2018/12/22 19:04:23
(63uQ94Ej)
その日はそのまま、目的地まで逃げるように向かった
無事に着いたものの、奇妙な出来事が頭の中でざわついていた
それから数週間後、この道を通った
お店に寄ろうかと思ったが、鼓動が高まり、ここに居てはいけない気持ちになり、急いで通り過ぎた
それ以来、私は過去の黒歴史に蓋をするような心境で、日常生活の中あの出来事を忘れようと努力するようになった
それから数ヶ月の間、何度か通り過ぎたが、過去の汚らわしい自分が嫌でなるべく視界に入らないようにしていた
ある日のこと、あのカーブに差しかかった時
うっかり、あのお店を見てしまった
すると、見覚えのある車が一台停まっていた
あれは!?
姉の車と同じ車種だった
姉があの店に居るのか、何してるのか気になり慌ててUターンして、久しぶりにあの自販機前に停車した
ナンバーを確認すると、やはり姉の車だった
自販機隣のお店を見ると、もうあの老夫婦がいた商店ではなく、ラーメン屋さんになっていた
運転席を覗くと、誰も乗っていなかった
辺りを見回すと、足音もなく肩を叩かれた
「久美ちゃん!何してるの!?」
姉だった
「やっぱりお姉ちゃん・・お姉ちゃんこそ、こんな所で何してるの?」
姉も私も、嫁に出て以来、年に数回程度しか顔を合わさない
私は姉にこの道を通る事情を説明し、姉も何故ここにいたのか教えてくれた
嫌な予感もしたが私の考えすぎで、なんのことは無い、ただ仕事の途中に立ち寄っただけとのこと
些かホッとし、私は急ぐからと伝え、姉に手を振り自分の車に戻ろうとした
すると姉が走りながら駆け寄ってきて、久美ちゃんにこれあげる!
と、オロ〇ミンCを蓋を開けた
そこの自販機で買ってきたのだろう
え、、
もちろん噴き出すオロ〇ミンC…
「久美ちゃん、子どもの頃からこれ好きだったよね?飲んでね!」
と、姉はふきこぼれるオロ〇ミンCのことなど気にせずニコニコしている
いやいや、お姉ちゃん、溢れてるよ、、
確かに子どもの頃から好きだったけど、子どもの頃からお姉ちゃんはあわてんぼうだよね…
と言うと
姉は、「うん(笑)久美ちゃんに似て天然なんだよね…」と
お姉ちゃん、違うよ
お姉ちゃんが私に似てるんじゃなくて、私がお姉ちゃんに似てるんだと思う…
姉とは歳が離れていて、幼少期に遊んだ記憶はあまりないが、私には頼れる存在だった
淡い懐かしさの中に厳しさもあったが、お互い今は違う道で幸せに暮らしている
「お姉ちゃん、ありがとう。またね!」
と、姉に手を振り、その場を後にした