「は、は、は…。」不意に扉が開いてしまった。慌てて春馬の部屋へと戻り、即座に布団の中へと潜り込む。春馬の寝つきが良くてよかった。案の定、千夏が確認の為に春馬の部屋を覗きに来たのだ。もし春馬が起きていたら反応し、今慌てて戻ってきたことがバレてしまったかもしれない。何とか誤魔化すことに成功したのか、起きている事には気づかず千夏は自室へと戻っていったようだが、階段を下りる音も聞こえた。(俺のパンツ…戻しに行ったのか…。)興奮と罪悪感、背徳感…、非現実的な感情が頭の中をぐるぐると駆け回るのを感じる。もし、千夏が何も被らず、さらに無防備な姿をさらしていたらどうなっていたのか…。布団の中で…どうなっていたのか…、想像だけが先走る。興奮でなかなか寝付けないと思ったが、極度の緊張から解き放たれたためか、その日はあっさり眠りについていた。翌朝…。「はぁーぁ…、もう朝かよ…。」けだるそうに目を覚ます春馬、やはり昨日のことは何も覚えていなさそうだった。少し前から夏休み期間に入り、慌てて起きる理由などなかったが、さすがに人様の家でいつまでも寝ているわけにもいかないと、春馬に続いて体を起こす。「ふぁ…、おはよう…千夏ちゃん…。いつも起きるの早いね…。」何食わぬ顔で、声をかけてきた千夏に返事。開いたドアからは、秋菜の準備している朝食の良い匂いが届いてくるようだった。二人して、寝ぐせ…ジャージ姿のままリビングへ。本当の兄弟のようにシンクロしたその洋装に、秋菜も笑いをこらえるのに必死の様だった。「二人して…面白いなぁ…もう…。圭祐君…、今日はどうするの…?もう夏休みだし、別に慌てて帰らなくてもいいのよ…?」朝食を口に運ぶ最中、先に済ませた秋菜が後片付けをしながら声をかけてくる。基本的に、学校があるから帰宅するだけで、旦那の出張が目立つ秋菜にとっても、愛想の悪い息子より圭祐の方を気にかけることが多い。母娘揃ってありがたい話だった。「そうだぜ、圭祐。俺は部活もあるから、あんま昼間はいないけどさ…、帰ってきた時にお前がいんなら、いつでもクエストの続き出来るから助かるんだよなぁ…。ほら、昼間できねぇ分、置いてかれるからさ、頼むぜ。」そして等の息子もこの有り様。一周回って本当に大丈夫なのか、と不安になるほどだった。(まぁ…、俺はありがたいんだけどさ…。)ちらっと、リビングでくつろぐ千夏の方に視線を向けて、「えっと…別に用事もないから大丈夫だけど…、さすがに着替え、持って帰って洗濯しないとなぁ…。」当然のような言葉を返す。一泊のつもりで着ている分着替えも2日分、念のための下着くらいはもう一式持ってきてはいるが…と思っていると、「あら、別に家で洗濯すればいいじゃない…。私はちょっとパートに出なきゃいけないから…、千夏…?お願いできる…?」不意の発言。別に狙ったわけではないが、再び脱いだ洗濯物が千夏の目に、手に触れる展開がやってくるかもしれない。そんな期待を持たせる秋菜のその発言「い、いいって秋菜さん…、さすがに千夏ちゃんに悪いから…。」少し罰が悪そうにしながらも、千夏の反応を伺うように。【ありがとうございます。私も賛成です。基本的に、選択肢を与えるようなやり取りは割と頻繁にあると思いますが、行動を強制させる流れを作る気はありませんので。急速に展開が進むのももったいないですし、じっくり楽しみましょう。互いをおかずに自慰に耽る場面、まだまだ私も楽しみたいので。】
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