2014/08/12 16:18:05
(BfrnE1BA)
梅雨も明けて、麦茶がおいしい季節になりました。
僕は高子の家で、もう何杯麦茶を飲んだでしょうか。
そのおかげで、ちょっとぐらい溜まったチンチンでも高子を不機嫌にさせることはなくなりましたけど。
高子は僕の精液が随分濃くなって量も多くなったってきたって言ってます。
でも、僕は自分のチンチンが射精するところをほとんど見たことがありませんでした。
ほぼ毎日高子と会ってましたし、射精の瞬間はいつも高子の口かアソコかどちらかの中だったからです。
自分でするのは高子と会えなかった日にどうしても我慢できない時にお風呂でするぐらいです。
一度部屋でやって撒き散らしてしまい後始末が大変だったことがありました。
高子がいつも体の中で受け止めてくれるのは、すごく助かっています。
後始末は、ちょっとチリ紙で拭いて、トイレに捨てるだけですみましたから。
でも、毎日毎日、高子の家に行っているので、そのうちバレるんじゃないかと思っていました。
近所の人が「毎日男の子が来てるよ」なんて高子の親に言ったりしたら、言い訳に苦労しそうですから。
まあ、それは高子に任せるにしても。
とりあえず、僕も高子も、どちらもいまの状態をやめようとは言い出しませんでした。
土曜日は、半日、高子と遊べるのでうれしかったです。
勉強と言っては家を出てましたが、高子の家で教科書を開いたことなんかもちろんありませんでした。
いそいそと歩いていると、学校の近くで自転車に乗ったクラスの子に会いました。
小森さん。あの、高子の友達の可愛い方です。
何となくまずいと思って、知らんぷりしようと素知らぬ顔で通り過ぎようとしましたが、向こうから声をかけてきました。
南沙織みたいなさらさらロングヘアーで、スタイルも良く、ちょっとやせてる感じだけど、シャツの上からでも形の良さそうなおっぱいが目に付きます。
笑うと出来る笑窪がチャームポイントでした。
「高部くん、これから高子んち?」
声も可愛い、この子にこそ「タベ」って愛称で呼んでほしいと思います。
「うぅぅん」
「うん」とも「ううん」とも聞こえる曖昧な返事で、頷くような首を振るような……
僕と高子の関係を知っているのは、小森さんともう一人の子だけだと思います。
関係といっても僕らが何をやってるか詳細を知ってるとは思いませんけど。
「けど、よかったやん、高部くん。両思いになれて」
「え?」
「なんてプロポーズしたん? 高子、肝心なとこ教えてくれへんねん」
こういう話をするときは、女の子ってすごく楽しそうです。
僕は曖昧にぼかしながら、彼女から色々と話を聞きだしました。
高子と友達の三人の間では、僕は高子の「旦那さん」と呼ばれてるそうで、付き合ってることは他の子には内緒なのだそうです。
旦那さんって、もし結婚して名前が高部高子になったら絶対変でしょ。
話を聞いてると、どうやら、女子たちの間では、僕は5年生の時から高子のことが好きだったということになってたみたいで、6年の学級委員を選ぶとき、本当は先生に「やってみたらどうだ」と推されて何の気なしに立候補したのに、高子と一緒に学級委員をやりたくて立候補したと思われてたらしいです。
「女子みんなで応援してあげたんやで」
小森さんが拳を握ってそこを強調します。
確かに、僕があんなに得票があるなんておかしいと思ったんです。
「でも、高子も僕のこと好きやったんやろ?」
「高子、男子に全然興味なかったし、もう、ホント全然やったんやから。高部くん、なんか猛アタックしたらしいやん」
頭が痛くなってきました。
確かに、5年の時は高子と席が隣だったり、出席番号のせいで日直が一緒だったりしましたし、宿泊学習の時は高子に頼んで同じ班に入れてもらったりしたこともありました。
でも、それは高子の近くにいつも小森さんがいたからなんです。
「ほら、高部くんがずっと前、学校休んだときあったやんか。そのとき、私とミッチで高子にプリント届けるように言ってあげたんやから。私ら二人の恩人なんやで」
僕は、てっきり高子の方が僕のことを好きで、それで休んだときにわざわざ家まで来てくれたんだと思っていましたが、こいつらが、まさか小森さんが原因だったとは。
いつの間にか自分の知らないところで、全くの偽情報が広がっていたなんて、つくづく女子は怖いと思いました。
でも、いまさらここで小森さんに真実を言っても仕方ありません。
「高部くん、聞いて良い?」
「何?」
「もう、キスとか、した?」
「してへんよ!」
僕はムキになって否定しました。
確かにキスはしてません。
僕がムキになるので、小森さんが笑ってきれいな笑窪を作りました。
「高子、すごい純情やから、いきなりキスとかあかんよ」
「せえへんって!」
小森さんは、そのあとも10分以上、さんざん僕を高子のことでからかっておいて、「じゃあ、急ぐから」って、手を振って走り去りました。
こんなに小森さんと二人っきりで話をしたのは初めてでした。
僕は小さくなる小森さんの後ろ姿を見送って、溜息をつきました。
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「みんな、結構オッサン、オバハンなってたなぁ」
「自分では変わってへんつもりやったのにね」
「小森のやつ、めっちゃマツコ・デラックスなっててビックリしたわ」
「何言うてるん。あんたの髪の毛の方がみんなビックリしてたんやで」
「あのなぁ、実は、あの頃ほんまは小森さん好きやってん。
僕の可愛い子ランクのダントツ一位やったんや。
今さら言うてもしゃあないけどなぁ。
まあ、40年以上も前の思い出やし、結局、おまえ以外の女の子、知らんもんな。
おまえも、僕だけやろ?
最初は勘違いやったけど、結構、僕ら、お似合いやったちゅうことかな?」
「あほ、勘違いやったって、二、三日ですぐに気いついてたわ。
だいたい初めてキスしたんが初めてエッチしたのより三ヶ月も後って、普通あれへんやろ?
毎日毎日飽きもせんとシテたのに。
ほんまに好きやったら、まずキスしてくれるんちゃう?
まあ、あんた以外の男の子と付き合ったことないからよう分かれへんけど。
結局、なんか好きになってもうたから、別れたなかってんなぁ。
それを言うなら、お似合い言うより腐れ縁やんか、ウチら」
「なあ、帰ったら、しよか?」
「もう、長いこと…… やり方、忘れたわ」
「きょうは、ちゃんとキスから始めるよ」
僕は手を伸ばして、並んで歩く古女房と手を繋ぎました。
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高子の家に行くと、珍しく高子が私服に着替えて出てきました。
「算数のノート買いに行かなあかんねん」
今日の宿題の分のページが足りないそうです。
「吉田屋行こ」
高子が学校近くの文具屋の名前をあげました。
「うん」
僕たちは学校へ向かう道を一緒に歩きました。
「なあ、手、繋ごか?」
高子の目がまん丸になりました。
「タベくん、お昼、なんか変なもん食べた?」
「そんなんちゃうわ!」
僕は、高子の耳元に、顔を寄せました。
「なあ、帰ったら、キスしようや」
「もう、急にそんなん言わんといてよ」
高子は怒ったように唇を尖らせます。
「なんで?」
「だって、全然ロマンチックちゃうやん」
「そっかぁ……」
僕は手を伸ばして高子の手を握りました。
高子は真っ赤になって、電信柱一本分だけ、手を繋いでてくれました。