窓の外が白み始めていた。明け方の薄い光がカーテンの隙間から滲み込み、客室の空気を青白く染めていく。
「課長……まだ、するんですか」
遥は虚ろな目で天井を見つめながら呟いた。疲労で体は鉛のように重い。もう何度迎えたかわからない絶頂の余韻が、まだ体の中に残っている。しかし、正明はまだ終わる気配を見せない。
「当たり前だろ。まだ足りねえよ」
正明の声は相変わらず張りあって、精力は衰えるどころか増しているようだった。彼は汗にまみれた遥の体を抱き寄せ、再び愛撫を始める。
「もう……体、持ちません」
「嘘つけ。お前、まだイケるだろ」
正明の指が、遥の胸の突起を捏ねる。
「んっ……!」
電流が走ったような刺激に、思わず声が漏れる。自分の体の反応が恐ろしい。頭では拒絶しているのに、体は快楽を貪っている。
「ほら、湿ってきてるぞ」
「……嫌、そんな」
遥は半ば呆れ、半ば諦めのような感情で、正明の要求を受け入れた。これが上司の命令なら、部下として従うしかない。そう自分に言い聞かせる。その仮面が、罪悪感を鈍らせていた。
「じゃあ、自分で開いてみろ」
その言葉に、遥は躊躇しながらも太ももを広げた。羞恥に顔が熱くなる。
「……これで、いいんですか」
「ああ、いいぞ。今の顔、すげえエロいな」
正明が満足げに頷き、熱い楔を打ち込んだ。
「ああっ!」
遥の背中が弓なりに反る。すでに何度も受け入れた場所なのに、その衝撃はいつも新鮮だった。夫では届かない深い場所。知らなかった敏感なポイント。すべてを容赦なく突かれ、彼女は快楽の淵へと沈んでいく。
「課長……お願い、もう許して」
「まだだ。朝まで付き合ってもらう」
「朝……?」
遥は窓の外を瞥めた。空は薄橙色に変わり始めている。もうすぐ夜が明ける。
「私たち、何やってるんですか……」
「わかってるよ。社会的にはアウトだ」
正明が低く笑う。
「でもよ、今はただの男と女だろ」
その言葉が、遥の胸に突き刺さる。上司と部下。人妻と既婚男性。その社会的な立場は、この部屋の外に置いてきた。今、ここにあるのは、快楽を貪り合うただの男女。
「……最低ですね、本当に」
「お互い様だろ」
正明の動きが激しくなる。汗が混じり合い、体が打ち付けられる音が部屋に響く。遥はもう、声を抑えることさえしなかった。
「あっ、んっ、そこ……また、くる」
遥の口から嬌声が溢れる。夫への罪悪感は、快楽の波に攫われて消え去っていた。
「いくぞ」
正明が低く唸り、最奥へと熱い奔流を吐き出した。同時に、遥の体も大きく波打った。
「あああっ……!」
二人の体が重なり合ったまま、荒い息を吐く。窓の外で、太陽が顔を出し始めていた。新たな一日の始まり。けれど、この部屋の中では、まだ夜の余韻が色濃く残っていた。
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