水分を含んだ下着と秘部の窮屈な間を、卓の太い杭が行き来を繰り返す。まるでコッペパンがサイズの合わないソーセージを挟んだように、2つの肉壁が左右に大きく開いては閉じるを繰り返す。
もともと太ってはいない咲だがその体の凹凸感というのか、腰のラインが素晴らしい。しっかりと窪んだウエストも垂れもせず、やや小さめのお尻もスカートスーツを似合わせている。
それもそのはずで体重も5キロ以内の変動しかなく、55キロ辺りが頭打ちだと触り心地から察することができる。目鼻立ちがはっきりとしている咲は、縁無し眼鏡をした地味な身なりをしていなければもっと見栄えのする女性に違いない。
さり気なくスカートの前の裾を押さえる咲の背後は、お尻側見えるギリギリまで押し上げられている。その2人の男女間を下半身が密着しては、離れる運動が続く。電車が停車する間もそ〜っと動かされ、電車が走り出すと揺れに合わせて動かされる。
クリトリスに触れる度に咲は息を止めなければいられなくなり、スカートの裾を掴む手に力が入ってしまう。そんな無意識な咲の所作に、気づいた者がいた。咲の目の前に座ったばかりの男性乗客その人だ。
なぜスカートの裾を掴むような必要があるのか、気になって仕方がない。シートに座った乗客心理としては、吊り革に掴まって立ち続ける人に対して僅かながらの引け目に似た感情がある。近すぎる距離も手伝ってか余程のことがない限り、視線を上げてまで相手の顔を窺い見ることはない。
けれど、気になってどうしようもない。隣に並んで立っていたときに、確か中年くらいの少し綺麗な女性だったと記憶している。アジア系の人じゃなければ日本人のはずで、欧米人のように自己主張の強い女性よろしく短いタイトスカートを身に着けているとは気が付かなかった。
お水の世界に生きる女性なら分かるが、どう見ても一般職に就いている人にしか見えないからだ。
若い女性ならまだしも年齢を重ねるにつれて脚を隠したがる風潮の日本人は、20代を堺にせいぜいが膝を見せるスカート丈になるのが普通だ、
なのにこの女性は珍しく、太腿を見せるミニ丈なのだ。元来歳上の女性が好みな性格だが、綺麗でスタイルのいい女性なら熟女でも守備範囲の身としては、興奮するなというほうが無理なのだ。
何気なく手元から顔を上げ、思い切って一瞬だけ視線を上げてみる。女性は40くらい……いや30代の後半かもしれない。銀行員か何かお硬い職業にありがちな雰囲気を漂わせている。こちらを気にする様子は見られず、何か考え事でもしているような表現だった。
悪趣味だとは思ったがチラチラと女性の顔を窺い見ることをやめられず、やはり視線を向けてしまう。そして何か違和感を抱いた。目が一点を見つめるように動かず、ゆっくり目を閉じては時おり周囲を気にするように、視線を走らせるのだ。
男性はその度にしばらく目を伏せ、また視線を上げる。不意に眉間に皺を寄せてなんともいえない表情を作り、それはまるで良からぬことを想像させるではないか。
何だ、何なのだ………。
次からつぎえと流れ出る愛駅が、滑りを過剰に良くしていた。卓はこれから始めると咲きに告げるように、ペニスの先を膣口に軽く押し当てて心の準備を促した。ハッとしたように頭を持ち上げた咲が、さすがに体を捻ねろうとする仕草を見せる。
大げさにしたくないのか首を捻るだけに留めたが、3度目をする前に頭が中へと沈み込んでいた。咲はまるでくしゃみを我慢するように俯いて体を硬くさせ、思わず息を止める………。
柔らかく温もりのある膣壁に包み込まれ、2〜3回腰を引いては少しづつ奥まで進めていく。奥まで届いたところで動きを止め、下半身にわざと力を込めて脈動させる。しばらくすると硬くさせていた咲の体から力が抜けはじめ、自分の中に存在するペニスに意識を集中させる時間を与えるのだ。
卓はゆっくりと動き始めた。咲に不自然な動きを連動させないよう穏やかな動き、それは久しぶりにペニスを受け入れた咲にとっても慣れる時間になる。粘膜が擦られる感覚に慣れてくると、じっとしていることに努力が必要だと思わせる、久しく味わってこなかったあの感覚が訪れる。
苦痛だと感じた感覚も霧が晴れたように薄味の甘さが感じられ、やがて体温の上昇が始まる、
下半身から密かな悦びが這い上がってくると、咲の視線が辺りを窺うように泳ぎ、目元が緩んだようになった。
離れては密着される誰かの下半身、その温もりが伝わってくる。緊張感の中の羞恥の極み、その最中で味合わされる官能の味に黙って従う他はない。卓が掴む腰の位置が括れへと移動し、根元まで沈み込む……。
男性は目を見張った。女性の腰の両側を掴む、誰かの手が見えることに気づいたからだ。どうやら自分以外は誰も気付いてはいない。この意味するところは明らかで、女性の今までの雰囲気も説明がつく。この短いタイトスカートの中では、何が繰り広げられているのかが、気になる。
あんなことやこんなことが想像され、股間が熱くなる。気が付くと女性の立ち方に変化が見られ、やや腰が引けて見えるようだ。そして、気付く。
僅かに女性の下半身が前後に揺れていることを。
まさか、こんな混み合う電車の中で………?
女性の顔を、盗み見る。平静を装ってはいるが、ぱっちりと開いていた目は少し瞼が下がり、唇を閉じたり薄く開いたりを繰り返している。自分がアダルト映像を観ている気分になり、内股になっていく女性の膝に確信を持った。
緊張をしているだろうに、スリルを味わいながらのセックスはどんな気分なのだろうと、また女性の顔を盗み見ていた。
やめて、そんなに動かないで……。
半分は本音であり、もう半分は恥じらいだった。
スローセックスという行為は知っていたが、こんなにいいものだとは知らなかった。じっくりと味わうベニスが運んでくる快感、これが堪らないのだ。
にゅう〜っと幾度も奥まで入り込み、ゆっくり腰を引かれてはまた入ってくる。腰を支えられていなければ、膝の力が抜けそうになる。スカートの裾を掴んでいた手を無意識に太腿に移動させると、自らの爪を食い込ませる。
笑いそうになっている膝で必死に立ち、ずいずいと迫るペニスが自尊心を奪う。
咲の中の道徳心は、音もなく崩れ落ちていく。
願わくばベッドの上で、思い切り乱れたい……。
官能的に染まった頭の中でそう渇望する咲は、目の前に座る男に見詰められていることにも気付けないでいた。
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