2010/02/02 22:01:24
(hfm/QxLM)
年末から年始にかけて、居候との出会い、続編です
中々、いい案が浮かばず、険しい顔に見えたのか?俺の機嫌を取ろうと「スカート、少し長くしたよ!」と手に持って見せてきた
裁縫道具なんて、家には置いてないので、「どうやって直したの?」と聞いた
「ウエストの所で巻き上げて、簡単に止めてあるだけだから、外して調整してまた止めた」と答えた
学校で検査があるみたいで、その時に直ぐに長く出来るように加工しているそうだ
そう言えば、昔同じような事したなと懐かしかった
時代は変わっても、校則と生徒の知恵比べは変わらないみたいだ
彼女は、髪質が細く直毛で、染めなくても少し茶色く見える、化粧もリップかグロス程度しかしないので、まず怒られないそうだ
よく街に居る、訳の分からない髪型をして、パンダみたいに目のまわりを黒くし、誰を殺すのか?と心配になるような長い爪の派手な女子高生とは違い、お洒落でスマートな女子高生を目指してるそうだ
違いが分からない
休み明けで久しぶりに友達と会って、ハイテンションで話す彼女を見て、今までとは違う違和感を感じた
年齢のギャプなのか?話が分からない
友達の彼氏がどうとか?何処に遊びに行ったとか?相槌しか打てず、面白くなかった
今までは、2人だけの世界で暮らしてきたから、会話も2人だけの事だった
行動も生活も食べてる物も見ている景色も、すべて一緒だった
だから、会話も弾み理解も出来、面白かった
今は、それぞれの生活が始まり、お互い固有の時間が出来、話した内容も会った人も行動も分からない
彼女は、その隙間を埋めようとして、話を聞かせてくれてるのは理解してるし、嬉しい事だ
しかし、話してくれても、理解出来ず、興味も沸いてこない
これが、歳の差という厄介な問題だと、改めて認識させられた
(子は鎹)と言うが、夫婦の場合、子供と言う共通の話題があるから、別れずに居れるんだなと思った
共通の話題がない!
元嫁との間には、子宝に恵まれ無かった
結婚当初から自然に任せていたが、出来なかった
双方の親から、催促にも似た言葉に苛立って、親とも険悪になり、歳を重ねる度に不安が増え、病院の不妊治療にも2人で通った
原因が俺にあると分かり、自然妊娠は無理だと言われた
子供の頃から扁桃腺が弱く、40度前後の熱を、季節に関係なく、35才に摘出手術を受けるまで、毎年3~4回疲れると出していた
熱・溶連菌・ウイルス等の影響で、精巣の細胞が壊されたみたいだ
簡単に言うと、人より元気に活動してる精子の数が少なく、受精しにくいんだそうだ
試験管ベビーのような顕微受精という特殊なやり方をすれば、可能性はあると言われたが、自然妊娠の出来る元嫁の母体への負担を考えて諦めた
幸せな子作りが、義務になりやがて脅迫に感じた
当然、ギスギスした関係になり、不妊の理由が自分にある事の負い目から、避けるようになっていった
当然、彼女にも付き合うと決めた日に話した
力の入った目で「何年先か分からないけど、その時は私が決めるから!」と言われた
同じ事を繰り返してはいけない!
一度目の失敗は経験だか、二度目は馬鹿だ
彼女の話に興味を持ち、自ら話題を提供出来るようにしようと思った!
話疲れない彼女に「明日から授業あるの?」と聞くと「本試験受ける人たちは、特講に出るけど、私たち推薦組は、単位に余裕があれば、昼迄で終わり」
「じゃ、昼から暇だね?」と聞くと「明日も友達呼んでいい?」と言うので「今日と同じ条件ならいいよ」と許した
とても楽しかったらしく、学校から家の中間地点という事もあって、3人の溜まり場になりそうだ
1人の子が、「私も今、喧嘩中だから、家出して、ここに来るから泊めてね」と彼女に冗談?で言ったそうだが、俺の家は駆け込み寺じゃない!
もう、無理!
家出予備軍ってそんなに居るのか?
彼女に会うまで、家出人も、家出された人にも会った事がない
勿論、俺もした事ない
どこか遠くの話に思っていたが、当事者になると、本人も大変だろうが、それより周りが大変だと身を持って分かった
まだまだ、話足りなそうだったが、「風呂に入ろう!」と話の腰を折った
少し不満ぽい顔だったが、風呂好きなので「はい」と素直
ゆっくり浸かって、体を温めた
ソファーで、湯上がりのビールを飲んでいると、髪を乾かせて、彼女が入ってきた
「ビール飲む?」と勧めたが、余程懲りたのか?飲まなかった
眠くなるまで、ソファーでイチャイチャしてた
2人とも眠くなり、ベッドに入り、腕枕で就寝
彼女のキスで目を覚ます
昨日と同じコスプレ姫だが、慣れたのか?それほどドキドキしなくなった
身繕いしてリビングに行くと、確かにスカートは長く感じた
と言っても、まだまだ不安な長さだが、あまり煩く言うのも機嫌を損ねそうなので言わない事にした
いつも、彼女は和食の朝食を作ってくれる
若いので、パン食かと思っていたが、昔からの習慣で朝はご飯と味噌汁らしい
非常に助かる
彼女を玄関まで見送り、キスをして、用心の為覗き穴から確認
誰も居ないので「いってらっしゃい!」と彼女を送った
リビングに戻り、一服
慌ただしい朝も、彼女の存在が楽しくさせる
この日の仕事は忙しく、連休前だからか、携帯に取引先からの電話が鳴りっぱなしだった
あっという間に夕方になり、取引先との打ち合わせの報告書・企画書と、仕事が山積みになった
とても帰れる状況ではなく、彼女に遅くなるとメールをして、早く帰れるように集中した
そんな仕事中に、彼女からメールが入った
内容は、俺が遅くなりそうだと母親に話すと、一緒に晩御飯を食べようと誘われたが、行っていいか?と尋ねてきた
どれ位で終われるかも見当が付かず、遅くまで待たすのも可哀想だと思ったので、いいよと返信した
気が付くと、賑やかだった社員も、殆ど残ってなく、電車通勤組は、終電を気にする時間になっていた
しかし、終わらない
何とか形になったのが、1時を回っていた
会社には、終電を諦めた徹夜組数人が残ってるだけになっていた
帰ろうとすると、残った徹夜組数人が「飲みに連れてってください!」とたかってきた
いつもなら、引き連れて飲みに行くのだが、彼女を待たしてるので断った
「最近、帰るの早いですよね?」と嫌味を言われたが、我慢して「悪い!また今度、連れてってやるから!」と逃げるように会社を出た
車から電話しようか?悩んだが、寝てると起こすのも可哀想だと思ったので、そのまま帰る事にした
玄関に入ると、リビングの明かりが見え、まだ起きてるのか?と思い「ただいま」と言ってみたが返事がない
そのままリビングに入ったが見つけられず、寝てるのか?と、寝室に行き明かりを点けたが姿がなく、取り敢えず着替える事にした
残る和室に行くと、炬燵に入り、上に勉強していたのか?ノートを開きっぱなしで、座った状態の彼女が寝ていた
風邪を引かないように起こしたが、起きない
仕方ないので、お姫様ダッコしてベッドに運んだ
リビングと和室の電気を消して寝室に戻ると、ベットの上で、目を擦りながら座って「おかえり」と彼女に言われた
俺「ただいま!ごめん遅くなった」
彼女「お疲れ様、ご飯食べたの?」
俺「食べて無いけど、もういいよ」
彼女「直ぐ作れるよ」
俺「今から食べると、また太るから我慢する!」
彼女「お風呂は?」
俺「今から入る、もう入ったの?」
彼女「入った」
俺「じゃ、入ってから寝るから、先に寝てて!」
彼女「分かった。おやすみ」
俺「おやすみ」
と言って、オデコにキスした
これだけの会話を、彼女は全部覚えて無かった
目を擦りながら、下を向いて会話してたが、寝惚けながら、これだけハッキリと会話したのを聞いた事がない
ある意味、特技?
朝起きてから、隣に俺が居てビックリしたそうだ
遅めの朝食をして、ソファーで恒例となったイチャイチャしていた
連休初日の今日をどう過ごすか考えていた
彼女は昨日友達がきて、楽しかった話をしてくれた
家出予備軍の子が、本気で泊まりにくる計画を相談されたそうで、俺がダメだと言ってるのを伝えると、凄く残念がってたそうだ
当たり前だ!折角、楽しく過ごしてるのを邪魔するな!と言いたい
母親との晩御飯は、彼氏がいて美味しくなかったと怒っていた
会話が、彼女も居るのに下ネタが多いのが原因の気がする
アラフォーの母親が、笑って聞いているのも気に入らないようだ
坊主憎けりゃ、袈裟まで憎いの原理だな
アラフォー女性は、会社でも下ネタをよく話す
悪い気はしないが、品性に欠けるのは仕方ない
俺は下ネタは話さないので、逆にムッツリスケベと誤解されるのが嫌で、気兼ねなく無く話す人が羨ましく思う時がある
家に居ても、彼女を抱きたくなるので、出かける事にした
多分連休初日は、遠出組の移動日だから、近場のショッピングモールにでも行こうと彼女に言うと「嬉しい!」と言って抱き着いてキスしてきた
何も買ってやるとは、言ってない筈なんだが…
つづく