玄関のチャイムが鳴ると、妻はその音に反応して立ち上がり、玄関につながる廊下を小走りで駆けて行く。
玄関の鍵を外して扉を開けると、外の空気が妻を撫でた。
「おかえりなさい」
妻は、そう嬉しそうな声を出した。
「ただいま」
少し無愛想な声で答える。
「もう・・・鍵、持ってるでしょ?」
妻は笑顔のまま、はにかんだような少し意地悪な顔になる。
「帰宅を迎えてもらう幸せってヤツだよ」
そう言うと、妻はクスクスと笑った。
おそらく、ここでフレンチなキスでもすれば完璧なのかもしれないが、そうはならずに 手を使わずに足だけで靴を脱ぎ、リビングに続く廊下を歩く。
「おぉ・・・帰ってたのか」
そう言いながら上着を脱ぐと、後ろに立つ妻が受け止める。
「・・・さっきね」
テーブルに並ぶ夕食に箸を伸ばしながら子供が答える。
不満そうな顔の、邪魔をされたと言わんばかりの声色にニヤつきながら そのままズボンを脱ぐ。
妻の両手が、受け取ったズボンを畳み終える抱える頃にはトランクスまで床に落ちていた。
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