体の奥で彼の温もりを感じたくて、首にすがりつく。中での圧迫感に慣れていくにつれて、まるで生きているかのようにピクンっ…と動かされる…。
その確かな感覚が嬉しくて、じぃ~っと動かないでいてくれることで、堪能させてくれる気遣いにも溜息がでそうになる……。
硬くて逞しさが溢れる大きいモノが、目覚めたように動き出していく。生々しく動かされる感触が次第に薄れゆく苦痛と入れ替わるように、何かを運んでくる。
引いては押し込まれ、また沈み込んんでくるたびに止めていた吐息が歓喜と共に押し出される。
正常位と言ってもいい正面からの交わりは、目を背けたくなるほど出入れする様を目にできて、嫌というくらいに実感させられる。
彼は私だけのもの………。
そんな女の虚栄心が湧き上がり、呼吸が乱れてしまう。
このまま時を、止めてしまいたかった……。
あぁ……凄い……。
強かに中を締め付けてくる、この感じは大人の女でしか味わえない。幾人もの女性たちと交わってきたけれど、こんなに中を収縮させる人はそうは出会えない。
卓の経験の中でも看護師のお姉さんと、杏奈くらいのものだ。あのお姉さんはどこまでも強欲で、あの一見して静かな女性に見えるのに、並の男では太刀打ちできないハードな攻め方をする人脱だった。
それでいて攻められるのも好きで、オーガズムまで導くことができれば何度でも、達し続けられるタイプでもあった。だからこそ満足するまで求められ、それが並の男では太刀打ちできない所以でもあるのだ。
恐らく杏奈も、その素質を持っている。
艶かしく感じる様を見せつけられて、看護師のお姉さんとある意味で同じなのだ。
両手で尻を抱えてくる様も、堪らなそうに揺らしていた頭を起こし、見詰めてくるのも同じ。
蘇るあの恐るべき官能の日々を、思い出させてくれる。
耐えきれないかのように肩を噛みつかれ、拷問に耐えるかのように呻きながら、そして髪の毛を振り乱す………。
達してしまった杏奈を後ろ向きにさせ、ゆっくりと挿入する。ほのかにピンク色に染まった肌が色っぽくくて、少し強めに突くと短く喘ぎながら背中を反らしていく……。
2人で向かい合わせで湯の中へ沈み、繋がった。
波打つ湯面の下で、前後に躍動させる杏奈の腰がが、今度は卓から余裕を奪っていく……。
激しく律動をさせているのに、憂いを見せながら見詰めてくる杏奈……。卓の読みは、当たった。
恐らく杏奈からは逃げられない……いや、離れられそうにない予感めいたものを感じる……。
この自分が唯一苦手とする女性、それはコントロールが出来なくなるタイプ……それが看護師のお姉さんであり、杏奈もそのタイプだと確信できる。
駄目だった、もう我慢できそうにない。
惚れた人にだけは、勝てそうにはない……。
卓は最後の悪足掻きに、歯を食いしばった。
自分の好きなように動き、感じるところに当てて擦るのが堪らない……。
表情を歪ませて耐える卓が愛おしくて、離したくなかった。
あぁ…凄くいい。
彼は誰にも渡さない、私だけのもの……。
その独占欲が卓を追い詰めていることに、杏奈は気が付いてはいなかった。
結果的には杏奈の手中に収め、鵜飼いのように首に紐を括り付けて、必要とあらば手繰り寄せる。
そんな日が来ることを、想像すらしていなかったから……。
杏奈の体は卓を魅了し、その色気は卓を虜にさせたのだ。
そして今、呻き声を発した卓が肩を弾ませた。
その卓の動きが杏奈の子宮口を圧迫し、卓の眼の前で弾かれたように数回、顎が跳ね上がった。
薄れゆく視界の中で、杏奈は卓の分身が脈動しながら何かが吐き出される感触を認識していた。
数分後、杏奈の腰が再び律動を始めたのは必然だった。
だって、まだまだ足りなかったから……。
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