「へえ…こんな場所に公園があるんだ…」
団地の奥にある寂れた公園で想良と落ち合った。
可能な限り近場での移動は別々にするようにしている。
「昔おばあちゃんがまだ健康な頃に遊びに来るとだいたいこの公園に連れてこられた」
想良の祖母がまだ元気な頃は別々に暮らしていたそうだ。
独りでの生活が厳しくなり、想良はこっちに転校してきたのだ。
想良の父親からすると会社は遠くなるが、家を一軒ベッドタウンに建てたと割りきることにしたようだ。
これで一生ローンに縛られる事はないのだから、充分妥協の範囲内だろう。
現実問題二時間越えの連日通勤はキツいらしく、週の半分は会社の宿泊室に泊まってるそうだ。
「昔ここで鉄棒に股がってておばあちゃんにやめなさいってよく言われたw」
「いいエピソードだね!そういうの大好きwそんなに激しく擦り付けてたの?」
「たぶん…wおばあちゃんからしたら意味がわかってても理由が言えないもどかしさがあったかもね。どことなく言いにくそうだった」
滑り台と鉄棒と朽ちた木のベンチしかない。
草もホウボウだし団地の人間すら寄り付かないだろう今の公園も、かつてはそれなりに人が憩いに来てたのかもしれない。
寂れた公園はそういう想像を掻き立てるが、そんな目的で来たわけじゃなかった。
想良に鉄棒に股がってもいいよと言った。
咎める人はどこにもいない。
「今日は……やめとくw」
「笑」
当然かもしれない。
彼女は下着をつけてないのだ。
これから自分におもいっきり舐められるのもわかってるし。
さらに公園から上に上がって行くとだんだん道幅が細くなる。草むらに挟まれた道をダラダラ進むと舗装が途切れ立ち入り禁止になっている。カラーコーンとバーが車の侵入を防いでいた。ちょうどUターンできるスペースもあった。
もっともこの先は行き止まりになっているので
無理に入り込む車両などないだろう。
ただ、人間は難なく入れた。
そこからさらに狭い道をうねうね進むとやがて草むらの中に建物が見えた。
道はここで途切れていて、脇に登山口があった。そこもすでに封鎖され、木々に遮られて自然と通れなくなっていた。
「なるほど、登山口に入る前に用を足していくのか…」
「だね…久しぶりに来たけどまだあったね。元からコンクリート剥き出しで古っぽく見えたから、あんまり変わってない」
建物自体はあまり大きくないので、言ってみれば男女兼用だ。入ると湿ったコンクリートの匂いがした。
個室の横に男性用の小便器がひとつある。
「鏡がある…これはけっこういいかも」
「あ…なんか何考えてるのかわかっちゃった!」
洗面台には曇ってはいるがかなり大きな鏡が付いていた。
個室も調べると和式の便器だったが、想像よりも汚れていない。
水はさすがに流れなかった。
「いいんじゃない?」
自分が尋ねると想良が笑った。
野外でする時必須の殺虫剤を巻いて外に一旦出た。
即席のバルサンみたいなものだ。
「公園で遊んでる女の子をここに連れ込んでイタズラした奴が一人くらいはいたかもね」
「ああ…いたかも。望んでついていった子もいたかもよ」
「それは想良ちゃんくらい肝が座ってないと」
「そんなに座ってないよぉ…w」
でも、そんなイメージでしてみようかって提案した。
抵抗はしても本心からは嫌がってない感じで。
想良はイタズラっぽい笑みを浮かべていた。
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