扉を開けた瞬間…想像もしていなかった光景が広がる。てっきり真弓が私の行動を覗き見ていると思っていた。異性に見られる快楽はここ数日の出来事で思い知らされていたものの、同性に見られるのは…そう躊躇ったはずなのに…いつの間にか真弓にも私のイヤらしい姿を見せつけてやる…そんな風に考えてしまっていたのかもしれない。そんな妄想とは裏腹に視界を奪われ口にも下着を突っ込んで唸る事しかできない状態。全裸で両手足を大の字に開いてベッドに縛りつけられているなどと想像したくてもできない状態が目の前にあった…。『こっ…これって…どう言う事…?それに真弓…アソコの毛は…?私とは違って…元々フサフサの毛があったはずなのに…。』ツルツルに剃り上げられた股間を驚愕の視線が這い回る…。固まってしまった…と言うよりも放心状態と言った方が良いのかもしれない。全裸で縛りつけられた女と、それを固まったまま見つめる女もまた全裸…。卑猥と言うのもおこがましい程のカオス…。『これから…私…どうしたら…。』そんな想いを抱き途方に暮れる私の手に握られたままのスマホが震えた…。『普通の…真弓が…こんな姿に…。私は…。』メールの文面が私を追い詰め心を煽る。『真弓は…何の指示もないままに…アイマスクを…?パンティだって…真弓のものじゃないのに…。』メールから伝えられる真弓の真実。その文面を嘘だと言い切る自信を失わせる目の前の光景。『真弓が…望んでいるって…言うの…?でなければ…こんな姿になろうはずもないけど…あの…真弓が…こんなに…。』次々に明かされる私の知らない真弓の姿。そのひとつひとつが私の対抗意識をより強いものへと変化させていく。『そう…邪魔なの…。真弓が…邪魔…。』私の心の奥を見透かし、沸々と沸き上がる感情すら利用するかのように煽るように繰り返されるメールの言葉を無意識に読み返すと洗脳されていくかのように…。『プライド…!?そうなのかも…前から私…真弓には負けてない…どんな事があっても…負けたくないって…思ってた…。』『見下されて…真弓…悔しかったの…?だから今度は私を見下してやろうとしてるの…?許せない…そんな事…私…許せない…貴女は私よりも下の女なの…私はいつだって…貴女よりも優れてるの…。』まんまとメールに心を操られているとは気づくこともなく、驚きや羨みはいつしか怒りにも似た感情へとすり替わっていった…。『汚してあげる…真弓の可愛らしい顔を…その奥にしたたかな女を隠し持っている顔を…。』メールの言葉に背中を押され、一歩ですまた一歩とベッドに歩みを進める。空調の効いていない蒸し暑い部屋。時折剥き出しの肌にそれとは違う温度の風があたり、風上に目をやると隙間の開けられたカーテンが風になびいていた。窓が開いている…。今まで意識していなかった窓とカーテンの隙間。外の暗がりに部屋の明かりが漏れ出すことで、近隣住民は意識せずとも内部への視界を妨げる隙に気づくだろう…。もしかしたら…。全部…。覗かれているのかもしれない…。そんな妄想が頭の中に広がる。それは妄想という形で私の本来の願望が現れたものなのかもしれない…。無数のカメラはあの人の視線。それを知った上で全裸を近隣住民に晒す歪んだ性癖の女達…。そんな妄想は私の欲望を掻き立てるには十分過ぎたのかもしれない…。
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「ん!?んんーん…むぅ??」物音以外の音…、人の声が真弓の鼓膜を帰宅後初めて揺らす。それは事実、事実であることを認識するほどにそれが如何に信じがたい生活を送っているのかを感じさせる。今、顔の上には京子言う女。そして、真弓の四肢を拘束した者がいる。この数時間で真弓は、全裸という到底人目に現さない恰好で居ながら、人との接触はしていた。にもかかわらず、数時間経過した今、やっと人の声が耳から入ってくるのだ。それも、聞き覚えのある女の声。「ん!んぅー!!」何も知らぬまま視界と声を奪われ、そして四肢の自由を奪われた真弓の心中、誰が理解できるというのか。懸命に声を発しようとするも、無情にも自らが口に押し込んだ「自分のモノではない下着」枷となり、呻き声程度の声がやっと。「ん、んっ。んん、んんんっ!」懸命に身を捩りながら、まるで目の前の「最も親しいはずの存在」に制止の声をかけているようにも聞こえる。当然か、下着泥棒の話に始まり、そして唯一ともいえるプライベート、プライバシー、安心を守る為の砦となる、鍵すら捧げてしまおうとしている想いすら打ち明けた、そんな数少ない、いや、たった一人の親友が目の前にいるかもしれない。この状況を目の当たりにしているかもしれないのだから。欲求をただ絞り出したのとは違う。普段見ているアダルト動画、使用しているアダルトグッズを告白するのとはわけが違う。もっと言うのなら、時折ネット上で見かける流出動画…、羞恥のレベルは前者とは段違いだが、やはりそれとも桁が違う。こんな状況…、どう考えても「異常」なのだから。カフェでの会話、あるいはメールで文字を綴るのとはわけが違う。生々しく、全てを、実際に見せつけるのは、わけが違う。それも、相手は、信じ、頼り、一部とはいえ心の弱さまでさらけ出した相手…、そんな人に晒しているのだ…わけが違う。揺れるベッド、少し枕元が沈むような感覚。そして声は上から聞こえる。何となく、顔の上に京子がいる状態を…感じながらも、直接跨っている事実を京子の口からきかせられれば、さらに動揺は大きくなる。「ん、んっ、ん!!んぅん!!」呻き声は止めてほしいという気持ちなのか。見られたくないという気持ちが全面に出ているのか…。あるいは、男への現状を確認したい思いなのか…。その気持ちと裏腹なのか…あるいは、より妄想願望が叶った結果に近いのか…。股間回りにできたシミは、新しく流れ出た液体によって再び湿り気を増し、その面積を大きく広げていた。「良い…。良いよ…竹本京子…。想定通り…、いや、想定の一回りも二回りも上を言ってくれる…。もっと妬ましい気持ちを抱くと本当に戻れなくなりそうだね…。上でいたいよね…?目の前で腕の一本すら動かせない女より、自分の方が劣っている…そんな風に感じちゃったら…狂いそうになるよね…。」モニター越しの二人のやり取り…、いや、一方的な京子の心中を吐露する光景。男はその様子に魅入られ、集中のあまり口元から垂れそうになる唾液を拭っては、笑みを浮かべる。そして、手元であるデータを送信すると、真弓の部屋にあるモニターからその映像が自動的に流れる。鮮明に映し出されたのは、目の前で自由を奪われて横たわっている真弓。その真弓が嬉しそうに微笑みを浮かべ、カメラの前で座っている。場所は…ここ…寝室だろうか。「はぁ…見てください…。頂いた…、おちんちん…。いつも枕の下に置いてるんです…、指示があればいつでも使えるように。毎晩…毎晩…、見てくださってますよね…?」惚けた表情で、手元のディルドに頬ずりしながら、高揚する表情で。ぬるっと舌先を唇の奥から伸ばし、亀頭…カリ首…竿…を丹念に舐めまわしていく。
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