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桜の下で

投稿者:ライラプス ◆AdKeSZp7eg
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2012/04/23 16:05:07 (3Yv7Ff07)
桜の盛りも過ぎ、名残の花びらが一風ごとに舞う新緑の葉も眩しいこの短い一時が好きだ。
朝から今までスカイラインを何度も流して楽しんだが、流石に空腹には耐えられず山を降りて来た。
11時を少し回っている。
喫茶店でランチでもと思ったが、重装備のこの姿で入店するのは気恥ずかしかった。
コンビニでサンドイッチとコーヒーを買い、さっき見つけた公園で食べる事にした。
入口の車止めまでバイクを突っ込み、すぐ横のベンチで食べる事にした。
ここの公園の桜も半分以上の花びらが散り、残った花びらも風が吹く度、別れを惜しむ様にヒラヒラと舞い風下に流れて行く。
誰もいない公園は、時折通り過ぎる車の音とインラインフォーのエンジンが冷えていくチンチンというかすかな音だけ。
一つ目のサンドイッチを食べ終わった時、反対側の入口からジャージ姿の学生らしき人が歩いて来るのに気がついた。
男の子?女の子?…、髪形はショートで男の子みたいだが、体つきは華奢で女の子の様にも見える。
余り見ているのも失礼と思い、視線を落とし食事を続ける事にした。
砂を踏む足音が段々と近づいて来る。
すぐ横まで来た事は足音で分かった。
不意に「こんにちは」と若い女の子の声。
思わず顔上げ横を見る。
まだ春だというのに、良く日焼けしたスレンダーな少女が立っていた。
「アァ、こんにちは」、私は慌てて挨拶を返した。
手には大きなスポーツバッグを持っている。
小麦色の肌と白い歯が印象的だ。
「あれ、おじさんのバイク?」
おじさん?…まだ32なんだけど…心の中で言ってみるものの、この子から見れば充分おじさんかと思い直した。
「そうだよ」
「ちょっと見て良い?」
「どうぞ、まだエンジンとマフラー熱いから気をつけてね」
いったいこの子は何歳なんだろう?
高校生にしては少し幼くも見える。
彼女がバイクを見ている間に残りのサンドイッチをコーヒーで流し込んだ。
「おじさん、このバイクバリ伝のグンのと一緒?」
私は思わず笑ってしまった。
「よくそんな昔のマンガ知ってるな。まぁ同じと言えば同じだけと、排気量がちょっと違うかな」
「お兄ちゃんもバイク好きでマンガ持ってたから、私も全巻読んだんだ。…あっ分かったこれ900だ~!」
「正解」
少女は屈託無い笑顔を私に投げ掛ける。
「おじさん、そこに座っても良い?」
「どうぞ」私は、お尻一個分横に移動して、彼女のスペースを確保した。
彼女は横に腰掛けるとバイクについて色々と質問してくる。
その話の中で彼女の事も少し判ってきた。
高校に入学したばかりの新一年生で、8月に16歳になるので夏休み中に免許を取ろうと考えてる事。
今日は、朝から友達と喧嘩になって、お腹が痛いと言って早退してきたことなどを話してくれた。
「おじさんこそ、平日なのに仕事は?」
「僕は火・水曜日が休みなの、そのかわり土・日は仕事」
「へぇそうなんだ、だったらこの後暇?」
「まぁ予定は無いけど」
「だったらバイクで何処か連れてって。」
「家すぐそこだから着替えてメット取って来るから待っててね!」
私の返事も聞かず、彼女は走りだしました。
路地の角で振り向くと「5分…10分で戻るからね」
大きな声で私に念を押すと、塀の向こうに消えてしまいました。
タバコに火を着けこれからの事を考えます。
このまま逃げようかとも思いましたが、別れた妻の事をふと思い出した。
妻は高校の同級生で一年生から付き合い始め、同じ大学に進学し就職して一年で結婚したものの互いに仕事に追われ、ただの同居人として三年間暮らしただけだった。
休みが違ったのも大きな原因だったかもしれません。
妻の方から別れて欲しいと言われサインしてからもう五年になる。
付き合い始めた頃、私のバイクの後ろに乗るのが好きで、会う度に何処か行こうとせがまれた事を思いだした。
タバコを二本吸い終った頃、ヘルメットを抱えた彼女が、走って戻って来た。
額にうっすらと汗をかき、息をきらせ笑顔で私を見上げます。
ジーンズにスニーカー、赤いジャケット。
ショートヘアーの彼女は、遠目には少年に見えるだろう。
何処に行きたいか尋ねると、スカイラインの上にある展望台に行きたいと言う。
エンジンをかけ彼女を乗せると、しっかりとつかまる様に言い握る所を教えた。
「大丈夫、お兄ちゃんに何度も乗せてもらったから」
了解と頷きヘルメットのシールドを降ろし、静かに走りだした。
午前中何度も走った道を再び戻る。
20分程で展望台駐車場に着いた。

「もっと飛ばしても平気だよ」
「生意気言うな、もし事故ったら大変だろ」
「そうだね、…お腹空いたから家からパン持ってきちゃった」
展望台まではここから10分程歩かなければならない。
休日だけ開く売店の自販機で飲み物を買って、二人並んで歩き始めた。
「そう言えば名前聞いてなかったな」
「私?由香、おじさんは?」
パンをかじりなから答える。
「隆弘」
「じゃターくん」
「なんだそれ、じゃ由香ちゃんはユーちゃんかな」
「それで良いよ」
最後にきつい坂を昇りきると、眼下に海が広がる展望台だ。
「う~ん、気持ち良い海が綺麗」
東屋のコンクリートのベンチに座り、しばらく景色を楽しんだ。
「ねぇターくん、結婚してるの?」
やっぱりターくんか、おじさんの方がましかなと思ったが、気にするそぶりもみせず「前はね」と答えると
「バツ1へぇ~!」
「今更だけど、ターくん何歳?」
「サンジュウ、ニ」
「え~27・8かと思ってた、若く見えるよ」
おいおい若く見えてて、おじさんかよと思いましたが、スルーしました。
それから由香は一人で話続けるので聞き役に徹した。
学校の事、家族の事(ちょっと複雑かな)……
「ところで今朝、なんで友達と喧嘩したの」
由香の顔色が急に変わった。
「言いたくなかったら話さなくて良いよ」
膝を抱え暫く無言でいた由香でしたが、うな垂れてイヤイヤという様に頭を振り、
「男の子って勝手で嘘つきだし、友達だと思ってた女の子も私より他人の話を信じるんだもん。みんな嫌いだ!」
泣いているのか鼻を啜る音が聞こえた。
話を聞くと、テニス部の中学の先輩(彼を慕って同じ高校に進学したとの事)に告白したところ、人気の無い校舎裏に連れていかれキスされたらしい。
そこまでは良かったのだが、嬉しさで舞い上がっていると彼の手が胸をまさぐり始め、もう一方の手をスコートに差し込み「やらせろよ」と耳元で囁かれ、我慢できず彼を突き飛ばして逃げてしまったらしい。
運悪くそれを彼の友達が見ていたのだが…。
彼は、ばつが悪かったのか由香から抱いてくれと言い寄ってキスしてきた。
胸を揉んだらペチャパイの癖にハァハァ言いながら興奮するから、キモくなって断ったと友達に説明したらしい。
その話を今朝友達から聞いて、違うと説明したが信じてもらえなかったと言うのだ。
由香の友達もその先輩に憧れていたから、抜け駆けして告白した私も悪いかもしれないけど、友達から絶交と言われ、学校に居たくなくて早退したのだと話してくれた。
余りにも幼い悩みにどう答えて良いか分からず、
「暫くしたらみんな忘れるよ、嘘はそのうちばれるから」
「由香にそんな事やってる様じゃ他でもやってるだろうから、たぶんその先輩評判悪いと思うよ、友達もそのうち分かってくれるって」
「そうかな?」
由香は体を傾け私にもたれかかってきた。
シャンプーか石鹸の香りでだろうか、いい匂いが鼻孔を擽る。
「ターくん優しいね」
「大人をからかうな」
由香に笑顔が戻っていた。
「ねぇ男の人ってペチャパイは嫌いなの?」
「何言ってんだ、人それぞれさ」
「ターくんは?」
「だから大人をからかうな」
由香は私の手を取ると、開けたジャケットの隙間に導き自分の胸に押し当てた。
「私のオッパイやっぱり小さいかな?」
掌に幼い膨らみを感じた。
「何してんだ、まだ高一だろ、そのうち大きくなるさ」
慌てて手を引きく。
「初めてのキスはターくんが良かったな」
「なんだって?」
由香の方へ振り向くと、そこに由香の顔があった。
目を閉じた由香の唇が私の唇に重なった。
すぐに唇を離し「ターくんのエッチ」と、悪戯っ子の様な目で笑います。
「おいおいいい加減にしないと怒るぞ」
内心はいい歳をしてドキドキしてた。
「でも今言ったのは本当だよ」
由香の頭を軽く小突くと、「そろそろ帰るぞ」と声をかけた。
駐車場までの道程をじゃれてくる由香をかわしながら下りた。
出会った公園まで戻ると、別れ際連絡先を教えてくれと言うので自宅の電話番号を教え事にした。
その時は、少女の気まぐれ程度に考えていたのだが。
「絶対連絡するからね」
手を降る由香に見送られ公園を後にした。
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2
投稿者:ニャン太郎
2012/04/23 16:18:21    (DeHMb2Hd)
続けてお願いいたします。
3
投稿者:(無名)
2012/04/23 19:49:29    (ez4cLLNa)
叙情的でいいですね
4
投稿者:ヒロ
2012/04/23 21:51:51    (q1h9ACiP)
是非、大至急、続きをお願いします!
5
投稿者:(無名)
2012/04/23 22:32:23    (UIsC93Zs)
それからそれから?
6
投稿者:のぶ
2012/04/24 07:21:00    (i7Nqx7QX)
片岡義雄の世界を思い出す。久しぶりに良い作品かな?是非とも続きを。
7
投稿者:ライラプス ◆AdKeSZp7eg
2012/04/24 08:25:03    (FH2wKF6R)
GWの前日、帰宅後留守電をチェックしていると
「ターくん、由香です。GWはお休みですか?休みならまた何処か連れてって。11時頃また電話します」と、元気なメッセージが残されていた。
時計を見るとまだ30分程ある。
風呂に入ると電話をとれないかもと思い、買ってきた惣菜で晩酌を始めた。
11時を少しまわったところで電話が鳴り、受話器を取ると案の定由香だった。
「今晩は、ターくん明日休み?」
「いや明日は休日出勤、四日五日は大丈夫だけど」
「ラッキー♪だったら四日何処か行こうよ、私太平洋が見たいな~」
「ターくんのバイクでツーリングしたい!」
平日定休日の私にとって、祝祭日の渋滞する時に出掛けるのは苦痛なのだが、由香のハイテンションに引きづられ約束してしまった。
当日渋滞を考慮して早めに出発する事にした。
待ち合わせ場所は、由香の家から自転車で10分程の最寄り駅にした。
その駅まで私の家から24・5㌔ある。
時間は8時半なのでそろそろ出かけなければ間に合わない。
バイクのエンジンをかけ、エンジンが暖まるまで一服する。
今日のルートを頭の中で反復してみた。
目的地まで片道約140㌔、昼はバイク仲間のイタリアンでとるつもりで、昨夜のうちにコースランチを予約しおいた。
高速が二人乗り禁止なのが痛い。
高速が使えれば、往復で2時間近くは短縮出来るのだが。
今から出れば、下道でも午後4時には帰れるだろう。
二、三度アクセルをあおりエンジンの調子を確認して由香の元へ向かった。
小さな駅舎の前に、大きなデイパックを背負った由香がすでに立っていた。
バイクを由香の前で止め、ヘルメットを脱ぐ。
「オハヨー」由香の明るい声にちょっと怯む。
デイパックからヘルメットを取り出し、「ママには内緒だからね」と笑顔を見せ、舌をちょっと出してみせる。
今日の予定を説明して出発した。
やはり渋滞していたものの、予定通り目的地に着いた。
名勝の浜を散策し、併設された水族館を見た後、食事の為市街に戻った。
本格的なイタリアンは初めてという由香は、出てくる料理に一々反応する。
「う~ん、なんか大人な感じ♪」
なんだか分かった様な分から無い様な感想を言う。
もっと遊ぼうとぐずる由香を乗せ帰路についた。
4時前に駅に戻ったが、
名残惜し気に言うので、誰も居ない駅舎のベンチで話をする事にした。
今日一日でかなり由香の事が分かった。
家族は母と兄との三人。
父親はいるが母とは入籍しておらず、要はお妾けさんの子である事。
兄はこの父親の子では無く、母が若くして結婚し離婚した男との間にできた子だと言う。
総じて優しい父親だが、兄は血の繋がりが無かった為か、あまり良い関係ではなかったそうだ。
六つ上の兄は高校卒業すると自衛官になり、今は北海道に居るらしい。
母は、その父親が経営する関連会社で事務として働いている。
父親の素性を聞くと、私の会社とは取引はないが、県内でもそこそこ名の知られた建設会社の社長だった。
兄が高校時代乗っていた2スト250CCが家にあるので、免許をとって乗るのが当面の目標。
そして将来の夢は、教師になる事だと言う。
母を見ていて、女も自由に生きていくには、収入を得る術を持たない無理だと感じたらしい。
「ねぇ明日も付き合ってくれる?」
駄目だという理由もないので、なま返事を返すと
私の部屋に行ってみたいと言う。
その時は別にやましい気持ちも無く、ただ若い子がバツ1の男の所にノコノコとやって来るのも、世間的にも不味いだろうと思っただけだ。
行きたい行きたいと駄々をこねる由香に、またまた根負けして承諾してしまった。
天気予報では明日は雨らしいので、車で迎えに来る事を伝えた。
二日続けて朝早くから家を出るのもまずいだろうと、1時の待ち合わせにした。
翌日車で迎えに行くと、デニムのミニスカートを履いた由香がいた。
上はフリルの付いた白いブラウスに、淡いピンクのカーディガンだ。
ベリーショートの髪型に小麦色の肌、首から下は思い切り少女趣味の服装。
そのアンバランスさがなかなか可愛い。
昨日と違って、小さいお洒落なデイパックを背負っている。
これが今の流行りなのだろうか。
由香はすぐに私の車と気がつき、助手席のドアを開け乗り込んで来た。
「ターくん、この車カッコイイ!なんて言う車?」
私はメーカーと車名を告げた。
私はバイクはH社だが、車は昔からN社のファンだ。
由香が晩御飯作るから、何処かスーパーに寄って欲しいと言う。
ろくな調理器具が無いので断るが、鍋くらいはあるでしょと譲気配も無いので自宅近くのスーパーに寄った。
二人で店内をうろうろするのもヤバイと思い、一万円を渡し由香一人で行かせた。
初めは文句タラタラだったが由香だが、それじゃ帰るかと脅すと渋々買い物に向かった。
車中で待つ間、今の自分について考える。
16も年下の女の子に振り回されているおっさん。
いったいなんなんだ、自分でも理解不能だ。
カーオーディオからは浜省が流れている。
なぜだかイラッとして、吸っていたタバコを揉み消した。
ポツポツと雨垂れがフロントグラスをたたき合う始めた。
由香が小走りに車に駆け寄ってくる。
「今晩はカレーだよ、お菓子もいっぱい買っちゃた」
嬉しそうに買い物袋を広げて見せる。
いつもこの笑顔に負けてしまう。
私のアパートはこのスーパーからは目と鼻の先だ。
駐車場に車を入れ、由香を伴って部屋に向かった。
鍵を開け2DKの部屋に由香を招き入れた。
物珍しそうに部屋を見回すと、「結構綺麗にしてるじゃん」と偉そうに言う由香。
由香は買ってきた物を冷蔵庫に仕舞うと、菓子類と飲み物だけ持って、居間として使っている部屋のソファに腰掛けた。
「ターくん、コップある~」
ハイハイと返事して、グラスを二つ用意して由香の隣に腰掛けた。
テーブルの上には、誰が何人で食べるんだと言うくらいの量の菓子が山積みされている。
2時間ほどテレビを見ながらお菓子を摘み、時折由香が振ってくる話題に答えた。
流石に由香も退屈してきたらしく、キョロキョロと部屋を観察し、目敏く本棚からアルバムを見つける。
見て良いかと尋ねるので、本棚から取り出し渡してやった。
背表紙には年数が書いてあるので、どうやら古い順番に見るつもりらしい。
高校生の私がそこにいた。
自分で見るのは恥ずかしいものだ。

事実もう何年も手に取った事さえなかった。
勝手に見てくれと言って、キッチンでコーヒーを入れる。
ドリップしたコーヒーを二人分運ぶと、真剣にアルバムを見ていた由香が顔上げる。
「この人が前の奥さん?」と、一枚の写真を指差した。
アルバムのほぼ半分は妻との思い出だ。
高校から付き合って結婚した事は、由香にも話していたのですぐに検討がついたのだろう。
「奥さん綺麗な人だね、うぁ巨乳!」
それは高校二年生の時、海水浴に行った時のものだった。
「スタイル良いんだね、ボン、キュ、ボン!って感じ」
「ターくんやっぱり巨乳好きなんだ」
「馬鹿、たまたま彼女がそうだっただけだよ」
「本当~、なんか怪しい~」
由香が横目で睨む。
コーヒーを飲みながらアルバムをめくる。
大学時代に突入した。
大半が妻とツーリングに行った時のものだ。
由香は興味深々で、ここは何処?どんな所?と、やたら質問してくる。
良いな~を連発し、私も大学生になったら絶対行くを繰り返す。
結婚式のアルバムも見ながら、ああだこうだと聞いてくる。
適当に受け答えしていると、アルバムの最後に挟んであった封筒を見つけ手に取った。
私も昔の事ですっかり忘れていたのだ。
「何これ?」
由香が折り曲げられた封筒を開け、中に入っていた物を床に広げた。
一瞬、私の息が止まった。
それは新婚時代、お遊びで妻とのセックスを撮ったポラロイド写真だ。
見る事も無く7~8年もたつので、すっかり記憶から消えてしまっていた。
由香は最初おどろいた様だが、慌てて拾い集める私をよそに数枚手に撮り、「イヤー、エッチ!エロエロだ~」と囃し立てる。
写真を持って逃げる由香を狭い部屋の中で追いかける。
ソファに倒れ込んだ由香に馬乗りになり、腕を押さえた。
「ごめん、怒った……、ターくんなら良いよ、そう思って来たんだ」
由香の手から写真が落ちた。
顔を見るとかすかに涙目になっている。
素直に可愛いと思った。
ただその時はまだ充分理性のブレーキが効いていた。
歳の差を考えると、到底許されないとも。
目を閉じた可憐な少女を少しからかってやろうと思った。
私は唇を重ね、唇に舌を差し込み、口内を探る様に舌を動かした。
アッと由香が喘いだ瞬間、脇をくすぐってやった。
キャっと叫んで体を縮める由香。
「ターくんの馬鹿」
「由香が言う事聴かないからだ、大人をからかうなよ」
「う~ん本気だったのに、ターくん意地悪だ」
少しドキッとした。
「子供が馬鹿な事を言うじゃないよ、幾つ違うと思ってんだよ」
写真を片付けながら言う。
「もっとちゃんと見たかったな~」と、お得意の舌出しで甘えてくる。
「冗談はやめてくれよ」
困惑顔で由香に訴えた。
「ごめんなさい、もう言わないから、またキスしてね」

「なんで」
「だって、キスがあんなに気持ち良いって知らなかったんだもん」
「だ・か・ら、またしてね」甘えた声で訴える。
「由香が言うこと聞いていい子だったらな」
「もう、いつも子供あつかいなんだから」
カレーを作ると言い張る由香を、そろそろ帰る時間だからと、帰り支度をさせ車で送った。
別れ際に、ありがとうと言うと、私の頬にキスをしてくれた。
バックミラーには、いつまでも手を振る由香の姿が映っていた。
8
投稿者:ライラプス ◆AdKeSZp7eg
2012/04/24 12:59:31    (FH2wKF6R)
GWの後、何度か電話があったが休みが違う事もあって会う事はなかった。
七月の最終火曜日、朝7時に電話が鳴った。
「オハヨー、ターくん起きてた?」
「起きてたよ」
「ターくん、今日お休み?」
「悪い月末で色々あるから、事務所に出るつもり」
「じゃ明日は?」
「何とかなるかな」
「だったら海水浴行こうよ♪、新しい水着買ったんだ。スクール水着卒業だよ、ターくんにも見せてあげるから」
「何言ってんだ、誰が見せてくれって頼んだんだ」
互いに冗談を言い合いながらやり取りを楽しむ。
車を出そうかと言うと、バイクが良いと言う。
夏のバイクは傍目で見るのとは違って、ほとんど拷問に近いものがある。
糞暑い中、股間にストーブを挟んでいる様なものだ。
走っている時はまだしも、信号待ちなどバイクを放り出したくなる。
仕方無いと諦め、行き先と待ち合わせ時間を決めた。
県内でも水が綺麗だと、有名な半島にある海水浴場にした。
当日10時に迎えに行くと、由香の変わり具合に驚いた。
髪型はベリーショートから、短めながらボブになり、春にあれ程日焼けしていたのに、今は逆に白くなっていた。
バイクに乗るというので、ジーンズにロングTシャツという姿だが、胸の膨らみが以前より目立つ。
たった二ヶ月見ないだけで、これ程変わるものだろうか。
由香も照れ臭いのか、少しハニカミながら
「ちょっとは変わった?」と聞いてくる。
「うん可愛くなったよ」
小躍りして喜ぶ由香をバイクに乗せ、海水浴を目指した。
少し遠回りだが信号の少ない海岸線を流す。
おだやかな波が夏の陽光を浴び、キラキラと反射する。
焼けたアスファルトにバイクの濃い影が映しだされ、高速で移動する。
海岸沿いの九十九折りの道を、右に左に車体を傾ける。
少しコーナーを攻めてみる。
私の体の動きに合わせ、由香も体を左右に振る。
兄に乗せられた経験かもしれないが、勘の良い子だと感心した。
ペースを上げたおかげで、予定より早く着いた。
ヘルメットをとると、強い潮の香りが鼻を擽る。
海の家で桟敷を借りて、ヘルメットと貴重品を預ける。
小銭だけ持って、桟敷に荷物を運ぶ。
綺麗で有名海水浴場だがアクセスが悪いせいか、桟敷も四割程の入りだ。
まぁ夏休みとは言え、平日ならこんなものなのかもしれない。
由香が唐突に目の前で脱ぎ始めた。
ヘッヘーと、お得意の舌を出してジーンズを一気に足元に引き下ろす。
「ジャンジャ、ジャーン、ビックリした?」
始めから水着を着て来たらしい。
黄色い生地に花柄を散らしたビキニだ。
「また~、そんなんで驚くかよ」
由香はTシャツも脱ぐと、グラビアアイドルの様にポーズをとる。
「どう?ちょっとは見直した」
相変わらずスレンダーな体つきだが、確かに胸は少し大きくなった気もする。
「似合ってるよ、すごく可愛いパチパチ拍手」
「もう、真剣味が無いんだから」
頬を膨らませる由香。
私は脱衣所まで行って着替えた。
桟敷では肩にタオルかけた由香が、膝を抱えて待っていた。
その後ろ姿が急に愛おしく感じた。
抱きしめていなければ、何処かへ消えてしまいそうな気がした。
由香に声をかけると、満面の笑みで振り返った。貸し浮輪を借りて、二人で海に入る。
浮輪に腰を沈め漂う由香を浮輪ごと沖へと引っ張って行く。
回りには誰も居なくなった。
「ターくん、良い天気だね」
空を見上げ由香が言う。
「そうだな」
「ねぇターくん、今日私を抱いてよ」
空を見上げたままポツリと呟いた。
「何を言ってるんだ、そろそろ戻るぞ。腹も減ったし」
「私本気だよ」
今度は私の顔を見詰めて言う。
由香の目には涙が溢れていた。
何か気のきいた冗談で返すつもりだったが、無理だった。
「何かあったのか?」
ウンウンと首を振る。
「ターくんが好きなだけ、私はまだ子供かもしれないけど好きな気持ちに嘘は無いよ」
「分かったけど、俺を困らせないでくれ」
「由香の事は愛おしいとは思うが、今はまだ女としては見られないよ」
「私の事嫌い?」
「嫌いじゃないさ」
答えを見つけられず、逃げているのは私自身、自覚していた。
年齢差もあるが、別れた妻への未練なのかもしれない。
桟敷に戻る頃には、由香も平静を取り戻していた。
何も無かった様に振る舞う由香に正直助けられた。
海の家の食堂で、軽く食事をしてもう一度海に入った。
2時半にはシャワーを浴び、帰路についた。
濡れた髪でヘルメットを被るのに、抵抗はあったが仕方無い。
走り出して暫くすると、急に西から雲が流れて来て、今にも雨が降りそうになった。
道半ばで、滝の様な雨になった。
服は全身ずぶ濡れだ。
降り始めのむせる様な夏の匂いは、今は雨に押し流されいる。
濡れた体は我慢できても、この大雨では視界が効かない。
路肩にバイクを止め、由香に事情を説明する。
見渡す限り暗い空、当分止みそうに無い。
何処か雨宿りの場所を探そうと話すと、由香が指差した。
「あそこ行こうよ、私一度行ってみたかったんだ」
指差した方を見ると、ラブホテルだった。
駄目だと言うと、もうあんな事は言わないから、興味があるだけだからと食い下がる。
夏とはいえこれ以上雨で体が冷えるのもまずいと思い、ラブホテルに入る事にした。
ガレージにバイクを突っ込み、横のドアから急な階段を上って部屋に入った。
エアコンが効いているせいで、濡れた体が急速に冷やされた。
さっきまで物珍しそうに、あちこち見ていた由香もガタガタと震えている。
先にシャワーを浴びる様に由香に言い、バスルームに連れて行った。
アメニティや水栓の使い方を簡単に説明して、バスルームを出た。
私も服を脱ぎ備え付けのガウンを羽織った。
洗面化粧台で服を絞り、バスタオルで挟んだ。
少しでも水分を減らしたかった。
タバコはケースに入れていたので、助かった。
火を着け、ベッドに仰向けになる。
この状況はやはりまずかったのでは。
時計を見ると4時が近い。
確か由香の母は、6時過ぎには帰宅すると言っていた。
5時にはここを出ないと間に合わない計算だ。
遮光用の建具を開け、空模様を確認するがまだ止みそうにない。
二本目のタバコに火を着けたところで、由香がバスルームから出て来た。
私と同じ様にガウンを羽織っている。
私は、服を絞ってタオルで水分をとる様に言ってから、バスルームに向かった。
浴槽にお湯が張られている。
由香が気を利かせてくれたのだろう。
ゆっくりと体を温める。
まだ30分くらいは大丈夫だ。
バスルームから戻るとベッドに入った由香が、アダルト放送を見ていた。
「ターくん、すごいねこれ」
「未成年が何見てんだ、逮捕されるぞ」
「そん時はターくんも一緒だよ」
「そろそろ出ないと、母さんが帰るまでに間に合わないぞ」
「大丈夫だよ、この電話って外に電話出来るって書いてあるし」
「ママには友達の所に泊まるかもって言ってるから」
「おいおい、俺は聞いてないぞ」
「別に泊まらなくていいからさ、雨止むまでは居ようよ」
また由香のお願いに屈してしまった。
私もベッドに入り、見るとも無しにビデオを見ていた。
由香は盛んに、スゲーとかエロいとか一々合いの手を入れる。
おそらく照れ隠しなのだろう。
「そう言えば、喧嘩した友達とは仲直りしたかい」
一瞬で由香の顔が曇る。「なんだまだ喧嘩したままか」
由香は顔まで布団を引き上げると鳴咽し始めた。
どうした、何かあったのかと聞いてもただ泣くばかり。
15分程も泣いただろうか。
少し落ち着いたのを見計らって、再度問うてみた。
少しづつ話し始める由香。
噂は忘れ去られるどころか、五千円でやらすとか千円でパンティを売ってるなどのデマが広がり、すれ違いざま背中に卑猥な言葉を書いた紙を張られたりすると言う。
机に落書きされたり、下駄箱にコンドームが入っていた事もあったそうだ。
中学から続けていたテニス部も五月末には、辞めてしまったと話した。
「なんで学校に言わないんだ」
「そんな事したら、また何言われか分かんない」
「それにターくん言ったじゃん、そのうち皆忘れるって、私ターくん信じてるもん」
悲しい程の泣き笑い。
「なんでもっと早く言わなかった」
「ターくんに嫌われたくなかったの」また涙ぐむ。
無責任に由香にかけた言葉が、ここまで彼女を追い込んだのかもしれない。
昼間の態度も今は理解できる。
全ては私のせいだ。
この子を守ってやりたい。
本当に愛おしいと思った。
どちらともなく唇を重ねあった。
今度は由香も積極的に舌を絡めてくる。
私の中で何かが弾けた。
右手は、由香のガウンの合わせ目から滑り込んだ。
9
投稿者:kei
2012/04/24 18:33:27    (lUsB.ZYB)
高速は今は二人乗りOKですが・・・・
10
投稿者:ライラプス ◆AdKeSZp7eg
2012/04/24 23:39:35    (FH2wKF6R)
掌にわずかは膨らみを感じながら、乳房をまさぐる。
掌で小さな突起を確認し、その突起を指先で摘む。
アッ、由香が小さく喘いだ。
布団をめくり、由香のガウンを脱がす。
私もガウンを脱ぎ捨てた。
今日昼間、焼いたばかりの肌がほんのりと赤味をおびて、水着の跡を浮き上がらせている。
白く浮き出た乳房に魅せられ、小さく控えめな乳首に吸い付き舐め回した。
ウッ、アッと由香が喘ぐ。
手を下へ、太腿を軽く撫でると、ピクッと体に力が入る。
足は固く閉じられているが、淡い恥毛を二、三度撫でると、わずかに緊張が解け足から力が抜けたた。
すかさず股間に手を差し込む。
指先を曲げ、幼い秘裂をゆっくりとなぞる。
何度か上下させると、クチュクチュと音をたて愛液が溢れだした。
「由香、濡れてるよ」
「イャ恥ずかしい」
由香は両手で顔を覆った。
その手をどけて、キスをする。
「もっと感じさせてあげるからね」
由香の足元にまわり込み、股間に顔を埋めた。
石鹸の香りと共に、若い雌の匂いが立ち込める。
「由香、良い匂いだよ」
「ターくん、恥ずかしいよ~」
両手で秘裂を広げ、小さな蕾を舌で舐める。
「アッ凄い、ターくん気持ち良い」
秘孔から愛液が湧き出てくる。
秘裂を上下に激しく舌で刺激すると、弓なりに体を反らせ、シーツを握り絞めるる。
「ターくん、なんか変だよ。由香おかしくなっちゃうよ」
逃げる様に動く由香の腰を押さえつけ、さらに激しく責めたてた。
「駄目、駄目逝っちゃうよ」

太腿がピクピクと痙攣する。
両手を伸ばし、乳首を弄る。
「アァン、駄目気持ち良い、逝っちゃう~……イク!」
腰を激しく痙攣させ、あっという墹に絶頂を迎えた。
目を閉じて、肩で息をする由香。
呼吸が落ち着くのを待って、再び胸から責める。
秘孔は充分な湿り気を帯ている。
私の男根も痛いくらい勃起して、亀頭からは先走りがヌラヌラと垂れていた。
「由香、本当に良いのかい」
由香はウンと頷ながら、「ターくんと一つになりたい」と、微笑みながら言う。
由香の両膝を抱え、亀頭を秘裂に擦りつけ潤滑剤とした。
秘孔に亀頭を押し付け半分程入ったが、そこからはきつくなり、それ以上入れる事が出来ない。
何度か試みるが、挿入できない。
こんな時に妻との初体験が脳裏を過ぎった。
高校三年の春休み、受験する大学の下見を友達と行くと口裏を合わせ、二泊三日の旅行に出た。
一日目は痛がる妻に根負けして失敗。
二日目に何とか交わる事ができた。
固く目閉じ唇を噛み締め、両手でシーツを握り絞める由香の姿を改めて見た時、妻の姿とだぶってしまった。
私は由香の同級生でもなければ。少し年上の先輩でもない。
16も年上のおじさんだと言う事を、思いだした。
私はこの子にとって何者なんだ。
本当に責任が取れるのか、いやそんな事を本気で考えているのか。
今なら引き返せる。

急速にブレーキがかかり、一瞬にして萎えてしまった。
「由香ごめん、もう良いよ、よく頑張ったね」
薄目を開けた由香の額には玉の汗が光っている。
「やっぱりこんな事駄目だよ、悪かった許してくれ」
握り締めたシーツを離した由香の掌に、私の掌を合わせ強く握る。
「ごめんなさい、由香が我慢出来なくて、痛がるから。ターくんごめんなさい」
由香の瞳から、大粒の涙が零れる。
「違うよ由香、俺が間違ってた。だから泣かないで」
泣き顔の由香にキスをする。
「今日はもう帰ろう」
イャイャと言う様に首を振る由香。
「分かってくれ」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
なぜお前が謝るんだ。
私は自己嫌悪に押し潰されさうになる。
由香が泣き止むのを待った。
泣き止むまで私は、由香の髪をなぜ続けた。
落ち着いた由香に、もうすぐ6時になるから、家に電話する様に言った。
由香は頃合いをみて母に電話を入れ、7時半までに帰宅する事を伝えた。
シャワーを浴び、まだ湿ったままの服を着て身支度を整える。
帰りつく頃には、服も乾いているだろう。
精算を済ませ、帰路につく。
雨はすっかり上がり、日没を迎えた空は、まだ充分な明るさを保っていた。
沈み行く残光がバックミラーに乱反射して、シールドを照らす。
ハイビームのライトで、先行車を牽制して次々に追い越しをかける。
後ろで由香が、行け行けと歓声を上げる。
いつもこの由香の明るさに、助けられる。
駅に着いた頃には、服は乾いていた。
由香はバイクを降りると、デイパックにヘルメットを詰め込み、駐輪場から自転車をひっぱり出した。
「私、八月から教習所行くからね。一緒にツーリング行ってね」
分かったと頷き、「急がないと、母さんが心配してるぞ」
「分かったてる、今日はありがとう。」
ペダルに足をかけ、反対側の足で地面を二、三回蹴ると勢い良く走りだした。
チリンチリンとベルを鳴らすと、振り返り様
「ターくん好き」と、言って走り去った。
私は由香が見えなくなるまで見送った。
このままで良いのか、頭の中はぐちゃぐちゃだった。

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投稿者:(無名)
2012/04/26 07:44:54    (aIjRXKnx)
つづきを読みたいです。
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