イメプレ

「私は土下座しろって…何よ…？……っ…！！」

再度土下座を命令すると同時にスマホを差し出され、仕方なくスマホの画面に視線を移すと、その画面に写っていたものに驚いた表情を見せる優奈。
そこには昨日、自分がしていた痴漢でっちあげ行為がハッキリと写っていた。

『優奈、どしたの？何の画像？』

優奈が驚き声も出せなくなっていると、心配した友人から声をかけられ咄嗟にスマホ画面を隠すと、「な、何でもないよ…今日の放課後、先帰ってて。大丈夫だから。」と引き攣った笑顔でそう言って誤魔化していた。

その後の授業は、あの動画のことが気がかりでずっと上の空の様子の優奈。
HRが終わるチャイムが鳴り、部活に向かう生徒と残りの生徒は下校していき、教室には優奈といじめっ子の2人だけが残っていた。

放課後、教室に残っていたのは優奈と和幸だけだった。

「優奈さん、これ、優奈さんですよね？」

画面をしっかりと見せる和幸

「これ、どうします？消して欲しいですか？それともばらまいてほしいですか？」

そういいながら壁際に優奈をにじり寄せていく。

「まずは…クラスメイト全員にばらまいてみます？」
睨み付けてくる優奈の顔が今はとても怯えているようでかわいらしい

「っ……や、やめてっ…！お願いだから、消して…」

昼休みに見せられた動画をまた目の前に見せつけられ、視線を逸らしてしまう。
ジリジリと詰り寄ってくる和幸から逃げようと後退りするが、すぐに壁に当たりそれ以上身動きが取れなかった。
日頃虐めていた相手に脅され、悔しそうに睨みつけながらどこか怯えているような表情も浮かべていて、微かに震わせる身体で頭を下げて動画を消すようにお願いする。

「お父さん、お母さんにも見せてあげてもいいよ？優等生の優奈さんが、影でこんなことしてると知ったら…」

和幸の顔が近づいてくる。

「……形勢逆転っすね？」


そう言いながら画面と和幸の顔から目をそらす優奈に、和幸は最初の命令を下す。

「まずは、今までの俺への仕打ち、詫びてくださいよ…土下座して。」
さっきまで動画を流していたスマホを今度は優奈にレンズを向ける。

「ダメっ…！消してってばっ…！」

クラスメイトだけではなく親にもバラすと脅されると一層取り乱した様子を見せる優奈。
優奈の家庭は厳しく、常に学年で一番でいないと酷く叱られていた。
今まで和幸を虐めていたのも、痴漢冤罪をしていたのもそんな家庭で育った腹いせからくる行動だった。

「っ……い、今まで虐めたり、酷いこと言って…すみませんでした…お金も全部返すから…だから、動画消してください…」

昼間自分が命令したことを、形勢逆転で今は自分が和幸に土下座を命令され、ゆっくりと床に膝をつけるとそのまま上半身も倒し頭を深く下げ、長い間虐めていた和幸相手に土下座し、謝罪と同時に再度動画を消して欲しいと懇願する。