(……男同士での協力は、完全に無理そうだな)
こうたが内心で舌打ちしたその時、天然っぽい笑顔のみさきが二人のところへ近づいてきた。
「二人で何やってるんですか~?」
少し気の抜けたような明るい声だったが、目の奥にはこのゲームをちゃんと分析している鋭い光があった。
みさきは壁に寄りかかりながら、小声で続けた。
「男の人たち、バラバラに動いちゃってるよね。
でもこれ、男が5人で女が6人って人数差がわざとだと思うんだ。
もし男が全員で協力して順番に女の子に入っていったら、ほぼノーリスクで痴女を特定できちゃうもんね。
1人余る女の子がいるから、誰かが『この子は痴女じゃない』って情報を隠したり、
後で裏切ったりする可能性が出てくる……そういうリスクをわざと作ってるんだよ、きっと」
みさきはそう言いながら、たくやの顔をじっと見つめてきた。
その視線は一瞬、甘くねっとりとしたものを含んでいた。
「たくやくんとこうたくんはどう思う? 私……ちょっと怖いけど、面白くなってきたかも」
(みさきの言葉で、こうたとたくやの表情がわずかに変わる)
【てんしちゃんだよー♪】
突然、必要以上に明るい声が共有室全体に響き渡った。
【そうそう、忘れてたけど教えておくね~!
ゲームがスタートして1時間経つと、蝶々は1匹ずつ消えちゃうんだよ!
これは男の子たちだけだけどねー♡
蝶々が全部なくなったら……それはまだ教えてあげないよ~♪
これもタイマーで知らせてあげるからね~!
えへへ、がんばってね!】
その無邪気すぎる追加ルールに、男たち全員が息を飲んだ。
壁のタイマーが、残り5分を切った。
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