2023/11/19 17:14:46
(7XDyx8Kl)
おじさんを残して、野湯を後にした私・・・
山道に戻ってきても恥ずかしさに顔が火照りっぱなしでした。
本当は、
『嫌あーっ、男に見られたー!』
そんなふうに大声で叫びたいぐらいです。
胸のどきどきがとまりません。
予定を変更していました。
そのままさらに山奥に向かって歩いていきます。
しばらく行って、休憩できそうな場所をみつけました。
ナップザックをおろします。
あんなことの直後だけに、ものすごく気持ちが高揚していました。
(どきどきどき)
男の人がいたのに、
(はだかであんなに堂々と)
あああ、私・・・
(泣くかと思った)
(すっごく興奮した。。。)
小岩みたいなところに腰かけます。
一気に10歳も若返ったような気がしていました。
青く澄んだ遠い空・・・ゆっくり流れていく雲・・・
自分とはなんの縁もゆかりもない土地で、ぼーっと秋空を見上げます。
最高の気分でした。
誰にも迷惑なんてかけてない・・・
だけど、背徳的な感情の昂ぶりで胸がいっぱいです。
(もういちど・・・もういちどだけ・・・)
爽やかな朝の空気に五感が磨かれていくような気分を味わいながら、ひとりで佇んでいました。
30分ぐらい時間をつぶしてから立ち上がります。
(今ならできる)
(もういちど、さっきと同じことを)
引き返すように、再び同じ野湯に歩いていきました。
気をつけるべき点は、ただひとつ・・・
そこに男性がいた場合、紳士的な人なのかどうかは必ず見極めなければなりません。
(どきどきどき)
湯だまりが見えてくる場所の手前で、わきから藪に分け入りました。
どうしても事前に状況を把握したかったのです。
もしさっきと同じおじさんがまだいるようなら、
(さすがにそれはまずい)
そのときは諦めてそのまま立ち去ろうと決めていました。
首を伸ばすようにして遠目から確認します。
(大丈夫、あの人はいない)
完全に人が入れ替わっていました。
さっきのあのおじさんはもういないけれど、今は違う男性が3人いるのが見えます。
(どきどきどき)
藪から山道に戻りました。
3人は・・・ちょっと多い・・・
だけど、ぱっと見た感じでは全員が高齢の男性だったような印象です。
(あの年齢なら)
(だいじょうぶ)
高齢でも実際にここまで歩いてきてはいるのですから全員が健脚なことに疑いはありませんでした。
それなりに体力もあるのでしょう。
でも、明らかに『お年寄り』です。
どきどきどき・・・
(とりあえず)
(行ってみてから判断しよう)
どきどきどき・・・
野湯へとつながるひらけた場所に出ていきました。
やはり、1,2・・・3人・・・
下手すると、みんなもう80歳近い?
かなり高齢のおじいさんたち3人組がお湯につかっています。
(えー、どうする)
(すごい高齢・・・)
本当は、入るともう心の中で決めているくせに・・・
いちおう頭の中で葛藤するかたちだけはとって、自身の理性を説き伏せます。
(だいじょうぶだよ)
(この人たちなら危険はない)
どきどきどきどき・・・
3人と目が合いました。
私は、その場で立ちすくんでしまうふりをします。
ずっと歩いてきてようやく到着したのに・・・
男の人がいるから、とてもじゃないけれど入れない・・・
そんな演技をしていました。
(どきどきどき)
完全に戸惑ってしまっている『彼女』のことを、黙ってみつめている3人です。
足がすくんでいることを見透かしたかのように、
「あー、こんにちは」
ひとりが口を開きました。
・・・ここでは、あえて標準語に直して書いていきます。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ、俺たちジイさんだから」
「気にしなくていいから大丈夫だよ」
気を遣うように、やさしく声をかけてくれていました。
そう・・・この人たちも『表向き』では。
(う・・・)
すぐに気づいた私です。
このおじいさんたち、高齢だけど私を見る目がいやらしい・・・
(どきどきどき)
(どきどきどき)
控え目な性格だとわかるように、逡巡するふりを続けます。
「せっかく来たんだから入っていきなさい」
「心配ないから」
その言葉に背中を押されたかのように、小さくうなずいてみせました。
ナップザックをおろして、シャツとチノパンを脱ぎます。
ああ・・・
(おじいさんたちの目)
けっこう露骨・・・
(うぅぅ、いやだ)
(3人とも絶対にすけべじじいだ)
見たいんだ・・・
年寄りなのに、女のはだかが見たいんだ?
(よかったね)
(キレイな女が訪ねてきて)
もじもじしながらブラのホックに手をかけて、外すと同時に左腕で胸を隠します。
3人の視線に耐えられず背を向けていました。
右手だけを使って、下着のパンツを脱ぐ私・・・
胸と股を手で隠したまま振り返ります。
(ひいいん、超見てる)
(恥ずかしいよ)
「あ、あ、あんまり見ないでください」
「なんか、は、恥ずかしいです」
謙虚な性格そのままに・・・
手のひらで必死に隠しながら、3人の前で死ぬほど恥じらってみせました。
顔が『かーっ』と熱くなったまま、
(ひいいいん)
積石をまたいで湯だまりに入ります。
(あああん、やばい)
(超エロじじい)
「あ、あ・・・なんか」
「やっぱり、は、恥ずかし・・・」
そこからは質問攻めでした。
会話の内容はあえて割愛しますが、個人的なことまで突っ込んでどんどん聞いてきます。
戸惑っておどおどしてみせる彼女・・・
「い、いえ・・・まだ結婚なんて・・・」
「いえ、混浴なんて初めてです」
本当のことを言う必要なんてありませんでした。
東京のデパートで化粧品売場に勤務していると、大嘘をついている自分がいます。
話の流れの中で年齢も30歳だと偽っていました。
「は、恥ずかしい」
「もっと離れてください」
楽しそうに話しかけてくるおじいさんたちですが・・・
若い女性との会話に夢中になって、私を囲む距離がどんどん狭まってきてしまっています。
(ああん、近いってば)
あまり深さのない湯だまりでした。
ぎりぎりで湯面の上に出てしまっている胸を、ずっと手のひらでおさえている『彼女』です。
はだかなのにこんなに近づかれたら・・・
そんなふうに、ちょっと泣きそうになっているふりをしました。
(ああ、やっぱり私だめ)
(耐えられないかも)
「あー、ごめんごめん」
「こいつら遠慮ないからなあ、怖かったよね」
おじいさんたちは・・・
それぞれ積石の平らなところに腰かけたり、またお湯につかったりを繰り返しています。
前を隠す人などいませんでした。
老いた茶色いお〇んちんが細長く垂れ下がっています。
「俺たちみんな、カミさんに先立たれちゃってるからさ」
「若い子とお風呂に入れて嬉しいのよ」
私は、お湯につかったままでした。
のぼせてきたふりをして、
「ふー」
かなりの頻度で深い息をついてみせています。
昔やったことのある『のぼせて貧血のふり作戦』を頭の中で思い描いていました。
もし本当にこの場でそれをやったとしたら・・・
その恥ずかしさは、さっきのおじさんのときの比ではないとわかっています。
(どきどきどき)
「あんたみたいな美人さん」
「男が寄ってきてしょうがないんじゃないの?」
(どきどきどき)
そういう下世話な問いかけには反応しないふりをしました。
明らかにのぼせてきている顔で、
(どうする・・どうするの、本当にやるの?)
恥ずかしそうに身を縮こませている私・・・
混浴しているという過度の緊張で、一気に具合が悪くなってきている表情を装います。
「デパートの化粧品売場なんて言ったら」
「看板娘みたいなもんでしょう」
「そうだよな、そうだそうだ」
「お嬢さんキレイだから間違いない」
何度も深い息をつきながら、つらそうにうつむいていました。
おじいさんたちの会話を無視しておきながら・・・
心の中では、
(もっと言って・・・美人さんって言って)
ものすごく自尊心をくすぐられている自分がいます。
(もっと言って・・・)
(ほら、ほら・・・こんなにキレイな女なんだから)
羞恥心で、お湯から出るに出られなくなってしまっているかわいそうな彼女でした。
ちょっと涙ぐんでいるふりを装います。
(かわいそう)
(泣きそうになってるよ、この子)
勇気を出して混浴に挑戦してしまったものの・・・
そのことを心底後悔している様子の、内気な『美人さん』がここにいました。
半べそになりかけている、そんな女を演じている自分が快感でなりません。
「わかるわかる」
「看板娘って感じだわー」
「じゃあ、ちょっと肩だけ抱かせて」
「あ、自分だけ」
「何やってんだおまえ」
あまり望まない展開でした。
私は、からだにふれられたりするのは本当に嫌だからです。
でも我慢しました。
このシチュエーションを手放すなんて、いまさら考えられません。
「代われよ、おまえ」
「なんだよ自分ばっかり」
代わる代わる私の横にからだを寄せてきては肩を抱くジイ様たち・・・
どさくさ紛れに、
(ぃ・・・ゃっ)
腕や背中を撫でまわされていました。
お湯にのぼせたまま、気が弱くてうつむくことしかできない女になりきります。
(なにさわってんだよ)
(この子、嫌がってるだろ)
自虐的な気持ちがわきあがっていました。
まだ独身だというこのお嬢さんに、思いっきり赤っ恥をかかせてやりたくなります。
「やめてくださいっ、失礼します」
立ち上がって、
「ざばっ」
両手で股間をおさえながら湯だまりから出ようとしました。
露わになった若い女の胸に、ジイ様たちの視線が痛いほど突き刺さります。
そんな恥ずかしい状況なのに、
(あああ・・・)
お湯からあがると同時によろよろと崩れ落ちてみせていました。
数歩と行かず、その場でぺたんと座りこんでしまいます。
すべて演技でした。
(ああああ、こんな格好で)
(恥ずかしい)
「おい、どうした」
すっぽんぽんのまま、のぼせてへたりこんでしまっている『彼女』・・・
白髭のジイ様がひとり、
「ざばっ」
お湯からあがって声をかけてきます。
「大丈夫か」
(ひいいい、来なくていい)
(お湯の中にいてよぉ)
全裸のまま寄り添われる恥ずかしさで、頭の中が真っ白になりそうでした。
あとのふたりは湯だまりからは出ないものの・・・
お湯の中を間際の積石のところまで近づいてきて、すぐ横から私を見ています。
(この子は悪くない)
(不可抗力なんだから)
視線の定まらない目で、地べたに座りこんだまま首をゆらゆらさせていました。
涙をにじませながら、
「はあ、はあ、はあ・・・」
苦しそうな息をしてみせています。
かわいそうに、3人もの男性の前でおっぱいが露わなままの彼女・・・
「おい、しっかりしなさい」
「のぼせたのか」
本気で心配してくれているわけではないのが明白でした。
その平坦な口調の端には、どこか若い女のことを見下しているような傲慢さがあります。
そっけない口ぶりで、
「あー、湯あたりしたんだろ」
あからさまに彼女の胸を見まくっている、にやけ顔のジイ様たち・・・
「はあ、はあ、はあ」
(ああん、恥ずかしいよ)
(おっぱい見ないで)
ひとりだけぴったりと私に寄り添っている『白髭』のジイさんが曲者でした。
白々しく声をかけながら、
「だいじょうぶかあ」
無遠慮に背中や肩をさすってきます。
「すみ・・ま・・せ・・」
ああああ、私・・・
素っ裸なのに、
(この人たちに謝ってる)
かわいそうすぎる・・・
「顔色悪いなあ」
「立てそうにないか?」
まるで悲劇のヒロインにでもなったかのような、被虐の興奮を抑えられませんでした。
上から目線なこのジイ様たちを喜ばせてあげたくてなりません。
(美人の看板娘で)
(もっと目の保養する?)
へたりこんだまま、からだをねじろうとしてみせました。
つらそうに眉根を寄せながら、
「服・・・ふく、を・・・」
自分の服のところへ行きたがっている素振りの彼女・・・
ゆらゆらとようやく両ひざ立ちになったところで、貧血症状に襲われるふりをします。
「ぁ、ぁ・・・」
立ち上がることができずに、
「ひんけつ・・ひんけ・・・」
両ひざ立ちから『べたっ』と、両手を前についてみせていました。
なんとか耐えようと、そのままこらえているふりをします。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
一糸まとわぬ姿のまま、四つん這いも同然でした。
すぐ後ろの湯だまりには、雁首そろえて私を見ているふたり・・・
人目をはばかる余裕すらなく、
「はあ、はあ、はあ」
ちょうどお尻がそのふたりに向いてしまっています。
(かわいそう)
(この子、かわいそう)
こんなに間近で、まさに特等席でした。
どれだけ口ぶりが不遜だろうと、どうせ実害のないお年寄りたちです。
そんな後ろのふたりを喜ばせてやりたい一心でした。
見るからに奥ゆかしいこの子に、思いっきり恥をかかせてやります。
朦朧となるふりをしました。
「はあ、はあ、はあ」
(イヤああ、イヤああ)
体重を支えるのもつらそうに、
「はあ、はあ、はあ」
ひじを折って、両腕そのものを地べたにべったりつけてしまいます。
被虐の快感に脳みそがとろけそうでした。
気の毒なぐらい女の部分が後ろにまる見えです。
(こんな格好)
(イヤあ、イヤあ)
「まったくしょうがねえなあ」
「キレイなお嬢さんが」
(あああん、恥ずかしい)
(死ぬ・・・死ぬ・・・)
余計なことをしてくるのは、私の横に寄り添ったままでいる白髭のジイさんでした。
必要ないのに手を添えてきて、
「大丈夫だよ、だいじょうぶ」
私の背中や腰を撫でています。
(あああ、もう!)
(さわんなってば)
それでも演技を続けていました。
地べたにべったり両腕をつけたまま、かなりつらそうな彼女です。
かたちだけ介抱のふりをしている白髭の声掛けにも、
「すみ・・ま・・・せ・・」
まともに反応できずにいるふりをします。
ジジイに腰を撫でられているのに、謝り続けている憐れな女がここにいました。
「すみ、ま・・せ・・」
ついには彼女のお尻にまで、ぴたんぴたん手のひらをあてている白髭ジジイ・・・
儲けものとばかりに、
(あああ、馬鹿・・・)
何度もしっかと手で掴んでは・・・
その感触を確かめています。
(ひいいん、やめて)
(はだかなのに)
屈辱の極みでした。
化粧品売場に勤務しているという女のすべすべしたお尻です。
無造作に掴まれるたびに、
(いやんいやん)
すぐ後ろから見物しているふたりの視線が気になって・・・
恥ずかしくて泣きそうに興奮しました。
(いじわる、意地悪。。。)
(見ないでえ)
恥ずかしすぎて気が狂いそうです。
半ば朦朧とした女を演じながら、脳内にどばどば快感があふれ出ていました。
とはいえ、
「すみ・・ま、せ・・・」
たとえ背中やお尻であっても、さわられるのは嫌でたまりません。
耐えられませんでした。
(ばか・・ばか・・・)
(セクハラじじい)
まだふらふらのふりをしてみせながら、
「はあ、はあ、はあ」
上半身を起こします。
白髭の手が、ぱっと私から離れていました。
「すみ、ま・・・せ・・・」
(恥ずかしいよ・・・恥ずかしい・・・)
素っ裸のまま、よろよろ立ち上がります。
お股の割れ目さえ隠せていない、すっぽんぽんの美人さんでした。
もう立ちあがっているのに、
「大丈夫か、立てるか?」
白髭がにやにやしながら私の腕を取ろうとしてきます。
もう本当は、今すぐにでも走ってこの場から消えたいぐらいの『私』でした。
でもそんなことをしたら、すべてが演技だったとバレてしまいます。
「大丈・・夫です、だい・・じょう・・・」
ふらつきながらからだを拭く私・・・
3人の視線を感じながら、
(早く・・・早く逃げたい・・・)
怪しまれないように最後まで具合悪そうに服を着てみせていました。
ザックを背負ってから振り向いて、ものすごく気まずそうな表情になってみせます。
「ご迷惑・・・を、おかけし・・ました」
「すみ・・ません・・・でした」
(さよならジイさんたち)
(長生きしてね)
最後まで内気そうな素振りのまま、その場を後にしました。
車をとめている場所へと急ぎながら、
(ひいいん、最高・・・最高・・・オナニーしたい・・・)
興奮を抑えられません。
からだが震えていました。
大胆で恥ずかしすぎる自分に脳みそがとろけてしまいそうです。
(ああああ、我慢できない)
(オナニーしたいよう)
旅行の目的が、非日常のどきどきを求めるモードに完全に変わった瞬間でした。
やっぱり私、
(このどきどきが好き)
こういうのは旅先じゃないとできない・・・
(私は、悪くない)
(誰にも迷惑かけてない)
車に乗り込んで、すぐにエンジンをスタートします。
次の目的地にしていた〇〇温泉へとハンドルを切っていました。
(続く)