レールの継ぎ目を通過する振動と音のテンポが遅くなり、次の駅が近づいてくる。頭を垂れてうたた寝を楽しんでいた乗客が、むぐりと頭をお起こす。
最寄り駅が近づくと目が覚めるのはもう習慣みたいなものだが、眠気眼に艶めかしい太腿が飛び込んできたことで、一気に頭が冴えるのは男の悲しい性なのかもしれない。
なぜこの事実に気はづかないまま眠りこけてしまったのか、後悔したものの時すでに遅し。涎が出そそうな太腿の持ち主の横をすり抜けて、泣くなく扉へと歩を進めるのだった。
咲が体をずらしたことで事態を把握した卓はスカートから手を引き抜き、何気なくやり過ごす。待ってましたとばかりに咲の隣に並んで立っていた者が、空席となったその場所に体を埋める。空いた吊り革をその隣りにいた者がこれ幸いとはかりに手に取って、その場に落ち着く。
人の乗降が済んむと発車時刻になった車両の扉が閉まり、また走り出す。卓は再びスカートを手繰り寄せながら裾を掴んで、手を忍ばせた。その手には小さな突起物が握られ、パンストに小さな穴が容易に開けられるのだ。
下着に直接触れられたことでびっくりした咲が、背後を気にする仕草を見せる。やはりこの世代は自分が痴漢の被害に遭っていることを、周囲にしられることを嫌う傾向が強い。ただ黙って力の入った肩を怒らせながら耐えていた。
自分の前に座ったばかりの人が気になるのか、もじもじさせていた太腿の動きが止まった。その代わりに挟まれた手を柔らかい内腿で固定するように挟み込んでくる。それでも指の動きまでは制することは出来ず、一際柔らかい溝を自由に前後にと行き来させていく。
ここだよね……という辺りを卓は丹念に指の腹で、マッサージをするように執拗な刺激を与えていった。ほう〜ら、手を挟む内腿の筋肉がぴくぴくと反応を示し始めてくる……。
数分後にはクロッチを強かに染み出した湿り気が卓の指を、濡らすまでの変化を遂げていた。
硬い表現のままだった咲は困惑を顔に浮かべ、口を真一文字に閉じた顔を車窓に写し込んでいる。
髪の毛を後ろで纏めていることで耳を紅く染めていることが、卓の目に如実にわかる。すぐ近くで誰かの囁くような会話が耳に届き、周囲の乗客の一挙手一投足が咲を不安にさせる。
そんな咲きに、卓は次の一手を打つ。慣れた仕草でベニスを取り出し、パンストの破れた箇所から差し込んで存在を知らしめる。動揺する咲を宥めるように股に挟まれたペニスを前後に揺すると、そこに気持ちが集中させているのが分かる。
大人しくなったのは観念したというのとは違い、ショックを受けて動けなくなったのかも知れない。濡れて水分を含んだクロッチがもっさりしながらも、ヌルリとした感触をペニスに与えてくる。
次の一手、卓は咲のお尻を覆うパンストを浮かせてショーツをずらし、秘肉に沿わせるように侵入させる……。
俯いていた咲の頭が跳ね上がったように持ち上がるのを見て、背後にいる卓には彼女の衝撃が手に取るように伝わってくる………。
紛れもない男性器だということは、いくら久しぶりとはいえ咲には間違いようがなかった。
熱を持った硬い杭が恥ずかしいところに直接触れながら、咲を動揺させる。こんな場所で、なんてことを………。
立派なカリ首、申し分のない大きさ、硬さ……。
まるで現実感を伴わない非現実感が、咲の頭を真っ白にさせる。粘膜を伝うベニスが心を空白にさせ、せり上がる欲情と凄まじい焦燥感の狭間に咲を追いやっていく。まるで崖っぷちに咲く1輪の花を、追い求めさせられているかのように……。
もはや咲は口で鼻で呼吸をするのも忘れ、自らの下半身で……にょりっ…にょりっ…にょりっ……っと前後する男性器の存在が頭から離れなくなっていた。
それでも離れることのない恐怖心が、警鐘を鳴らして咲を奮い立たせようとしてくる。いま人目を気にする自分は、痴態を知られたくないからなのだろうか。
それともこの人知れず行われる秘め事を、邪魔されたくはないからなのだろうか。
真実の扉を開ける勇気を、今の咲には持てそうにはなかった……。
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