2024/12/22 11:06:27
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拍車がかかる美優の本能がさらけ出された喘ぎ。
見ず知らずの男に、覗かれ、聞かれ、触れられることを望むように、漏れるその喘ぎ。
トク…、トク…。
青年の胸の内で張り裂けそうなほどの緊張感と積もり積もった興奮が、耳まで届きそうなほど大きな鼓動を響かせている。
開かれた扉の中で目の当たりにする真実。
壁の向こう側では想像でしか出会えなかった女が、そこには存在していた。
今にも飛びついてしまいそうな衝動に駆られながらも、隣室に座す男の存在が、このネットカフェという場所が、青年をぎりぎり留まらせている。
場所が変わってしまえば…あるいは…。
半裸…と言えば、その通りだが、濡れそぼった割れ目でシミを作った下着、中途半端にはだけた洋服。
その姿は文字通りの変態を想起させる。
PCのみの一室で、年頃の女が一人…。
そんな姿で何を貪るか…性欲に、非現実に絆され、乱れているのだ。
「入っても…いや、入りますね…?」
許可を求めようとした青年。
しかし、いつまでも中途半端に開いたブースの扉の前にいるわけにもいかない。
それでも黙って入ってしまわないのは美優同様に、真面目な性格ゆえだろうか。
キィ…。
少し大きく聞こえた気がする。
扉の留め金同士がこすれ合う音…そして…。
パタン…。
木目調の木の板を採用しただけ、それだけで簡易的に設えられた個室という半密室の空間。
初対面の男と女。
片や半裸で股間を濡らし、片や息を荒げながら股間を膨らませ棒立ちになっている。
「スマホ…、なってますよ…お姉さん。」
美優の腰元でしばし忘れられていたスマホの存在。
カフェに入ってからは、夫である男と数回やり取りをしただけにとどまっていたスマホが、ブン、ブブン、とメッセージの着信を通知していた。
177cm中肉中背、紺色のチノパンに淡いグレーのロンTを纏った男。
髪は少し伸びており、耳元が隠れる長さになっている。
おとなしそうな、良くも悪くもネカフェに居そうなな容姿。
しかし目元に掛かるかかからないかのラインまで伸びた前髪の奥に見える表情は、どことなく柔らかさを感じさせる。
優しく見えそう…、あるいは害のなさそうな雰囲気を醸し出している。
良くも悪くも容姿は中の夫に比べれば、スタイル、そして顔つきも良い男だった。
「部屋に入ったら、まずスマホを見させてほしい。
私からメッセージを送るからね…。」
再度の髪で隠れた耳元には小型のイヤホン。
そこから高すぎない頻度で、男から指示が飛んでくるのだ。
もちろん、青年の自由を大前提にしながら要所で二言三言話すだけ。
それがかえって、万が一の時の美優、妻を守る為の手段となっていた。
[書き込みがすごくエッチになってきたね…美優…。
皆の反応も凄く良いじゃないか…。
時々、美優のえっちな喘ぎ声が聞こえて興奮しちゃうよ…。
お隣さんは…反応があったかい…?]
時間にして小一時間ぶりのメッセージ。
書き込みの内容に触れながら、隣人…つまり青年の反応を伺うような口ぶり。
メッセージから察するに、美優の部屋へ誰かが出入りしたことは気づいていない様子。
本能に理性が勝り、羞恥興奮よりも恐怖が勝るなら、青年に気づかれず男に助けを求めることができる。
あえてその状態を男自ら作り出し、美優の心中を探りながら、他の男を使って妻を辱めて楽しむゲームを攻略していくように。
[怖くなってしまったなら今日はこのくらいにしても良い。美優は俺の希望をかなえてくれたって思っているから。
もしまだ、続けてあげても良いよ…って言ってくれるなら…。
本当に、書き込みどおりえっちな恰好に…えっちな美優になってしまっているなら…。
万が一もあるからね…?ブースの扉の鍵は、ちゃんと、かけておくんだよ…?
誰かに覗かれると…困るからね…?]
メッセージ送信後、男は青年にこう続けた。
「もし美優が君を受け入れるなら、ブースの鍵を締めるはずだ。
もし、その行動に出ない場合、は、悪いが君ではだめだったということになる。
君に迷惑をかけるつもりはないから、そのまま今日は退店してくれ。
理解出来たら、トン、と、こちらの壁に手を衝くふりをして音を鳴らしてくれ。」
「…。」
トン…。
美優にスマホの通知を知らせ、内容を受け入れれば男はトンと壁を衝く。
尋常じゃないほどの喉の渇き。
目の前で獲物が横たわっているような状態。
極上の空間下で、青年は約20数年の月日の中でも感じたことのない感情に支配されつつあった。
【おはようございます。
大丈夫ですよ、私もそう言う日はありましたから。
眠い目を擦って描いても、楽しめません。
返したい時に、返してもらえるのが一番いいですから。】