオンに反抗する手段もなく、只々リズベットをだけでも助けたい一心からの行動だった。
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