時はさかのぼって昨日の夕刻に・・・。
院長の言葉と突然の口付け・・・、その後帰宅する為に更衣室に向かう・・・。
ロッカーに白衣を脱いで医師から主婦に戻る・・・。
ここに来たのも院長に惹かれていたから、そんな提案をされてキスするなんて
卑怯・・・。
確かに夫とはレスの期間も長かった、しかし院長も妻帯者・・・不倫関係になる。
奥さんに申し訳ない気持ちもある。
それより、私が受け入れた事でスタッフの女の子達も巻き込んでしまった。
受け入れた理由が院長に好意を持っていた事を否定はできない。
重い気持ちでクリニックを出た。
家に帰ると、夫はまだ帰宅していない。
夫は高校教師、コロナ禍で学校での事務が多く帰りが遅くなることが多かった。
お互いにすれ違いが多く、子宝にも恵まれない事で結果的にレスになっていた。
一人で軽い食事をしてワインを飲む、今日の事を思い起こしていた。
クリニックの専門をED治療に特化する・・・リハビリに特色を・・・。
院長の熱い思いに押された感じ・・・、しかし今のこの生活にも潤いがなかった。
本当にこれで良いのか?・・・私の判断で巻き込まれる子がいるんだよ・・・。
今の状態で最善を考える・・・感染防止、失業回避、利益の向上・・・。
けれど・・・今の私の想いは院長の思いを遂げさせてあげたい想いが強かった。
私は信頼している婦長のはるみに電話を掛けた。
『はるみ?・・・今日の院長先生の話なんだけど、私が受け入れる様にしたけど
みんなの意見はどうなのかな?』
『はるな、気にしないで、院長先生がああ言ってるんだから、悪い様にはしないよ
私だってちょっと厳しいけど、院長先生があんなに熱く言われちゃ・・・ねえ
不純じゃないって言ってるんだし、頑張ろうよ・・・』
『はるみがそう言ってくれるんなら、頑張ってみるね・・・』
『はるなこそ・・・旦那さん大丈夫なの?』
『んんん・・・どうかなあ・・・けど、あなた達だけにリスクは負わされないよ・・・』
『判ったよ、明日から教育の開始だね、頑張ってみよう・・・じゃあね』
私ははるみと話して少し気が落ち着いた。
それと同時に院長に対する好意が愛情に変わる予感を感じていた。
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