ある日…
自分達が暮らす界隈では一番栄えた街に繰り出した時、ショッピングモールのフードコーナーで想良のクラスメイトと遭遇した。
ショートカットでショートパンツを履いて活発そうに見えるが顔はきれいな子だった。
ボーイッシュなタイプにこの手のタイプはたまにいる。
彼女は立ったまま椅子に座る想良と会話していたが、しきりにこちらを気にしていた。
「お父さん…?」
お父さんと呼ばれるにはまだ若いつもりだが、あえてパパですと冗談で答えた。
「親戚の人だよw」
想良はとっさにそう言ったが、けっこう考えての発言だったらしい。
的確な言い方もないし、まさかいかがわしい間柄とも言えまい…
「うちの隣にしばらく住むことになったの」
「そうなの?…そういえば奥にもう一軒あったね!あそこ?」
「そうそう!」
いちおう家に遊びに来たこともあるのなら、そこそこ仲良しなのかもしれない。
その子も保護者同伴なので、じゃあまた明日学校でと去っていった。
「どう?…(笑)」
「けっこうかわいいね。利発そうだけどガードも堅い感じがする」
「口説く視点で見てるっ!(笑)」
「脚がめちゃくちゃきれいだった…」
「明日言っとくね!」
想良なら本当に軽く言いそうだと思ったけど、止める気もなかった。
それからしばらくして近所のドラッグストアで会った。
夕方にちょっと足りないものを頼まれてお使いに来たって感じだった。
通りを外れるとけして賑やかな土地柄でもないから、近くまで送ってあげた。
あたりもすっかり陽が落ちていた。
共通の知ってる人間の話題といえば想良のことしかないから当然話題に出たが、彼女の話も色々してくれたし有意義なひとときだった。
「今度想良ちゃんち来る時は寄りなよ」
そう言って別れた。
その数日後、まさか本当に来るとは思っていなかった。
しかも、想良抜きでひとりだった。
とりあえず想良の家を見たが覗かれてはいなそうだ。
すばやく彼女を招き入れた。
もしかしたら内緒で訪れた可能性もあるからだ。
ソファーに座りながら物珍しそうに室内を眺めている彼女に飲み物を出した。
「まさかひとりで来るとは思わなかった。大歓迎だけどね」
彼女は少し安心したように笑った。
「で…秘密の相談?(笑)」
「W…秘密っていうか、ちょっと気になっちゃって…」
「?」
「本当に想良ちゃんの親戚の人ですか?」
なかなか鋭い子だなあと感心した。
同時に彼女の意図を図りかねた。
「想良ちゃんには秘密の話だよね?」
「ハイもちろん!」
「じゃあ、当たりかな」
「やっぱり…じゃあ、彼氏…とかですか?」
「彼氏には見えるものなの?」
「彼氏っていうかなんていうか、うまく言えないけど…?」
「まあ、言いたいことはなんとなくわかる」
「最近想良ちゃんわりとつきあい悪くて、それでかなとかこないだ会った時に思って…それなら何で親戚なんて言ったんだろって…」
「怪しい感じがしたんだ?」
「まあ…そんな感じかな…でも別に誰にも言ったりはしてないです!」
彼女は胸の前で手の平を振った。
「本当に関係性を示す適当な言い方がなくてね…ただ、逆にこっちも聞いてみたいな…もし彼氏ならどう思うの?軽蔑する?」
「いや、そんなの私が軽蔑できることでもないし…非難するとか全然ないです」
「じゃあ羨ましい?別に相手が自分なのとかは抜きにして…大人のつきあえる相手という意味でもいいけど」
さすがに即答はせずにしばし考えこんでいた。
「私、同級生の男子とか全然ダメなんですよ…だから、羨ましい面は……あるかな…」
この子、かなりいい…
それにガードの堅い印象どころか脈もありそうじゃないか。
今日も剥き出しになった白くて長いきれいな脚を見て、彼女を欲しいと思った。
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