2025/08/17 11:10:08
(399H/QBQ)
「…。」
サイトでのやり取りはここまで、そう告げても真奈美の報告は続く。
畳みかけるように、書き連ねた男の言葉の一切を鵜吞みにするかのように。
当初のような、少し高圧的にも感じる言葉でねじ伏せるように否定してきたあの姿はもう見る影もない。
少しでも冷静になれれば、受け入れるに値する箇所があったとしても、それが全てではないことは理解できただろう。
それでもそうならないのは、男の言葉以上に自身のこれまでの生き方が極端な人格を育ててしまったのかもしれない。
ある種、自分が絶対…、自分の言う事が、行動が、指示が絶対。
そんな人生が、180度角度を変える。
相手の言う事が絶対、否定的な言葉を投げかけるのは間違っている。
そう切り替わってしまえば、崇めるべき対象は自分から相手に切り替わっただけとも言える。
男はもうサイト上でのレスはしなかった。
やり取りの続行をSNS上へと半ば強引に、大胆に移行する意思を告げてなお数回続いた真奈美のレスを見ながら、
「それでいいんだ…、杉崎真奈美…。
その性格…、きっと今までの環境の全てがどうにかしようとした瞬間があったんだろうな…。
親か、教師か…あるいは友人か…。
でもその誰もが上手くいかず、結果的に距離を置いたんじゃないか…?
その結果が今…。
目標にしている女の部下はいるかもしれない…、でもそれは憧れなんかじゃない。
ただただ仕事ができる女を目指しているだけ…あんたへの憧れじゃない。
つまるところ…、誰もあんたについてきているわけじゃないんだ…。
それがまさか、恥ずかしい行為を曝け出すだけのサイトで知り合った相手に絆されるとはね…。
30年以上も知りえなかった感情、欲求についに気づき促されれば、そりゃ…自制も聞かなくなるか…。」
本心…?
潜在的な願望…?
「償い…ね…。
まで取り繕っているのか…?重要なのはそこじゃないだろ…?
目的じゃないだろ…?
あんなにとって、償いは目的じゃなく言い訳。
眠っていた変態的な、狂った雌の悦びを感じる為に、償いという大義を掲げているだけじゃないのか…?
身体は悦んでいる…、それを上手く誤魔化しながら。
これは償いだから…仕方ない…と、まだ自分を正当化しようとしているんじゃないか…?
まぁ…どっちでもいいさ…。
写真が来なければ、デスクの中の宝物をネタににじり寄るだけ…。
写真が来ればそれで、そこからじっくりどこかの誰かさんの贄、おかず、慰み者になっていくだけの話…。
く…はぁ…。はぁ…。」
気づけば男も自ら、反り返るモノを露出させ、強固に変貌したそれを竿からぐっと握りしめ、上下に扱いていた。
とろっとした透明な欲望の粒が大きく形作られれば、重力に耐え切れず鈴口を伝って垂れ滴る。
くちゃ…くちゃ…。
構わず握って手を上下させれば、卑猥な水音。
生臭い、雄の匂いが漂ってくるのを感じる。
下着をしまったデスクの引き出しを開いた瞬間に広がる香りと近い種類の匂い。
弄ばれる快感を覚えてしまった雌と、格好の獲物を手にした男の逢瀬のような瞬間。
そんな最中…。
ピローン…、と、普段からあまり聞くことのないSNSの通知音が聞こえる。
着信音自体、何年も聞いていない。
全てがバイブレーション、急ぎの連絡などあるはずもない。
しかしかねてよりほとんど使用していなかったSNSの通知音はバイブレーション設定を忘れていたようだ。
それほど久方ぶりの通知。
それだけで相手が誰なのか、想像するのは容易だった。
「きたね…。」
股間を扱く手をそのままに、空いた手でスマホを握りロックを解除すれば見知らぬアカウントからのメッセージ通知。
そしてメッセージを受信…、からの画像添付の通知。
思わず口元が緩む男。
進展は一歩、しかしかなり大きな一歩だ。
匿名性の高いサイトでの、文字だけのやり取りから、複数アカウントの所持が許される汎用性の高いSNSとはいえ、個人が管理するアカウントでのやり取りが可能になった。
そして何より、文字以外の手段で楽しむことに成功したことは言うまでもない。
「本当に白…それもちゃんとレースじゃないか…。
雰囲気が、嘘を言っている雰囲気じゃないのはわかったが…、実際に見るとやはりクルものがあるね…。」
やり取りが始まって3時間…いや、まだ2時間ほどか…。
曲がりなりにも部下を抱える社の役職者が、ほんの数時間で見知らぬ男に下着を晒すまでに。
それもその下着はうっすらをシミが浮かんで見えるのが画像でもわかるほど。
それだけ心と体の変化が大きかったことを意味し、いよいよ今まで会社にいたことに信憑性を大きくもたらす。
下着の背に映る無機質な背景、何かのファイル…?をデスクの上に置いたのか…。
後ろめたさがあったのか、少し暗がりの中での撮影だったのがわかるほど、不自然に下着がスマホのライトで発光して見えるのも少し滑稽に映る。
と同時にその後ろめたさが結果として、厭らしいシミをくっきりさせたわけでもある、面白いほどの皮肉さだ。
《よくできましたね…。
ちゃんと言われた通りにできましたね…、偉いじゃないですか…。
何人もの部下を抱えている偉い人、なだけありますね…真美さん。
そしてこれで…より綿密に、よりリアルタイムに貴女とコミュニケーションを取ることができるようになったわけだ。
嬉しいですよ…正直ね…?
貴女のこれまでは、よかったとは言えない。
しかし、自身に問いかけ、見つめなおせば、あるべき姿を受け入れる姿勢は忘れていないようです。
貴女の言葉を借りるなら、償っていきましょう。
一日どころでは足りないでしょう…?
そして何より、「一人では償いきれない」でしょう…?
お手伝いしますよ…僭越ながら…。
貴女の贖罪を…。
大丈夫…、貴女は凄い人なんだ…。
会ってもいない、見知らぬ男の指示に従える勇気がある。
散々蔑んできた部下のデスクに股間を押し付ける大胆さもある。
とてもじゃないが、普通なら到底行動できない、想像もできない行為をあっさりと成し遂げた。》
丁寧口調…柔らかい言葉選び…しかし、その実は真奈美がどれだけはしたない惨めな女、そこへの行動の躊躇の無さに見える脳内が桃色に染まった雌なのかを露呈する言葉。
その他大勢に埋もれていては出世はできない。
しかし皮肉にも、埋もれず、普通じゃない行為に耽ればそれはただの変態へとなり下がっていた。
《大丈夫です…安心してください。
いずれは大好きな彼…に、全てを差し出し従属させてあげますよ…。
でもそれは今じゃない、すぐじゃない。
その為の心を育まなければ…。
この写真を送ってくださった場所…。
きっと、家までまだかかるような場所ですよね…?
貴女のような頭の良い人が、万が一を考えて下着を送るような瞬間をお家の近くで実行はしないでしょう…ね?
お家…玄関のドアが見えてきたら、ゆっくりとブラウスのボタンを外してください。
すべて外し終えて、ブラウスの裾をスカートから引き抜いたら、鍵を開けて中へ入ってくださいね。
そして玄関に入ったら…脱ぐのは靴ではありません。
靴以外の全てを先に脱いでください。
靴を履いたまま…、ヒールかパンプスか…それ以外かはわかりませんが…。
そんな状態で身に纏ったものを全て脱ぎ捨て、はぎ取って。
ドアに向かって身体を翻して、そっとそのままドアスコープを覗いてください。
また別の貴女の日常がそこから見えますか…?
お隣さん…あるいは、通行人。
何気なく通るその場所を覗いて…何を思いますか…?
靴を履いて外は歩ける。
でも何も着ていない…、そんな普通ではない状態で覗き見る外の世界。
膨らみの先をひんやりとしたドアの内側に押し付けて…。
ゆっくりと体を上下させてください。
膝をはしたなく外側に開かないと触れることができませんね…?
オフィスでの、事務所での椅子の上と同じだ…。
玄関なんて、靴を履いて通り過ぎるだけの場所で、
生活の為にお金を稼ぐ場所でしたことと同じように、だらしなく膝を開いて。
蟹股…ですね…。
スコープを覗きながら…。
どんな気持ちか…、何をしているのか…本当の自分をどう思うのか…。
ゆっくり…はっきりと言葉にしてください…。》
【こんにちは。
楽しんでいただけているなら嬉しいです。
私も貴女の表現を見て、まだまだ学ぶものが多い。
互いに依存してしまうような言葉遊びを長く楽しめるといいですね。
希望や所謂NGに関しては承知しました。
こちらも早々にバレてしまう展開は避けたいなと思っていたので。
むしろ、バレるバレない、の狭間であざ笑うかのように楽しむのが醍醐味かなと思っていますので。
避けたい流れや表現は最大限配慮して回避するつもりですが、万が一そんな感じになっていたらご教示ください。
注文がいただけると言う事は、求めていただけていると言う事。
こちらが感謝したいくらいです。】