組のちょっと偉い人と付き合っていて、頼まれるままに女を差し出してた私は、感覚がマヒして善悪を考える事をしなかった。女はレイプされてビデオに撮られるのは知っていたし、ビデオを見たこともある。リアルで暴力的なビデオ。ろうをたらされたり、浣腸されたり、内容は凄まじい。クスリをもらってたから、いいなりで…
女の子がどうなろうが知った事でなかった。
大体の子はビデオで脅され、高校をやめ、夜の仕事や客をとらされてたらしいと薄々感ずいてはいたけど、怖くて知らないふりした。薬飲んでやると、何度もいけて最高だったし…
ある日、カレとやってたら、組員から電話がはいり、カレの声がすごく怖かった。「まや、時間ねえから一緒にこい」とカレの車にのり、組の経営している夜の店に初めて行った。
事務所に入ると、血だらけの女が吊され、竹刀でたたかれていた。ビシッビシッと音がして、女が声にならないうめき声をあげていた。まぶたは垂れ下がり、口から血をだして、おばけみたいでびびった。
「何、逃げてんだ。メス豚。逃げ切れると思ってんのか?」ビシッビシッ…
よくみると、私の紹介した加奈子だ。
カレがくわえてた火の点いたタバコを首に押しつけた。ぐひっ失神したみたいで、同時におもらししていた。
「みせしめにしろ」かれがいい、どこかに連れていかれた。しばらくして、どこかの部屋から加奈子らしき、叫び声、男の「てめえらも逃げたらこうなるぞ」と怒鳴る声、女たちのすすり泣きのような声がした。
急にカレが怖くなった。自分のしてきたことも。でも今さら逃げることも出来ず、女を紹介し続けた。
カレが別の傷害事件で捕まって、私は高校をやめ、他県に引っ越した。
加奈子のその後は知らない。あれから10年たっても地元には帰れず、当時の女からの仕返しにおびえている。