気配を感じていました。全神経を研ぎ澄ませます。(いる)確かに声が聞こえていました。男性の話し声です。お湯から、「ざばっ」飛び出していました。石垣のような部分をまわって、木戸に近づきます。隙間に目を寄せました。男湯スペースの様子を、こっそり覗き見します。(どきどきどき)おじさん2人組でした。何を言っているのかまでは聞き取れませんが、おしゃべりをしながら服を脱いでいます。(どきどきどき)50代後半ぐらいに見える人たちです。あたりまえですが、人柄まではわかりませんでした。ただ、粗暴そうな印象はありません。ひとりは、ものすごいおデブさんでした。典型的な肥満体型です。(どきどきどき)もうひとりは、かなり禿げていました。どことなく、自分の知っている某会社の『課長さん』を連想させる容貌です。(どうしよう)(ちょっといまいち)正直、がっかりでした。1時間近く待っていたあいだ、ひとりよがりにどんどんイメージを膨らませてしまっていたこともあって・・・期待が大きくなりすぎていたのかもしれません。早くも葛藤していました。私は、あんなおじさんたちのためにずっと待ち伏せしていたのでしょうか。そんなの、(絶対イヤだ)素直に許容することのできない自分がいました。ずっと待ち続けたのです。なのに、やっと現れたのがこんなふたり・・・(ああ、うそ・・)(どうする)いい人たちなのかもしれません。そして、ここを逃したらもうチャンスはないかもしれない・・・(あんなに遠くから)(はるばるドライブして来たんだよ?)気持ちに葛藤を抱えたまま、じっと木戸の隙間から覗き続けます。(どうする)(こんな人たち相手でいいの?)おじさんたちふたりとも、それぞれパンツを脱いでいました。おデブさんの全裸が、なんともビジュアル的に強烈です。そして、(え、そうなの?)思わず目を疑ってしまう『私』がいました。肥満の巨体に反比例して、驚くほど小さいお○んちんだったからです。大袈裟でなく親指サイズ程度に見えました。(あの人)(コンプレックスだろうな)厳密には別物かもしれませんけど・・・私も、標準より胸が小さいほうだからわかります。人まえで、(さらけ出すの恥ずかしいよね)それも異性に見られたりしたら、なおさら・・・そう思いながら、(ねえ、おじさん)いま、私に見られちゃってるよ?(あなたの)(小っちゃいお○んちん)そんな意地悪な気持ちでじっと観察している『私』がいます。(ねえねえ)(奥さんとかいる人なの?)やがて、
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